4話24 残酷な曖昧さ
ここでどう話を進めようかいくつかの案で悩んでいました。更新の遅れ申し訳ありません。今後、他他の理由で更新などが遅れる場合がありますが、途中で投げ出すことはありませんのでどうか今後ともよろしくお願いします。
パラミナとロロの戦いに終止符が打たれた一方、ルアスは先に避難させたロボとミルの居る建物に身を隠していた。
横を見ると建物に入った時点で動ける程度に回復していたロボがせっせと横たわり眠るシーナの傷口を拾い集めた布切れや傷薬で応急処置を施している。
「どうじゃ?どうにかなりそうか・・・?」
疲弊した声音でシーナの心配をするルアスにロボは手を動かしつつ目だけを少し向けてくる。
「畏れ多くも申し上げますが、此度の戦闘の敗因はロロ殿本人の力を軽視した全員に落ち度があるかと。ですから・・・。」
何かを察したロボにルアスはその場で横になると目を瞑る。
「落ち度も何もわてはやろうと思えば早期にロロを押さえつける事も、更に言うならロロがああなる前、それこそ取り憑かれるの事態を未然に防ぐのも出来たじゃろうに・・・。」
数秒、腕で目を覆い隠したルアスは片目だけ腕の間から見せるとロボを見つめる。その張り詰めた視線にロボは反射的に目を背けてしまう。
「目を瞑れば瞑るほど己のうぬぼれ、怠慢、油断に腹が立つ。幾分ほかの者より世界を見てきたと思っていたが、それはただの慢心じゃ・・・。」
まるでロボ以外の誰かに向けて放った言葉の後、ルアスは大きなため息を吐くと身を起こす。
「のぉ、パラミナよ。」
瞬間、ロボは背後に現れた気配にシーナを抱えルアスの後ろに飛び退いた。
「なんで魔力を消してるのにわかるんですか・・・。」
疲弊しきった声と共に現れたパラミナは切れた人形の様にその場で腰を下ろす。
と、ルアスはすぐにロロの姿が見当たらない事に気が付いた。
「おい、ロロはどうした。」
突然の殺気に満ちた声をパラミナは短く呆れた。そう笑うと後ろを親指で指す。そこには建物の影からジーとルアスを見つめる・・・。
「どしたのじゃロロ・・・。」
「いや・・・、そのちょっと何と言いますか・・・。」
目を泳がし答えるロロにルアスは言い切れないもどかしさを感じる。
「はよ、どうしたんじゃ。」
ルアス自体も疲れているせいか対応が雑になっていた。
「えぇと・・・実は・・・。」
いい加減、おどおどするロロを何だコイツとジト目で見ていていたパラミナが口を開く。
「この子、どうやら記憶飛んでるです。取り憑かれて二日、三日は覚えているそうですがそれ以降は曖昧で今日の事に関してはもはや自分の居る場所さえわからないそうです。」
衝撃の事実に固まる一同の重苦しい空気にロロだけが取り残される。
ロロが記憶を失った原因は宿主のオリジナルが死んだことが影響していた。
本来ならばロロに取り憑くズーがやられてもそれはあくまで一個体でしか無く、別に原体は存在する。
しかし、それをルアスは一匹残らず殲滅した事でロロの体内に存在するズーは消滅すると同時に脳を侵食していた魔力は行き場を失い徐々に崩壊。
合わせて崩壊した魔力と共にズーが取り憑いた期間のロロの記憶も同時に消え去ったということだ。
残ったのは空白の時間と、その間に自身の意思が無かったにせよ曖昧ながらも狂気的とも言える数々の行動は曖昧でそれを行った理由もわからない分。正気を取り戻したロロのやせ細った心を蝕んでいく。
「あの・・・今日の事の顛末はパラミナさんから聞いたんだけど、曖昧な記憶の中で嘘みたいな光景が・・・悲鳴が・・・その・・・ごめん・・・なさい。」
後半になるにつれ顔を俯け、最後には顔を覆うロロにルアスは歯ぎしりを立てる。
「何を謝る。今回の失態はわての監視不十分じゃ、むしろ償いきれぬほど苦しませたわてに責任がある・・・すまんかった。」
七魔の一人であるルアスが頭を下げた事に背後に居たロボは顔を青ざめ、パラミナは顔をしかめる。
「おいパラミナ・・・何じゃその顔は、ロボもじゃ!!!!!」
「いや、あの七魔の一角のルアス殿が頭を下げるとなるとこうもな。」
と、ルアスから静かに離れていくロボの声を遮りパラミナが割り込んだ。
「いや、七魔だからこそ今回の失態、土下座ものです。」
「ヒィァァァ・・・・?」
被せられた言葉にロボは声にならない悲鳴を上げると逃げる様にロロの方へと歩み寄る。
「どしたの・・・ロボ。」
後ろに逃げ込むというらしくない行動にロロは声を掠れせながらロボを呼ぶ。
「いやですな、仮にも疲弊した七魔とてあのルアス殿にあそこまでズバズバ言えるこのお方は・・・。」
「元人界側の五戦士の一人じゃ。」
「どうも元人界側五戦士の一人だそうです。」
「・・・・・・・・・・。」
もはや声にならない悲鳴を上げながら自分の体躯より小さなロロに隠れ固まるロボの鬣を撫でる。
そんな一見、面白可笑しい光景の中、ルアスはロロを見てから触れられなかった話を振った。
「してロロ。」
「・・・。」
今までの陽気な雰囲気を一蹴したその声に乗る感情にロロはこうなる事はわかっていたと無言で答える。
「その腕はどうした?」
ルアスの言葉にその場に居た全員の視線が無くなったロロの右腕に集中する。丁度、今起きたシーナも状況を察し飛び出したい衝動を抑え目を薄く開けるだけで沈黙を守っていた。
作中におけるアドバイス等ありましたらどうぞ上から目線で気軽にお申しつけください。どんな内容でも参考にさせて頂こうと思います!!!




