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振られて始まる恋もある  作者: 稲田すずめ
第1章
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ドキドキの相手紹介

「ふふん、ヨロシクね、たっくん。」


えええええええええええ!!!!!

突然の態度に驚き、椅子から転げ落ちそうになった。


「ちょっと~、なにもそこまで驚くこと無いじゃない!!」

今度はプンプン怒ってる。


 第一印象がクールな印象だったせいか、ふんわりとした極上の笑顔とプンプン怒っている顔のギャップは凄まじい。

 どうしていいか判らなくて戸惑う。


「なによ~、さとみんがお休みだし、悲しんでいるたっくんを元気づけようと思ったのに。」

「シクシク。」

 両手で顔を覆い肩を震わせている。


 ただ事では無い様子の俺たちを見て、周囲の生徒がヒソヒソ言ってる姿が結構ある。ふと、担任の西尾先生を見ると様子を確認しに来ようとしていた。


「あの~~、福山さん。」


「イヤ!!!!」

「まゆみんって呼んで!!!」


ポカン!!

 福山さんの頭が、丸めたしおりで叩かれた。

「あたっ。」

「こら、福山、いい加減にしろ!いつまでも、内田をからかって遊んでいるんじゃない。」

ほら怒られた。


「内田くん、ごめんなさい、ちょっと驚かせちゃったかな?」

 少し距離をとってくれ、落ち着いた言葉使いなったので、俺も落ち着きを取り戻した。


「ほんと、びっくりしたよ。急にあんな事いいだすから。」

どうって事なかったように話そう。


「ほら、昨日みうちゃんが、たっくんって呼んでていいなぁって思ったから、言ってみた〜。」

「で、みうちゃんと付き合ってるの?」


ポカポカ!!

隣で様子を見ていた先生の連続攻撃がヒット


「真面目にやれ、いいな福山!」


「はい」

「ではでは、私から自己紹介します。」

「福山真由美です。隣の県の熊野中学から来ました。」

「中学の時にテニスで全国大会出場の経験があります。」

「みうちゃんにも勝ったことあるんだよ~。」

「まぁでも、どうでもいい事なんだけどね、怪我しちゃったし。」

「もう治らないって言われて、中々受け入れられなくって、どうにでもなれって気持ちになっていた時、ある人に言われたんだ。」

「「今まで出来たことが出来なくなっても、新しい事にチャレンジする事は出来るんだ。」ってね。」

「それまで、優しい言葉をかけてくれても、素直に受けてれなかったけど、ようやくちょっとだけ、前進できた気がする。」

「って言うのが今の私です。」

「あと、女の子大好きなので、いっぱい構ってくれると嬉しいです~。」

「この最後、重要よ!!絶対に言ってよね。」


 ええ、言いましたとも。

 ちょっと、イヤかなり辛いミッションだったが、怪我の事、新しい事にチャレンジしたいと思っていること、、クラスの女子と仲良くしていきたいって気持ちは伝える事が出来たんじゃないかと思う。

 実際に、この相手紹介のあと、ちょっと近寄り難いかもと思っていた子や、クールで素敵と思ってた子に囲まれていたし。


そして、俺の自己紹介もしっかりと「やって」くれました。


「内田竜也は、Dカップのスタイル抜群、テニスも出来て性格も明るい幼馴染の彼女が居ます。」

「みんな、たっくんって呼んでくださいね。」


その結果、相手紹介後の休憩時にクラスの男子に囲まれました。

「やっぱ、めちゃくちゃ軟らかいの?」

「いつから、付き合ってるの?」

質問攻めに合いながら。

「彼女じゃない、付き合ってない。」

と否定するも信じてもらえない。

「またまた~~」

「いろいろ教えてくれてもいいじゃんか?」


「こいつが、あんな素敵な彼女居るわけ無いじゃん!!」

太田君だった。


「やっぱりそうだよね。」

「彼女が居るわけ無いと思ってた。」

「次、グラウンドか、そろそろ移動しようぜ。」


あっさりと信じてしまった。

太田君が、指でグーサインをしてる。

助かったんだけど、この結末は納得いかな~い。



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