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第2話 ロビンの願い

ずっとROMでしたが、本小説が一つ、ブックマークされているのに気が付きました。

気が付いたら執筆欲が復活しました。

ブックマークくださった方、ありがとうございます。

これからもお付き合いいただければ幸いです。

1.いつもと違う朝


 オルニト国が誇る5人の戦姫、その一人、ロビン。

 遠征軍の副隊長でもある。

 脚まである長髪が特徴で、剣技にすぐれ、忠義にあつい。


 夜明け前、そのロビンが砦へと歩いていた。

 朝の点呼にむけて、砦で休む総隊長カナリアを迎えに行くところだ。


 空は明るくなってきたが、木々に囲まれた陣地はまだ暗い。


 砦の入口には2つの人影。

 そのうち1つが慌てて立ち上がっている。


「まったく……」


 ロビンは顔を厳しくして砦に近づいていく。


 互いの顔が見えるまで近づいた頃、2人の門番から声が上がった。


「おはようございます!」


「たるんでいるぞ! 陣内だが敵地だ! 忘れるな!」


「はっ!」


 兵士の挨拶に叱責で返し、ロビンは砦に入って行く。


「…………」


「……油虫が」


 兵士の一人が前を向いたまま、小さくつぶやいた。


「しっ 聞こえるぞ!」


 もう一人の兵士が振り返り、ロビンが気づいていないことを確認する。


「とはいえ、確かにすごいよな。髪の毛から手足が生えてる」


 後ろ姿を見ると、ロビン自慢の長髪が頭頂から膝まで、全身をほぼ隠している。


 その姿から、一部の兵士の間では、食堂でたまに見られる黒々した生き物の名前で呼ばれていた。


「けっ」


「やめとけって」


 ぶつぶつ言っている門兵をうしろに、ロビンは砦内に入る。


 廊下の突き当たりがオルニト国の王女であり遠征軍の総隊長、そして戦姫のリーダーであるカナリアの部屋だ。


 扉の前に立って、居ずまいを正す。


「カナリア隊長、朝の点呼の時間です」


「わかった! すぐに出る」


 扉の向こう側から返事があり、ほどなくカナリアが現れた。


「おはよう、ロビン。いい朝だな」


 ロビンに笑顔で声をかけたあと、歩き出すカナリア。


 その後ろをついて歩くロビン。


 ロビンはこのとき、顔には出さなかったものの驚愕していた。


『隊長が異常だ!』


『カナリア隊長が異常に美しい』


『もともと大変に美しい方だが、加えて清潔だ』


 その美しさが戦地では異常である。

 戦で体は汗と埃と血と脂にまみれる。

 いくら水浴びをしたとしても完全に落ちるものではない。

 遠征が続けば、汚れは日に日に重なっていくものだ。


『昨日までの隊長には、月にかかる霞のようなものがあった』


『しかし、今朝の隊長の美しさは光り輝くほどだ』


 ロビンが目を奪われていると、カナリアが振り返った。


 砦の入口からの光で、カナリアの銀髪が透けて光る。


「ロビン、どうかしたか?」


「い、いえ、なんでもありません」


『おかしい!』


 返事とは逆に、強い驚きと疑問を持ちながら、ロビンはカナリアの後をついていった。



2.男の影


「スワン、今日の隊長、何かおかしくなかったか?」


 その日の午前中、ロビンは、砦の修復を監督しているスワンをつかまえて尋ねた。


 スワンは短い赤毛に大きな体躯、ウォーハンマーを軽々と振り回す戦姫の1人だ。


「隊長? べつに、いつもの様子……おいそこ!、頭揃ってないぞ! もっと打ち込め!……って、機嫌がいつもより良かったくらいか?」


「いや、おかしいだろう!」


「何のことだ?」


「カナリア隊長が美しいんだ」


「ロビンにはいつものことだろ?」


「違う!……その通りだが、違うんだ!」


「だったら何のことなんだよ」


「ああ……もういい!」


 ロビンが話を切り上げて去っていく。


「だから何なんだよ」


 スワンは頭をかきながらつぶやいた。


------------------------------------------------------------


 昼頃、ロビンは食堂の外にスワロウを見つけた。


 5人の戦姫の一人。豊満かつ腰が細い魔法使いだ。


「え? 隊長? そうねえ。いつもより綺麗だったかしら?」


「スワロウも気づいたか! そうだろう?」


「いつもより念入りに手入れしたんじゃあないの?」


「それでは納得できない。もっと根本的に違うなにかだ」


「ふーん。じゃあ、あれかしら」


「何か知っているのか?」


「クロウ」


「クロウ?」


「あら? ロビンは知らない? クロウのこと」


「いや、知らない。何の話だ?」


「といっても、私もよく知らないんだけどお」


「だから何の話だ?」


 ロビンがいらだって聞いた。


「この間、戦勝のあと、隊長と私たちとで打ち合わせしたじゃない?」


「ああ、したな」


「その時、中にいたフィンチが隊長に耳打ちしてたの覚えてる?」


「そんなこともあったな」


 フィンチが最後の戦姫。小柄で柔軟な体。隠密行動を担当する。


「その時にね、フィンチが『クロウ』って言ったの」


「そんなこと言ったか?」


「私は少し耳がいいのよ」


「ほかに何か聞こえたか?」


「ううん。はっきり聞こえたのは『クロウ』って言葉だけ。知ってるのはその後の隊長の機嫌が良かったってことだけ」


「クロウっていうのは何だ? それとも誰だ?」


「さあ、そこまではわからないわあ」


「……そうか」


 ロビンは礼も言わずにその場を去った。


「たぶん、男の名前なんだけど、まあ、いっか」


 スワロウはロビンの後ろ姿に苦笑しながらつぶやいた。


------------------------------------------------------------


「ロビン、ここにいたか」


 夕方、書類作成中のロビンにカナリアが近づいてきた。


「はっ、隊長。なんでしょうか?」


