1年1組
1年の教室がある新棟まで、そのまま皆で移動した。
「車椅子押すの代わろっか?」
会話のきっかけになるかと、さとみに声をかけてみる。
「―――いい、大丈夫だから。」
そっけない返事が返ってくる。
「ふふふっ」
福山さんは何だかとても楽しそう。
黒髪にポニーテール、ちょっときつめの印象だが、笑うと可愛らしい。
みうほど豊かな胸ではないけど、スタイルもいい。
じとーーー
さとみにゴミを見るような目つきで見られてた。
「さとみん、たっくん、またあとでねー。」
1組の入口でみうと別れ教室に入る。
机の間隔も広くて、車椅子でも問題なさそうだ。
窓際に自分の机を見つけ椅子に座った。
「なぁお前、福山さんと杉山さんの知り合いか?」
突然声を掛けられた。
「あぁ、ごめん、俺、太田、よろしくな。君の名前は?」
「僕は、内田。」
「それで内田君さ、さっき、廊下で福山さんと杉山さんと一緒にいただろ?」
「杉山さんは、小学校からの同級生だよ。福山さんとは今日初めて会ったばかり。」
「それより、何で二人の名前知ってるんだ?」
「中学からテニスやってた野郎なら皆知ってるぜ。」
「強くて、可愛くて、スタイルよくてファンも多いしさ。」
「ただ、福山さんは」
「さあ、みんな席についてー」
担任となる先生が教室に入ってきたので、途中で話が終わった。