4話8 二度目の対面
投稿が大幅に遅れ申し訳ありません!!!!今後ともこのような遅れが発生する可能性があります。出来る限り遅れは無くすよう努力しますので。これからもよろしくお願いいたします!!!
「開錠だ。」
城壁を文字通り蹴り破った俺はその穴から城壁内へと侵入する。
なんの躊躇も無く中へと侵入する俺にロロとロボは一瞬だけ戸惑うがすぐに後を追うように穴を潜る。
穴を潜ったロロは中の様子を見て眉を細めた。
「こんな所に遺跡・・・?にしてはそこまで古いとは言えないし・・・そもそもここまでの規模の城壁さっきまで城壁さえ見えなかったわ。なんなのここ?」
ロロは不思議そうに城壁内の建造物に触れる。その疑問はロボも持っていた様で目で回答に期待するかのように俺を見る。
が、すでに俺は二人を置いて先を歩き始める。
「ねぇ、どうしたのよネロ?教えてよ~。」
知らない物には所構わず興味を示すロロに俺は答えないでいるとロロは俺の裾を引っ張り駄々をこね始めるが、俺はロロを引きずるような形で足を止めずに黙々と国の中心部へと足を進める。
「ネロ殿、急ぎたい理由はわかりますがロロ殿の質問にお答えしてもよろしいのでは?」
「そんな事考えるほど余裕ないんだけどな~。」
目の前に親を殺した奴が居ると考えるだけで頭はソレの事でいっぱいになっていた。
しかし、それでも駄々をこね続けるロロは駄々っ子風にしてもダメだとわかるとすぐさま裾を話すと今度は上目遣いで俺の顔を覗き込む。俺はそれに対して適当に頭に浮かんだ言葉を声に出す。
「ん~忘れられた国?」
「いや、回答者がそんな疑問形じゃ困るんだけど・・・」
ロロはその答えが気に入らなかったのかジト~と見つめ溜息をついた。
「・・・またいつか説明してやるから。」
「痛っ!」
俺は適当に誤魔化すとロロの額にデコピンを食らわす。一瞬だけ怯んだロロは数秒自分の額を押さえ立ち止まるが、すぐさま凄まじい速度で隣に並ぶと騒ぎ立てる。
「あう!!乙女の顔に何するのよ!怪我でもしたらどうす・・・!?」
『キュルゥゥ・・・、キュルゥゥ・・・。』
突如、なんの気配も無い街に不気味な声が木霊する。それは聞き取りづらく、何の声かもわからないが確実に三人の全員に聞こえた。そして俺だけがその声を聞くだけで握る拳に力が入る。
「な、なに・・・今の・・・。」
「野良犬でしょうか?」
「いや・・・・!!!!」
ロロとロボが不気味な声の正体を模索する中、俺は二人に警戒するよう促そうと振り返る。それとほぼ同時に複数の触手が石畳を割ってロロとロボを囲むように現れる。
ロボは即座に持ち前の危機察知能力で地面から現れた直後に跳躍し回避する。
一方、ロロはどれだけ強力な魔力が使えても反射速度等は並みの一般人か少し上程度で奇襲に弱い。それをわかっていた俺は咄嗟に服に忍ばせていた先日の戦いで手にした大小様々な短剣を触手の根元に四本。触手の先には回転を加え投擲する。
ロロを襲う四本の触手は根元から切れ、ロロに襲い掛かる触手の先は短剣の柄に当たり少しだけ軌道が逸れるとロロを避けるようにボトボトと地面で跳ね回る。
そして俺はそのまま踏み込むとロボを狙っていた触手がロロに向かう前に一閃。
と、まるでそれに合わせるかのようにすぐ傍の建物を突き破り化け物が姿を現す。
「レイス・・・。」
『キァァァャ・・・?』
ほんの一秒、俺が睨み付けるのに対し普段は不規則に動く両目は天敵を前にその時だけまっすぐにこちらを見つめ、レイスの左腕が俺目掛けて・・・。
「今ですかね。」
が、レイスの攻撃に合わせるように物陰から飛び出したロボの放つ手刀がレイスの左目に突き刺さる。
『キュリギ・・・!?』
「もう一撃・・・!!」
突然の不意を突かれ困惑するレイスにロボはもう片方の手で再度レイスの左目に向かって拳を放つ。しかし、それはレイスの瞼の様な皮膚に阻まれるが渾身の一撃とも言えるそれはレイスの体躯を吹き飛ばし反対側の建物に激突、建物は崩れ落ちた。