 ロビンは立ち上がって次の言葉を待つ。


「ロビンの次の非番はいつだ?」


「はい。明後日の昼から一日間、休息をいただく予定です」


「では、その明後日の午後から時間をもらいたい。私の部屋に来てくれないか?」


「えっ?」


「休息日にすまないが、会わせたい奴がいてな」


「ええっ?」


 一言目でふくらんだ何かが、二言目でしぼんだ。


「どうかしたか?」


「あ、い、いえ。何でもありません」


「クロウという奴なんだがな」


「えええっ?」


「どうした?落ち着け」


「あ、はい」


 ロビンの顔は赤くなったり青くなったり忙しい。


「クロウというのは、私専属の……なんだ。あれだ。良い言葉が浮かばんな。ともあれ、私専属で、いろいろ世話をしてもらっている男なんだがな」


「男!」


「ロビン、さっきからどうした?」


「はい。いいえ。すみません」


「これまで私専属で動いてもらっていたのだが、戦姫の皆にも紹介しようと思ってな」


「そのクロウという者が、何かをするんですか?」


「ああ、何をするかはクロウが考える。いろいろしてくれるぞ。美味しいものを作ってくれたり、風呂で体を洗ってくれたり」


「風呂!?」


「ああ。あと手足をもんでくれたりする」


「ててて手足!?」


「いちいち驚くな」


「はあ」


「まあ、クロウは信用できる。悪い様にはせんよ。楽しみにしていいぞ」


「はあ」


「では明後日。軽装でいいからな」


「は……はい、承知しました」




3.秘密の部屋


『男か……スワロウほどではないが、男は苦手だ……』


 いつもは颯爽さっそうと歩くロビンだが、砦へと向かう今の足取りは重い。


 母上ゆずりの茶色い髪、物心ついたころからずっと伸ばしてきた。

 幼年学校のころ、周りの男は、私の長い髪をからかい、引っぱる奴ばかりだった。


 そんな男たちを追い払ってくれたのがカナリア様だった。


 その頃から、カナリア様は、私の英雄であり私が仕えるべき主だ。


 士官学校では、男たちは私の足を引っ張ってきた。


 剣で負けることはなかったが、政治力を使って嫌がらせをしてきた。


 その時もカナリア様が守ってくれた。


 騎士になったら、カナリア様を守る。


 ずっと側にいて、守り、支えていく。


 ずっとだ。


 そう心に決めて、ここまで来たのだ。


 そのカナリア様の近くに、男がいる。


 心が落ち着かない。


 カナリア様を惑わす奸物かもしれない。


『どんな奴か見極めて、カナリア様のためにならない場合は切る』


 それが自分の役目、悩んだ末、ロビンはそう結論を出して、砦へと向かう。


------------------------------------------------------------


 敬礼で迎える門兵に片手で応えて砦の中へ。


「隊長、ロビンが参りました」


「ああ、入ってくれ」


 ロビンがカナリアの私室に入ると、奥の椅子にカナリアが座り、その隣、壁の前に男が立っていた。


「良く来てくれた。ああ、この男がクロウだ」


 ロビンの視線を読んだカナリアが、かたわらの男を紹介する。


「ロビン様、お初にお目にかかります」


「……ああ、ロビンだ」


「ロビン、そう構えるな」


「はあ」


「クロウとはけっこう長い付き合いでな」


「!?」


 聞き捨てならないと、ロビンはクロウを睨む。


 クロウは細い目で笑って見えるが、その感情は読めない。


「先日も言ったが、私専用の世話係のようなものだ」


「はあ」


「王都でもそうだし、最近は、この砦でも世話になってる」


「先日、隊長が急にきれいになられましたが、それも?」


「はは。きれいかどうかは知らんが、そうだな。一昨日、その前か? クロウの部屋に入った」


「部屋?」


 その言葉に応えるように、クロウは先ほどまで何もなかった場所に現れたドアを開く。


「な!?」


 ここは砦の一番奥。壁の向こうは外のはず。

 だが、扉の向こうには白い部屋が見える。


 信じられない出来事にロビンが身をこわばらせる。剣の柄に手がかかる。


「落ち着け、ロビン。これはクロウの魔法だ」


「魔法……ですか」


「ああ」


「扉の向こう側に部屋を作ることができる」


「部屋? なんの部屋ですか?」


「クロウの思うまま、どんな部屋でも作れる。らしい。な、クロウ?」


「どんな部屋でも、は言い過ぎかもしれません。カナリア様」


「ともあれ、我々を癒やし、休ませてくれる部屋だ」


「はあ」


 ロビンは思考が追いつかず、曖昧な返事をした。


「今晩は、クロウに日頃の疲れを取って欲しいと思ったのだ」


「隊長、カナリア様、私にはそのお気持ちだけで十分です」


「そう言うな。ロビンもそうだし、いずれ他の戦姫達にも来てもらおうと思ってる」


「そうなの……ですね」


 自分だけでは無かった。

 ほっと安心すると同時に、残念な気持ちが浮かんだ。


「と、いうわけで、それ、剣をあずかろう」


 カナリアがロビンに向かって両手を出した。


「え?」


「え? ではない。今から行く部屋には不要なものだ。私が責任を持ってあずかろう」


 ロビンはためらったが、ほかならぬカナリアの命令だ。しぶしぶ剣を渡した。


「いざとなったら首をひねろう、なんて思ってないだろうな」


「ま、まさか、そんな」


 思考を言い当てられたロビンが少しうろたえた。


「念のため言っておくが、部屋の中ではクロウに従ってくれ」


「え?」


「クロウの言葉は私の言葉だと思ってくれ」


「ええっ?」


「お前は強情だからな。これくらい言っておかんとな」


 なにがカナリア様にここまで言わせるのか。


 貴様のせいか? と、再びクロウを睨むロビン。


「ロビン、この男は少しふざけたところはあるが、信頼できる。クロウなりに国のこと、私のこと、ロビンのことを思って動いている。くり返すが、クロウの言う通りにしてくれ。いいな」


