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振られて始まる恋もある  作者: 稲田すずめ
第1章
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再会

自動車が止まりマンションの入口から二人の女性が現れた。


雨で傘をさしているのと、後席の窓に貼ってあるスモークフィルムで誰なのかわからない。

みうの親父さんが、自動でドアを開けると、制服を着た女の子が乗り込んできた。


「さとみん、おっはよー」

みうの声にびくっとする、それは小学校の時にみうが毎日呼んでたあの子のあだな。


見覚えのない軽くウェーブした茶髪、だけどその横顔は忘れようもないあの子だった。


「みう、おはよう。それと内田君も・・・」

少し耳に残るハスキーボイス、唐突な4年ぶりの再開だった。


{おぉ、久しぶり。」

平静を装い、なんとか返事をしたが、心臓はバクバクである。


「おはようございます。杉山さん今日はよろしくお願いします。」

軽く会釈をしながら最後に乗って来たのは彼女のお母さんだった。


「山内さん、おめでとうございます。せっかくの入学式でこの天気は残念ですね~。」

「ホントですよね~ 杉山さん本当に助かりました。」

親父とさとみのお母さんが、普通に会話を始めている。

気がつくと、みうとさとみもお互いの制服姿をスマホで撮り合ったりして楽しそうだ。

 みう達の会話に入れないかと思ったけど、よく判らない話ばかりで、あまり話せなかった。

 なんとか分かったのは、彼女がしばらく前にこっちに戻ってきたということ、でもそれだけで十分満足だった。


 やがて車は高校の敷地に入り、送迎用のスペースに停車した。

一番最後にお礼を言いながら車を降りると、みうの親父さんは、

「高校がんばれよー」っと、ひとこと言って出社していった。



ふと気がつくと、親達は保護者受付の方に向かっていた。

親父が小さく手を振った、どうやらしばらく3人で行動するみたいだ。


二人の姿を探すと、みうが近くの自動車のそばに居た。


「どうした?」

みうに声をかける。


「さとみんも知ってる子が居たんだぁ~」


「初めまして、福山真由美です。」

さとみが押してきた車椅子の子にニコニコと挨拶された。


「内田竜也です、よろしく。」

返事をしている間にもさとみが押す車椅子はどんどん進んで行ってた。

新しい校舎で、ユニバーサルデザインになっているため、段差もなくスムーズだ。


新入生の受付でクラスを確認すると、さとみと福山さんと同じ1組だった。


「なんで!私だけ違うのー」

みうが拗ねて居たが仕方がない。



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