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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
見えない巨大な影
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4話25  籠の小鳥&弟子

ルアスの一言以降、重く息苦しい空気が廃墟の一室に広がりつつあった。静寂が佇む部屋でパラミナが徐にフードの中から大きめの氷を床に置く。


氷の中には細く白い腕が氷漬けにされていた。


「その腕の事なんだけど、パラミナさんとの戦いで無理して腕からずり落ちたらしいわ。でも私はそれすら覚えていないから、せめてこの腕はこのま」


申し訳なさそうに話すロロに突然ルアスが近づくと襟を掴みそのまま壁へ押し付けた。


「なんじゃその言い方は、まるで自分の腕が無くなったのは当然の報いだとでも言いたげじゃの?」


「よくわかってるわね。そうよ報いよ、むしろこれでも足りないぐらいよ。」


反論するロロにルアスは目を見開くと同時に押し付ける力を強めたのか後ろの壁にひびが走る。


「何が報いじゃ、わてらは主を助けるためにここまでした。誰の頼みでも無い各々が勝手に決めて助けた事じゃ。」


ルアスの言葉にロロは息苦しそうに答える


「ッ・・・なら私も勝手に責任感じて腕の一本無くしてもいいじゃないの?」


「・・・主はガキじゃ・・・責任だの言って自身の事しか考えておらんでは無いか・・・。」


「誰がガキでっ!?」


誰がガキですって。そう言葉を続ける前にルアスが声を荒げロロを持ち上げる。


「ガキはガキじゃ!!主が腕を無くしてわてらが何も思わんとでも思っとるのか。何より主のその姿を見て一番責任を感じるのは誰だと思っとる!!!」


「・・・?」


「わからんか、わからんじゃろうな。なにせ主は歳こそ子供では無いが城で引きこもって本ばかり読んでいたただの引きこもり。腕を無くすのも本の世界では面白味の一つであろう。」


と、一方的な言葉に口を開こうとするがルアスはそれを許さない。そればかりかより一層に声に力を込める。


「だがの!それは現実ではただの愚か者じゃ!!!一人で失敗し報いだ罪だと己に許しを乞う自己満ならまだ良し。じゃが主は違うじゃろ。その失った腕を見る度に誰が一番辛く後悔すると思っておる!!!!」


ロロはそこまで来てようやくルアスの言う先の事を、ここまで必死になる意味に気づく。


「ネ・・ロ・・・?」


小さく頭に浮かんだ人物を小さく声に出した。


「当たり前じゃろうが!!これから一番過ごす時間が多くなるのであろう?これから最も共に連れ添って歩いていくのであろう?それなのにネロは主の腕を見る度に今日と言う日を悔やみ続けねばならんのだ。それを主はネロに背負わせようとしとる。今一度、その腕を治すか考える事じゃな。」


手を離され床に落ちたロロは下を向いたままこちらを見ようともしない。ただ、本当に聞こえるか聞えないかの小さない声で”ごめんなさい”と聞こえたような気がした。


「違うの、そなたはまだ言うなれば鳥籠から出たばかりの小鳥じゃ。己の過ちに気づかされたのなら、そして何より助けてくれた礼を言うのであればここはありがとうじゃろ。」


そう言うとルアスは踵を返しロボの元へと歩みを寄せる。


「ロボも来い、ネロ達を迎えに行くぞ。」


鬣を掴み上げロボの返事を待たぬままルアスはロボを引き連れ姿を消した。


意識が戻らないミルを除き残されたシーナとパラミナは互いに目を合わせどうしようかとアイコンタクトを始めるが、その間にロロが割って入る。


「二人とも、ちょっと手伝って。」


そっと、ロロは自身の右腕を手繰り寄せた。






一方、レイスから一気に距離を離し、壁外の森まで飛ばされたシャドはネロを木に寄りかけるとシャドの周りから無数の光の糸がネロに向かって行く。


「こいつ、助かるのか?」


ネロの身体に巻きついていく糸状の光の線を見てガンドが心配そうに傷穴を見る。


「その点は心配ないよ。僕の今の身体よりネロの身体は知ってるつもりだ。問題があるとしたら・・・。」


タイミングがいいのか悪いのか、そいつは枝木を蹴散らし空から二人の背後へと落ちてくる。


「早すぎだろ・・・足斬り落とし・・た・・・??」


レイスが降ってきたと思っていた二人が背後を見ると、そこにはレイスを上回るほどの岩で出来た巨人が立っていた。


「なんだコイツは・・・!」


予想を超えた襲撃にシャドも立ち上がろうと・・・。


『待って待って!怖がらないで!!こんな見た目だけど僕は人間さ。』


「?」


体躯とは似合わない少年に似た声音、しかし何処かくぐもるその声に二人はほぼ同時に首を傾げる。


『実はね?お師匠に頼まれて買い物に出かけてたんだけどお師匠から戻る様に言われて変える途中に君たちを見つけたわけさ。』


聞かれてもいないのに語り出す岩男にガンドは未だ警戒を緩めず懐のナイフを手にする。


「名前は・・・。」


『僕の名前はリドル・ドルイ。あ、ちなみに師匠の名前はパラミ・・・』


「そこまで聞いてないよ。」


『ですよね~。』


と、あまりにも緊張感の抜けた空気にガンドは柄から手を放し、その時にはシャドは既にネロの治療に戻っていた。リドルと名乗る岩男はその様子を見た上で残念そうに声を萎める。


「にしてもどうなってるんだ?その身体は。」


重たい空気を纏う岩男に疑問を膨らませたガンドが岩の身体をコンコンと叩くとリドルは途端に元気を取り戻し無邪気に喋り始める。


『あぁこれはねぇ!』


が、その空気は正真正銘の襲撃者の登場で一瞬にして消し去った。


『キュツッツウュララァァァ・・・・』


激高しているのか木々を薙ぎ倒し歩みを進めてきたソレは岩男を見るなり咆哮する。


『何・・・こいつ。』


「予想だけどお師匠が君を呼び戻した理由はこいつの面倒じゃないかな?」


『こ、根拠は・・・?』


「君の師匠、パラミナだろ?コイツ、師匠の宿敵だから」


律儀にシャドが指を指す方を辿る様に見つめた岩男。そしてその合間に右拳を上げるレイスに対してリドルは。


『なるほど・・・ね!』


拳に対し、拳を正面から打ち出した。




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