 有無を言わせぬカナリアの言葉に、ロビンはうなずくしかなかった。


------------------------------------------------------------


 ロビンが扉をくぐると、閉まった扉が、壁に埋まるように消えた。


「ロビン様」


 扉が消えた壁を凝視するロビンに、クロウが声を掛けた。振り返るロビン。


 白い壁に囲まれた狭い部屋には木のベンチが1つ。3人は座れそうな大きさ。

 そして、これも木でできた棚が1つ。これだけしかなかった。


「改めまして、クロウと申します。よろしくお願いします」


「ロビンだ。よろしく頼む」


「早速ですが、お風呂の用意が出来ておりますが、お使いになりますか? お腹の加減によっては食事を用意いたしますが」


「…………」


「自慢のお風呂ですよ。カナリア様にもご愛用いただいてます」


「……では、その自慢の風呂とやらをいただこう」


「では、こちらにおかけください」


 クロウがベンチを示す。


「ん?」


「どうぞ、おかけください」


 クロウの語気が少し強めになった。


 先ほどのカナリアの言もあり、しぶしぶ座るロビン。


「失礼します」


 クロウがロビンの前にしゃがみ、ロビンの足を手に取った。


「なっ」


 即座に足を引くロビン、だが、クロウの力は意外と強く、動かせなかった。


「ブーツを脱いでいただくだけです」


「なぜだ!?」


「ここから先は、裸足でお過ごしいただきます」


「裸足だと? 人に裸足を見せるなど……」


「裸足でお過ごしいただきます」


 重ねて断言された。


 これ以上の議論は意味が無さそうだ、ロビンは諦めた。


「わかった。だが手を離してくれ。自分で脱ぐ」


 ロビンは自分でブーツを脱いだ。


 クロウが手を出してきたのでブーツを渡すと、木の棚に収納した。


「それはブーツ置きだったか」


「さようでございます。では、こちらへどうぞ」


 扉をくぐった。


 ブーツを脱いだ部屋の次は、広い居間だった。


 白い壁、木でできた床。


 右側に小さなテーブルと椅子のセットが一つ。


 左右の壁には四角く大きな穴が空いている。


 ロビンが穴から外に手を出そうとして、何かにぶつける。


「な? まさかガラスか?」


「あ、はい。そうです」


 透明なガラス窓の向こうに、明るい森林が広がっている。


「こんなに透明な……大きな……どうやって……」


「私も詳しくは知らないのですが、魔法と言えばいいでしょうか」


「魔法? クロウの魔法か?」


「私というか、私のいた国の魔法ですね」


「……このガラスだけで、ひと財産だな……」


「持ち出せませんけどね」


「そうなのか?」


「そういう魔法です。私が作った部屋のものは外に持ち出せないのです」


「良いのか悪いのかわからない魔法だな」


「食べたものは大丈夫なんですけどね。……お風呂はこの扉の向こうです」


 次の部屋へと進む。


「この部屋が脱衣所、奥の扉の向こうで用をお足しいただけます」


「この白いのもガラスか」


「そうです。こちらの白いガラス戸は、こう引いて開きます」


「ふむ」


「そのついたての向こうがお風呂です」


「わかった」


「と、その前に後ろ、失礼しますね」


 クロウはロビンの後ろにまわり、ロビンの髪を手に取った。


「なっ 何を!」


 ロビンがビックリして体を反転させる。


「お風呂で髪が濡れると良くありませんので、まとめさせてください」


 ロビンは態度をこわばらせるが、クロウは両手を出した姿勢を変えない。


 しばらくにらみ合いが続いたが、根負けしたロビンが髪をあずける。


「恐れ入ります」


 クロウは長い髪を持ち上げ、長いひもを使ってロビンの頭の上の方でかるく縛る。

 さらに、そのままひもで髪の毛を束ね、束ねた髪をさらに丸めて、最後に布の袋に収めた。


「このまま、服を脱いで、湯船につかって下さい。髪を濡らさないように」


「わかった」


「それでは、いったん失礼します」


 クロウが脱衣所を出て行った。


「しかし、改めてみると重いな。私の髪は」


 ロビンは頭上の髪の塊に苦労しながら服を脱ぎ、浴室へ。


「おお、これは」


 タイル張りの大きな風呂場だった。


 湯船は床から地下へと掘られている。


 一つの部屋ほどもある湯船の先、壁一面が白いガラスになっており、空や木々が透けて見える。

 窓からの明かりが風呂の水面に反射してキラキラ光っている。


 ロビンはそのまま湯船に近づき、温度を確かめる。少しぬるめだ。


 すぐ横には石でできた背もたれがあって、腰掛けられるようになっている。


 座ると、湯はへその上くらい。

 肘掛け、首を置く場所、その後ろには髪の袋を置く場所まで用意されている。

 首の横からお湯が少しずつ流れていて、背中が温かい。


