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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
見えない巨大な影
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4話7 先客

城壁を抜けた先は外とは一変し、まるで外界から切り離されるように城壁の内部は薄暗い雲に覆われていた。


さらに本来は人でにぎわいを見せる城下町からは人の気配が消え失せ、不気味さをより一層際立たせている。


そんな中、城下町の一角、ロロたちが侵入する少し前から少し大きめの広場では衝撃と衝撃がぶつかり合い火花を散らしていた。


そこには黒いマント姿の人間とカメレオンとヤモリを混ぜ合わせた見た目に紫がかった鱗で身を包んだ不気味な生物が互いに牽制しあう。


そして、化け物が跳躍するとほぼ同時に合わせるように黒マントも地面を蹴る。


互いに交差する瞬間、黒マントの左足から繰り出される回し蹴りを見て爬虫類の前足が斜め右下からあり得ない角度から弾かれる。


「まだまだぁ!!!」


元より迎撃されることをわかっていたのかふり払われた力を流すように空中で回転し右手を袈裟斬りで相手の長い首を薙ぐ。


くの字に曲がる化け物の首を見て黒マントのフードから覗かせる口元は苦渋に歪む。


吹き飛ぶ相手を目で追いながら着地すると自身の右手をさする。


「硬っ・・・一応、手刀で鉄ぐらいなら楽々切れるんだけど・・・。」


『グギュギュギュ・・・ヒヒッ・・・。』


「何が面白いんですか・・・。」


態勢を立て直しながらも不気味な笑い声のように喉を鳴らすソレは目の前の脅威を同時に同じ方向を向かないカメレオンの目に似た眼で確実に捉える。


「言いようのない気持ち悪さですね。」


マントの下から覗かせる口元が僅かに上がると同時に化け物の腹に潜り込むと横腹に向けて掌を突き上げる。


が、化け物から見て右側に移動した黒マントの攻撃はまたもや関節が無いのかと言わんばかりに駆動する左足に遮られる。


「まぁそりゃ防ぎますよね。そもそも獲物が無いのに倒せたらここまで苦労しませんね。」


すでに両足は地面から突き出る蔓状の触手に捕まっている。


『ギュルルゥゥラァ!!!!』


歓喜に満ち溢れた雄叫びと共に化物は右足を振り被るとそれは自身の身の丈ほど伸縮し、収縮すると同時に水平に黒マントに向かってふり払う。


「煙。」


直後、それを見計らっていたのか一言声を出すと、その言葉の言う通りマントから白い煙が大量に噴出し姿を眩ませる。


そしてふり払われた右足を身体を後ろに大きくのけ反らせ回避、そのまま腕を地面に突き刺すと、そのまま全身に力を入れ飛び出していた触手を引っこ抜く。


「しゃぁらぁです!!!!」


本体と繋がっていた触手は本体もろとも宙に浮かせると黒マントは化け物を地面に叩きつけた。瞬間、追撃に出ようと動いた黒マントの脇腹に化け物の拳がめり込んだ。


「クァ!?」


凄まじい衝撃と速度で建物に衝突し建物が半壊する。それを好機と見た化け物は体の節々から触手を生成し、串刺しにせんと四方から砂煙目掛けて突撃する。


しかし、かなりの量を舞っていた砂煙は一瞬で晴れ、その時には触手はすでに一本残らず切断され地面をのたうち回っていた。


「それぐらいなら・・・切れますよ。」


頭から一筋の血を垂らし、立ち上がる彼女はすでにさっきの衝撃でマントは剥がれ金の髪と蒼眼を露わにしていた。


『ヒュギョキィ!』


が、事前に跳躍し彼女の眼下まで迫った化け物を見て彼女の口元が僅かに緩んだ・・・刹那、南側の城壁付近から凄まじい衝撃音がここまで届く。


「まず・・・。」


そこまで言ってフードは手遅れだと理解する。すでに衝撃音を聞いた化け物は左右の切れた触手を建物に貼り付け、自身も地面を蹴り大きく跳躍すると


音のした方へと壁を張り付くように移動し、姿を消した。


一人、取り残されたフードは怒りを露わにすると右手を上げた。すると、同時に彼女の目の前から三本の槍が地面から現れる。


「さすがに・・・き・・・れ・・・そ・・・う・・・です。」


彼女は拳を握り絞めると化け物が向かった先とは正反対の方角へと跳躍する。




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