「手ごたえありですかな。」
「上々過ぎるぐらい。」
「お褒めにあずかり光栄です。」
ロボは手に着いた紫状の液体を振り払うと小さく礼をする。
「ねぇネロ、こいつが・・・レイス・・・?」
ロロは駆け足で俺の後ろに回ると崩落する建物からゆっくりと現れるソレを見てギュッと俺の服を握り締める。
「怖いか・・・?」
背後で固まるロロに俺は恐怖を紛らわせようと笑顔を向ける。
「なんというか・・・今まで見てきたどの魔物よりも雰囲気が嫌・・・。」
「雰囲気ねぇ~・・・。」
俺からしてみればレイスよりもロロを乗っ取るお前の方が嫌すぎるんだよな~。なんて事を言ってしまいたい気持ちを抑え、目の前でこちらの出方を伺う化け物に目を向けた。
それと同時に周囲を見渡すが、先に到着しているはずのパラミナの姿が見えない。やられたのか?いや、それは無いはずだ・・・。それこそ武器が無いでもしないと・・・。
そう考えている間にロボが一歩前に踏み出す。
「待てロボ、お前には人探しをしてくれ。ロロも頼む。」
「しかしそれではネロ殿が。」
「俺は大丈夫だ。それよりロロを頼む。」
「わかりました・・・。」
そんなロボとのやり取りをただジッと見つめていたレイスの皮膚はいつの間にか薄くそしてその姿を徐々に周囲の風景に溶け込ませていった。
「っぶねぇ。」
が、それに気づいた俺は地面を蹴り居合切りを放つ。しかし、レイスは瞬時に建物の壁に張り付くと身体から数本の触手が迫る。
「戦闘中に擬態とか余裕かますじゃねぇか蜥蜴野郎。」
俺はそう言いながら迫る触手を丁寧に一定の間隔で輪切りにしていく。
『キギィアィ!!!』
「うるせぇ!!!!」
レイスに合わせるように咆哮、それと同時に地面が隆起するほど力を入れレイスとの距離を0にする。そのまま左手で持った黒剣を振り下ろすが、剣先はレイスの皮膚を捉える数センチ前で動きを止める。
「お前の耳障りな声を聞くだけでも怒りで頭がどうにかなりそうだ!」
『キュェキュェキュェ。』
まるで老人の笑い声の様に鳴くレイスは瞬時に前足で受け止めた剣を触手で絡ませる。
「昔の俺と思うなよ・・・蜥蜴。」
俺はそう言うとレイスの腕に絡みつく剣を支えに右手を大きく振りかざす。その時すでに防御に入るレイスの腕を敢えて狙い俺は拳をめり込ませる。直後、レイスを支える脚と触手の壁がひび割れ崩れ落ちる。そしてレイスは俺の剣を絡めたまま地面に転がるとすぐに態勢を立て直す。
『ギュア・・・!』
レイスが態勢を立て直す頃には俺はレイスの死角、左の懐に潜り込んで姿勢を低くし拳を構える。そしてレイスでさえ捉えられない速度でレイスの腹部目掛けて打ち込んだ・・・はずだった。
しかし、俺の放った拳はまるで最初からそこに攻撃が来ることを予知していたかのようにレイスの前足が拳を放つほんの一瞬先で拳を阻む。凄まじい衝撃波とと共に俺とレイスの足が接する地面が大きく沈む。
「行け、ロボ!!!!!!」
俺は大声でロボに合図を送る。それに答えるようにロボはロロを連れ建物と建物の間に姿を消した。
『ギュアアララァ!!!!!!!!!!!』
瞬間、それを見ていたレイスの身体から複数の触手が地面に突き刺さる。
「よそ見とは随分な余裕だな」
『キュュラュ・・・!?』
その時、レイスは目の前の天敵の変化に戸惑いを覚える。
それもそのはず、レイスが気づいた頃には俺の身体は黒い瘴気が身を包み一俺の肩や腰に、まるで甲冑の様な物を生成させ始めていたからだ。
「さぁ、これで気兼ねなくやれる。」
目を見開き笑う目の前の天敵を前にレイスは全ての触手を自ら断ち切ると後方に大きく跳躍・・・するが目の前に瞬間移動の如く現れた天敵は拳を構え口を開く。
「行くぞ。」
そして次の瞬間にはレイスは城壁に身体を叩き潰されていた。