「あ~~~~~~~~~~」


 思わず声が出た。


「これは、なかなか」


 首と肩がジンジンとしびれてきた。

 長いあいだ支えてきた髪の重さがなくなった、その反動のようだ。


「あ~~~~~~~~~~」


 大きく息を吸って、もう一度声を出した。


「これは、たまらんなあ」


「とはいえ、これだけの大量で透明な湯をいったい……これも魔法か」


 ロビンは深く考えるのをやめた。


「失礼します」


 突然の声に飛び上がりそうになった。


 ついたての向こうにクロウがいる。


「な、なんだ?」


「湯加減はいかがですか?」


「あ、ああ。いいぞ。実にいい」


「それは良かったです。それで、お伝えしていなかったことをいくつか」


「なんだ?」


「腰掛けの横に、飲む水が置いてあります」


 ロビンが横を見ると、透明な水差しと、透明なコップがあった。


「またガラスか」


「冷たい水です。少しずつお飲み下さい」


「わかった」


「それから、ついたての脇に椅子がございます」


「ああ、あるな」


「そちらにある白い石を布にこすりつけますと泡が出ます」


「石鹸か。わかった」


「その通りです。お伝えすることは以上です。ではどうぞごゆっくり」


「ああ、ありがとう」


 ついたての向こう側から人の気配が消えた。


 ロビンはあらためて腰掛けに身をゆだねる。


 水差しが目に入り、コップに水を注ぐ。


「うわ!」


 コップを手に取ったが、即座に下ろした。


『薄い。透明なガラスだけでも驚きだが、この薄さはなんだ?』


『剣の刃先より薄い』


『持って壊れないのか? 口が切れたりしないか?』


 こわごわ持ち、おそるおそる口にあて、水を飲む。

 冷たい水がロビンの口に転がりこんでくる。


『透明な水だ』


『塩の味も土の味もしない』


『透明な、冷たい、水だ』


 どうしたらこんな水が得られるのか、全く想像がつかない。


「何から何まで……」


 驚くことばかりだ。


 とはいえ、受け入れてしまえば、快適なものばかりだ。


 ロビンは背もたれに体をあずけた。


「ん~~~~~~~~~~~~」


 深い呼吸をくり返す。


 最初はぬるいと感じたお湯だが、上半身から汗が出てきた。


 水差しの水を飲む。時間がたっても冷たいままだ。

 ガラスの水差しの内側に、さらに小さいガラスの水差しが浮いているようだ。


 いちいち深く考えないことにしたロビン、今度は正面の大きなガラスに目を移す。


 白く曇ったガラスで外ははっきりとは見えないが、木々の緑と空の青はわかる。


 日没が近いのか、その空の青に徐々に黄色がかかってきた。


 水面に反射する光の色も変わる。


 視線を上に向けると、水面に反射した光が天井を照らし、ゆらゆら光っている。


 目をつぶる。


 ザーザザザザ、水の流れる音が耳に入る。


 鼻で大きく息を吸って、すぼめた口からゆっくりと逃がしていく。


 体から力を抜く。


 体が湯に溶けていくような気がする。


 このまま消えてしまっても……


「良くない良くない」


 ロビンは慌てて湯から出て、洗い場へと移動した。



4.ロビンの願い


 風呂から上がったロビンは、部屋着に着替え、ミネストローネとパンという軽い食事を済ませたあと、赤ワインのソーダ割りを楽しんでいた。


「ロビン様、一つ、お話……お願いがあります」


「どうした? 改まって」


 クロウはロビンの前で両膝を床につけ、まっすぐロビンの顔を見た。


 何事かと姿勢を直し、緊張するロビン。


「ロビン様……髪の毛を、切らせてください」


 その瞬間、部屋に殺気がこもった。ロビンの頭に思考が流れた。


『私の髪を切ろうとする者は殺す』


『目の前の男は跪いている。殺すのは簡単だ』


『目の前の男は跪いている。私に殺される覚悟をしている』


『目の前の男は殺されないと確信している。私を信頼している』


『クロウの覚悟と信頼、その上での発言だ』


「…………理由を、言ってみろ」


 殺気はまだ解かない。


「理由は3つあります」


 クロウは言葉を続けた。


「一つ目。髪の重さが、首と肩に大きな負担をかけています。」


「……うむ」


 風呂で感じた首と肩の解放感。クロウの言葉は理解できる。


「今のロビン様の髪は重すぎます。これ以上になるとお体を壊します」


「…………」


「二つ目です。美しくありません」


「なっっ」


 右手が剣を探した。持っていないことを思い出した。


「適量をはるかに超えた髪の毛が、ロビン様の美しさを損なっています」


 間接的ながら美しいと言われたロビンが、少し動揺した。


 クロウがたたみかけるように続ける。


「最後に三つ目です。髪の毛がロビン様を弱くしています!」


 ガタン!


