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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
見えない巨大な影
59/70

4話21 今からめいんでぃっしぅ・・・・・です!!!!

「・・・!!!」


突如、発生したプラズマが一層強く光を放ち後方に居た二人までも目を眩ました。


時間にしては一瞬の出来事だったが、視界が白く濁る中、二人の鼻腔を何か焦げた匂いが刺激する。


「めちゃくちゃな魔法使いです。」


ようやく視界が戻ると目の前ではパラミナが今まで飛んできたより一回り小さく、尖った一本の真っ赤に染まる砂鉄の槍が掴み取っていた。砂鉄の槍の後ろは何か強い衝撃を与えられてのか花びらの様に広がっていた。


「砂鉄を溶かして撃ち込んだ・・・?」


シーナは焼き焦げたパラミナの腕と冷え固まった砂鉄の槍を目にして困惑する。


「何言ってるです・・・砂鉄なんて溶かすことはほぼ不可能の・・・いやもしか・・・!」


考える間も与えないとロロの周囲に浮かぶ砂鉄の塊達の先端はこちらを捉えていた。そして、その全ての砂鉄に電気が走る。


「まずいで・・・す?」


そのタイミングを見計らい残る限りの魔力を注ぎルアスが時間を止める。


「ふぅ・・・。」


「好機です。」


ルアスの時魔法を食らうのは初めてのはずなのにパラミナは一切の動揺を見せずロロに飛び掛かろうと走り出す。が、予め予期していたのかパラミナの手をシーナが掴み取る。


「恐らく今のロロ王女の周りには相当の電圧の壁が囲ってるはずだ・・・。」


そう言うとシーナはロロの立つ地面を指差した。指差した先ではいくつかの小石が青い稲妻を纏って宙で動きを止めていた。


「で?」


しかし、まるでそれが何の障害にもならないと返すパラミナにシーナは顔を引き攣らせる。なんせパラミナの顔はこれでもかと言うほど嬉々と・・・まるで子供が新しい玩具を手にした時と同じ、もしくはそれ以上の笑みを浮かべていたのだから。


「なぜそんな嬉々としてられるかは知らんが・・・とりあえずなんの変哲もない小石を持ち上げるほどの電圧の渦に入るのはオススメしないな。」


「・・・確かに・・・です。」


シーナに諭され少しシュンすると手に持つ砂鉄の槍に目を向ける。


「それにしてもどういう訳です。魔力で付加されずどう砂鉄を固形状で撃ちだすんです。」


魔力からなる物質や質量を砂に変える能力を持つパラミナは砂鉄の槍がどうして元の砂状にならないかと疑問を抱きながらも地面にほり投げ、焼きただれた自身の手を見つめ首を傾げる。その後、数秒その場で思考を巡らせると頭にある言葉が浮かび上がる。


「もしかしたらその砂鉄自体はただ溶け固まっただけならば・・・『てるみっと法』という可能性があるです・・・。」


「テルミット法?」


聞きなれない言葉に幼女と剣士、二人の声が重なった。


「実は今の拠点に居座るイカイノカガクシャと名乗った変態が教えてくれたです。なんでも『金属酸化物』と『なとりうむ?』とを混ぜた物に火を付けて砂鉄や特殊な鉱物を溶かす方法らしく。その溶かす過程で眩い光と途轍もないエネルギーを発生させれるらしいです。もし仮にそれをあの子が使ったとなると・・・。」


「待ってくれ!なぜそのような難しい事をロロ王女が・・・?」


「確かそやつは一度、阿保みたいな高価で『カガク』と呼ぶ技術を書き記した本を売り捌いていたような・・・。ならばロロはバルネスタの王女じゃ城に本があってもおかしくなかろうに。ましてや城に引きこもっとったんじゃ・・・目を通す可能性は十分にある。」


「カガク、まさにそれです。」


ルアスの言葉に同意するようにパラミナが指を鳴らす。


「ともあれ、あれは魔法でも何でもない。つまるところてるみっと法とやらの力で生まれた物質とエネルギーをぶつけてきただけにすぎんわけか・・・だがあくまで予想じゃがの。」


「十分です。魔法じゃないとわかれば対処は簡単。問題があるとすれば・・・。」


「わてらがいる事じゃろうな。今やただの幼女と重症一人じゃ・・・強がった足手まといほどいらぬものはないからの。」


「確かに足手まといです。」


即答だった。まるで元々そう言い返す予定だったのかと言いたいぐらいの即答っぷりに二人は眉間に皺を寄せる。


「だが!確かに足手まといと言って一人でロロ王女となぞ・・・!」


「む~、さっきからシーナがいつにもなくディスってくるです・・・。」


頬を膨らませ涙目を浮かべて見せたパラミナだったが、すぐにツーンとそっぽを向くと厄介者扱いし始める。


「しっし、早く行くです。・・・それに私は負けないです。」


「だが!!ってルアス!?」


いつまでもその場を動こうとしないシーナをルアスは半ば強引に幼女とは思えない力で持ち上げた


「だがだがだがうるさいんじゃよ。ぬしは怪我人。立っているのもやっとなのに粋がるもんではないわ。」


「しかし・・・!!」


「あぁもううるさい。うるさいんじゃ~。もう今更プライド云々など無いから言えるがの。」


どこか苛立ち気味に幼女は声を荒げてどんどんパラミナから遠ざかっていく、そして声がパラミナに届かないほどの距離まで達すると。


「あやつはまだ五割・・・もしかしたらまだ三割も出しとらんかもしれん・・・なんせ元最強じゃ。」


「なにが最強・・・と聞くのは無粋ですか・・・ね?」


「全くじゃ!」


一般人なら聞こえない距離。時が止まった物静かな世界で耳を澄ましても聞えない距離。しかし、二人の言葉に耳を澄ましていたパラミナはルアスの嫌そうに話す声にフッと笑みを浮かべる。


私はレイス討伐時に世界から最強の名を忘れ去られている。パラミナという名前自体もイカイノカガクシャが勝手に付けたに過ぎなかった。ただ、そのカガクシャの保有する四角い箱に記された通りでは私はどうやら元五戦士の一角らしいのだ。


「そんな五剣士に数えられていたと言われても実感が沸かないです・・・。でも、あの人にそう言われると少し、ほんの少しだけネロに近付けた気がするです。」


恥ずかしそうに頬を掻きながらも動き出す世界の中、パラミナはロロを睨んだ。


「やられる覚悟はできたです?今の二人は前菜みたいなもんです・・・ここが本番。めいんでぃっしぅ・・・・です!!!!」


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