表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
振られて始まる恋もある  作者: 稲田すずめ
第1章
9/117

部活説明会

 二日間のオリエンテーションが終わり、今日から自転車で通学だ。入学式の日の土砂降りで散ってしまった桜の木を眺めながら、校門をくぐり抜け自転車置き場にとめる。自転車に鍵を掛け、昇降口に向かって歩き始める。ふと前を見ると、十メートルほど前に、ノロノロと足を引きずるように歩いているさとみが見えた。まだ具合が悪いのだろうか、髪も微妙にボサボサだし、元気も無いような気がする。


 声をかけようとしたタイミングで

「おーい、竜也ーおはようー」

 先に、太田君に邪魔された。

 

 仕方なく、そのまま太田君と話しながら歩いていく、教室に入ると女子に囲まれている真由美がみえた。 さとみの様子をチラッと見ると、一瞬戸惑ったようだったけど、「おはよー」と、その輪の中に入っていった。 


「やっぱりさー、まゆみんもいいけど、さとみさんも捨てがたいよね。」

 太田君は好みのタイプが多いみたいだ。


 午前中は委員決めなどのこれからの1年に必要な取り決めが行われた。ところが、太田の馬鹿が、面白がって俺を推薦したせいでクラス委員になってしまった。

 女子は委員長タイプ?の西尾まきさんに決まる。


「それじゃあ、ほかの委員や係も決めていきますね。」

テキパキとした西尾さんの進行もあり特に問題も無く終了した。


「西尾さん、手際よくって助かったよ。」

「いえいえ、内田君もご苦労様です。」

 本当に有能な人が一緒でよかった。せめて足を引っ張らないように頑張らないとな。


そんなこんなで昼休み。

「竜也、一緒に学食にいかねぇ?」

「オーケー」

 教室を出る時にチラッと見ると、さとみがゼリー飲料のキャップと挌闘していた。どうやら固くて開けられないみたいだった。が、すぐに真由美が手伝いに入ったようだ。てか、お昼ご飯、それと炭酸水だけ???具合が悪くて食べられないのかも知れないが、ちょっと驚いた。可愛いお弁当を持ってくるようなイメージを勝手に持っていたかも知れないけど。

 そして、ひとつ教訓も得た。旨いものはみな、すぐに売り切れる。


 この日の午後からは部活の説明会

 いくつかの紹介が気になった。軽音部と吹奏楽部、両方の部活とも面白そうだった。あとは生物部。高原の環境破壊についての発表で賞をとったとか、活動内容の説明に加え、生まれたばかりのこうさぎ。これがまた可愛い~~。

「餌あげてみたい人~」

「は~~い」

 実際部活に入るかはともかく、女子に大人気である。

 アピールの結果、さとみも選ばれて、餌を与えたり、撫でたりしてご機嫌の様子だった。

 その結果

「あの子可愛くねぇ?」

「オリエンテーションにあんな子居たっけ?」

 男子から大注目である。

「アピールうざ。」

「こび売って、何あの女。」

一部の女子からも注目を受けていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