 ロビンが立ち上がった。


「この髪は私の思いが詰まったものだ! 私を強くするものだ! 弱くなどならん!」


「心はそうでしょう!」


 激高したロビンに対して、クロウも大声で反論した。


「ですが、広がった髪はロビン様の視界を奪い、重い髪はロビン様の動き、一つ一つの動作を邪魔しています」


 ロビンにも心当たりはあった。

 ただ、それでも国では屈指の強さを誇ったし、髪を切るという考えは最初から無かったため、問題にしてこなかった。


「ロビン様の使命がカナリア様を守ることならば、少しでも強くあるべきでしょう!」


「うぐ……」


 ロビンは反論できなかった。


 今の自分と髪の短い自分、勝負した場合、勝つのは髪の短い自分だ。

 髪の長い自分をどう攻略するか、容易に想像がつく。


 負けを理解しはじめたロビンの目に涙が浮かぶ。


「だが、切りたくない、切りたくはない……」


 ロビンが力なく椅子に座る。


「この髪の長さは、私の、思いの丈なのだ」


 両目を手で覆う。


 カナリア様を守る。ずっと側にいて守る。ずっと側にいる。


 ロビンはそう思い続けて伸ばしてきた。


「幼い頃からずっと伸ばしてきた……切りたくないんだ」


「長さは変えません」


 クロウの突然の言葉に、しばらく沈黙が流れた。


「ロビン様、髪の長さは、変わりません」


「どういう……ことだ?」


「髪の本数を減らします」


 クロウが立ち上がって、別の部屋に行き、すぐに戻ってきた。


 両手に髪の毛の束を持っている。


「かつら、か?」


「そうです」


「こちらが今のロビン様、もう一つが、これから目指す髪です」


 長さは同じ、ただ、横の広がりが違う。

 クロウが後から示した方の髪は、もとの半分ほどの幅しかなかった。


「持ってみて下さい」


 ロビンは立ち上がり、言われるまま、二つのかつらを比べる。


「軽くなる、な」


「当然です」


「長さは、今と変わらないのか」


「ほぼ変わりません」


「ほぼ!?」


 ロビンの語気が強くなる。


「変えません! 本当は少し切り揃えたいですが、変えません!」


「……本当か?」


「変えませんといったら、変えません」


 ロビンがふたたび椅子に腰掛ける。


「髪の長さは変わらない」


「はい」


「本数を減らす」


「そうです」


「そうか」


「そうです。それで、今よりも健康で、美しく、強くなります」


「う……」


 しばらく黙って考え、答えを出した。


「わかった。よろしく頼む」


「承知しました。ありがとうございます」


------------------------------------------------------------


 二人は別の部屋に移った。


 壁に向かって、足から頭まで、全身が乗るような椅子があった。

 さらに、頭側の後ろには同じ高さの洗面台が置いてある。


「風呂にもあったが、この鏡もすごい魔法だな」


 大きな鏡に対する驚きを無理矢理飲み込んだ。


「それではロビン様、椅子にお座りください」


「わかった」


 ロビンは言われるがまま、椅子に座った。


 クロウはロビンの髪の束をほどき、ブラシをかけていく。


「クロウ」


「はい」


「頼むぞ」


「はい」


 鏡越しにみるクロウの顔は真剣だ。


 ロビンも腹をくくった。


 クロウはブラシで髪の流れを整えたあと、慎重にいくつかの髪を手にとり、軽くひっぱる。


 ロビンはその様子を見ていたが、鋏が髪に近づいたところで目をとじた。


 シャリ


 鋏の閉じる音が聞こえ、髪の毛が切られるツツツという感触が伝わってきた。


 慌てて目を開けるロビン。


 クロウの手と、頭の間には、まだ髪の毛がある。


 切れていない。


 いや、切れている。


 髪を引っぱっているクロウの手から、切れた髪の毛がわずかに垂れている。


 クロウの手が髪の先に向かってずれる。


 シャリ


 また鋏がとじた。


 シャリ


 シャリ


 クロウの手が髪の先まで行き、そして髪から離れた。

 切られた髪の毛がクロウの手に残っている。


「短くは、していません」


 クロウが断言した。


「うん」


 見ていたのでロビンも理解している。


 髪を切られたが、長いままの髪が多く残っていた。


 刃を閉じても、全部が切れるわけではない、不思議な鋏だ。


「これをくり返します」


「わかった」


 シャリ


 シャリ


 シャリ


 シャリ シャリ


 シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 クロウの手が徐々にリズミカルになっていく。


 ロビンも最初のうちは緊張していたが、やがて慣れてきて、落ち着いてきた。


 目をつぶって、切られる髪に意識を向ける。


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ



『髪を切るのは物心ついて初めてだ…………』



 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ



『いや、初めてじゃない』



 シャリ シャリ シャリ



『頭上からの音、髪から伝わる感触に覚えがある』



 シャリ シャリ シャリ



『間違いない。だが、いつだ? いつ切った』



シャリ シャリ シャリ


シャリ シャリ シャリ


シャリ シャリ シャリ


シャリ シャリ シャリ


シャリ シャリ シャリ





「思い出した!!」


 ロビンが突然目をひらき、大声を上げ、立ち上がった。


「思い出した!」


「なぜ忘れていた?」


「なぜ忘れていた?」


「そうだ。初めてじゃない……」


「士官学校に入る際に切られた。無理矢理。教官に」


「兵士に長い髪は不要だと」


「母上からもらった髪を。カナリア様を想って伸ばした髪を!」


「力づくで切られた。切られたんだ!」


 ロビンの開かれた目から涙が流れた。


「切られて、泣きながら寮に戻った」


「それから、泣いて、泣いて、泣いて」


「それから、それから、気づいたら、カナリア様がいた」


「カナリア様が『ロビン、辛かったな』って」


「『でも、その髪も、似合うぞ』って」


「それからまた、泣いて、泣いて」


「忘れた。忘れていた」


 涙が次々とあふれた。


「カナリア様の言葉まで、忘れていた」


 椅子に倒れ込んだ。


「忘れていた…………」


 忘れてしまうほどに悲しいことがあった。


 忘れてはいけないことを忘れていた。


 悲しさと、自分への怒りが混ざってこみあげてきた。


 クロウが蒸しタオルを手渡した。


 ロビンはタオルを目にあて、しばらく、声をあげずに、泣いた。


「…………ふう」


 長い時間のあと、ロビンはタオルを目から離し、ため息をついた。


「なぜ、忘れていたんだろう」


 クロウが湯気のたつカップをロビンに渡す。


「ああ、ありがとう」


 お茶を口に含む。


「甘い……な」


 続けて少しづつ飲む。


「クロウはどう思う?」


「わかりません」


「即答だな」


「ただ、こう考えると、楽かもしれません」


「ん?」


「それが必要だったと」


「忘れたことがか?」


「はい」


「思い出したこともか?」


「多分。今は理由がわからなくても」


「そうか」


 ロビンはまた黙ってお茶を飲む。


 しばらく沈黙の時間が続いた。


 ロビンが空になったコップをクロウに戻す。


「クロウ」


「はい」


「待たせた。続けてくれ」


「はい」


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ



「クロウ」


「はい、何でしょう」


「…………いや、何でもない」


「はい」



 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ



「ロビン様」


「ん?」


「…………何でもありません」


「はは、仕返しか」



 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 ロビンは目を閉じて、しばらく黙っていて、そのうち眠りに落ちた。


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 シャリ シャリ シャリ


 鋏の音は、そのまま深夜まで続いた。



5.今日もまた、いつもと違う朝


 気づくと、ロビンはベッドに寝ていた。


 軽い頭痛を覚えながら、ベッドから身を起こし、立ち上がる。


 ベッドの脇に、見覚えのある水差しがあった。


 水を飲みながら、部屋を見まわし、昨晩のことを思い出す。


 いつのまにか再び袋にまとめられていた髪の毛を取り出し、ほどき、垂らす。


 長さは、昨日までと同じ。自分の記憶どおりの長さだ。


 だが、軽い。


 その場でくるりと回ってみる。


 ふわりと広がる髪。


 視界にほとんど入らない。


「少なすぎはしないか?」


 左右に頭を振る。


 髪から良い香りが漂う。


 ドアがノックされた。


「クロウです。入ってもよろしいですか?」


「ああ、いいぞ」


 ドアを開けてクロウが入ってくる。


「お早うございます。ロビン様」


「ああ、お早う」


 クロウの目が赤い。


「クロウ、頭が軽いが、少し不安なくらいだ」


「ご安心を。自分で言うのもおかしいですが、うまくけました」


「すく?」


「ええ。今回のように髪の毛を減らすことを『く』というのです」


「そうか」


「ですがロビン様。仕上げが残っています」


「まだ何かあるのか?」


「はい。まずは朝食にしましょう」


------------------------------------------------------------


 肉と野菜をたっぷりはさんだパン、スクランブルエッグ、紅茶、牛乳、オレンジジュースの朝食を食べ、昨晩と同じ部屋へと移動した。


「これから髪を洗います」


「私が眠っている間に洗ったのではないのか?」


「いいえ、昨日はクリームを塗っただけです」


「クリーム?」


「はい、洗いながら説明しますので、椅子へどうぞ」


 ロビンが椅子に座ると、高さを変えたり、背もたれを倒したりして、ロビンの髪が流しに収まるようにした。


「目に入るといけませんので、タオルをかけます」


 ロビンの目に柔らかなタオルがかけられる。


 頭上で水の音がする。


「そのまえにロビン様、ひとこと申し上げます」


「なんだ?」


 目隠しをされたまま、ロビンが返事をする。


「髪をもっと大事になさってください」


「え? 私の宝物だが……」


「いえ、手入れをなさってください、という意味です」


「手入れと言われても……」


「ずっと昔、首都にいたころ、カナリア様の陰からロビン様を初めて拝見しました」


「そうだったのか?」


「ええ。そのころから、ず~~~~~~~~~~っと、気になっていたのです」


「ええっ?」


「長いから目立ちませんでしたが、ごわごわのボサボサ、エダエダのハネハネ」


「そ、そこまで言わなくとも……」


「昨晩も申し上げましたが、ロビン様の美しさが激減、半減、台無しです」


「褒めているのか、くさしているのか、どっちだ?」


「とにかく、髪にも栄養が必要なのです」


 シャワーのお湯をロビンの髪にあてる。


「おお、暖かい」


「昨晩、髪を梳いたあとに、髪の栄養液を塗りました」


「流してしまっていいのか?」


「最低限必要な分は、お休みの間にしみこんでいます」


「そうなのか」


「それに、またあとで、もう一度塗ります」


「大変だな」


「大変ですが、するのです」


「あ、ああ」


 クロウはシャンプーを出して、地肌から洗っていく。


「お、お、お、お」


 地肌を念入りに洗ったあと、髪の毛の汚れを洗い落す。


 コンディショナーをつけ、洗い流す。


 栄養クリームを塗る。


「なんだか次々とすることがあるんだな」


「必要なことです」


 洗った髪の毛は、タオルと次々と変えて水分を取る。


 仕上げに軽くドライヤー。


「冷たい風がでる筒か」


「魔法です」


「わかっているよ」


「と、これで終わりです。お疲れ様でした」


 ロビンが椅子から立ち上がる。


 自分の髪を手にとって、目の前に持ってくる。


 つやつやと光る髪。


 手を伸ばせば、指の間からサラサラと流れ落ちる。


 首を振ると、朝起きたときよりも軽く、ふわりと舞う髪。


「これが、私の髪だと?」


「ええ、ロビン様の、本来の髪です」


「これが、そうか」


「はい」


「きれいだな」


「おきれいです」


「…………」


「さて、最後にもう一仕事」


「まだあるのか?」


「はい。後ろを失礼」


「この上何をしようというのだ?」


 クロウはロビンの後ろ髪を2つに大きく分けて手にとり、さらに指を使って細かく分けて、それを右へ左へと編み込んでいく。


「うまいものだな」


「練習しましたから」


 クロウは髪の先まで編み上げたあと、模様入りの布を使って縛る。

 今回の計画、クロウはカナリアに相談済みであり、事前にそれ用のリボンを受け取っていたのだ。


「はい、できました」


 ロビンは鏡の前に立ち、前、後ろ姿と確認する。

 

 ダン!


 剣は無いが、足を強く踏み出してみる。


 右、左と体をさばく。


 長く編まれた髪は、体の一部のようだ。

 動作と視界の邪魔にならない。


『うん、昨日の私より、強い』


 口元に笑みが浮かぶ。


「お気に召したようで、なによりです」


「ああ、ありがとう。ありがとう。クロウ」


「どういたしまして」


「この礼はどう返せばよいのだ?」


「今のお言葉で十分です。あとはカナリア様のために力を尽くしましょう」


「……ああ、そうだな。目的は同じ、か?」


「そのとおりでございます」


 二人は笑みを交わした。


------------------------------------------------------------


 クロウが扉を開け、ロビンが秘密の部屋から、カナリアの部屋へと戻る。


 机に向かっていたカナリアがロビンに気づく。


「お、ロビン。戻ったか」


「はい。ただいま戻りました」


「…………」


 カナリアがロビンを見つめている。


「カナリア様、何か?」


「あ、ああ。ロビン、その髪、とてもよく似合うぞ」


「え、あぁ、はい! ありがとうございます!」


「ああ」


「これまで以上、粉骨砕身、カナリア様にお仕えします! では、これにて!」


 顔を真っ赤にしたロビンが部屋を出て行った。


 それを見送るカナリアとクロウ。


「クロウ、感謝する」


「もったいないお言葉です」


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 部屋から飛び出したロビンだが、砦の廊下を歩くうちに、少し落ち着きを取り戻した。


『よく似あうぞ。とてもよく似合うぞ』


 頭の中でカナリアの言葉を繰り返す。


 今度は忘れない。絶対に。


「おはようございます」


「えっ?」


 いつの間にか砦の入口まで来ていたようだ。


 門兵のあいさつで我に返った。


「あ、ああ。おはよう」


 ロビンが何とか挨拶を返す。


 よく見ると、門兵たちがぽかんとロビンを見ている。


 視線からは、ロビンよりも、その後ろの髪を見ているようだ。


 その視線で自分の髪を思い出した。


 カナリア様に褒められた髪だ。


 口元に笑みが浮かんだ。


「ああ、おはよう、諸君、良い朝だな。素晴らしい朝だ」


 顔のすべてを使って笑顔を作る。


「明日も、明後日も、素晴らしい朝にするため、頑張ろう!」


 ロビンは高らかに声を上げ、跳ねるようにして歩いていった。


 門兵の二人は、見たこともないロビンの様子を、ポカンと見送ることしかできなかった。

お読みいただき、ありがとうございます。

次回、「スワンの夢」どうぞお楽しみに。

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