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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
見えない巨大な影
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4話6 開錠


ダストン国付近の山道、そこで俺、ロロ、ロボの三人はある一行に襲われていた。


「待てゴラァァ!!!荷物全部置いてけやぁ!!!!!」


俺とロボは駆け足で逃げる中、ロロだけが一人、全速力で盗賊から逃げている。


相手は馬や猪など様々な生物に跨り追いかけてくるが思うように速度が出ていない。


それもそのはず、先ほどから相手が一定の距離に近づけば俺が先日手に入れた短剣を牽制として放っているからだ。それでも構わず突っ込んで来る奴には急所に短剣を突き刺してやる。


そうする事で相手は思うように攻めれず、ただロロだけが体力をすり減らしていくのだった。


「なんで・・・こうなるのよ!!!!!!!」


「仕方ないだろ、この近くまで乗せてもらったあの家族連れへのお礼と思えよ。」


ラークスを出発する直前、家族で芸を生業にしている一行と出会い、大型鳥類のケッアルと呼ばれる走禽類に乗せてもらう事に成功した。そのおかげで三日ほど歩かなければ行けなかった距離をわずが一日で走破する事に成功した。


そして別れ際、待ち伏せしていた現れた盗賊に囲まれた俺達は家族に恩を返す為に囮を買って出た。


「つまり、家族が逃げ切るまでの間、俺達があいつ等を引き付けないといけない訳だ。」


丁寧に事の説明をする俺に対し、ロロは目を回しながら弱弱しく俺を指差す。


「事情はわかってるのよ・・・でも、私が走る理由がわからな・・ヒゥ・・・いわ。そもそもネロ・・・あなた私の側近騎士でしょ・・ハァハァ・・・主を・・・護らなくて・・・どうするのよ・・・」


今にも死にそうな声でそう告げるロロだが、俺は自分でも驚くほど爽やかな笑顔で答える。


「んぁ~何言ってるかわかんねぇな。」


数秒だけ考えたふりをした俺は爽やかな笑顔と共にロボを連れロロから1mほど前を走り始める。


「待ちな・・・さいよ・・・!死ぬ・・・後ろの連中に捕まる前に走り死ぬわよ。」


その様子を俺とロボは無言でまじまじと見つめる。しばらく後ろで全力疾走するロロを見つめていると待ちに待った事態が起きようとしていた。


背後から追いかける盗賊の一味の中に弓を手にした男が矢に手を掛ける。むしろ今までなぜ打たなかったのか不思議でならなかったがすでに弓を張り矢先はロロを捉えている。


当然その事を後ろを振り向く余裕の無いロロにはわからない。


そして、盗賊の一人が矢を放っ・・・。


「な、なんだこれ!!!た、助けてくれ・・・誰・・・か・・助け・・・。」


突如、盗賊の身体から氷が現れると数秒足らずで盗賊の一人は全身を氷漬けにされた。


「ロイを・・・やりやがったなぁ!!!!!!」


一瞬で氷に包まれた仲間を見て盗賊達は激昂すると一人が手にする曲剣をロロ目掛けて投げつける。


が、曲剣は遮る様に盛り上がる土の壁に突き刺さる。


「怯むな!!!!!かたき討ちだ!!!!!!」


雄叫びと共に盗賊達はそれぞれ速度を上げロロとの差を縮めていく。


そして、盗賊の先頭がロロに手を掛けようとしたその時、幾つもの氷の槍がロロの背後に現れ先頭の盗賊を串刺しにした。


いきなり現れた氷の槍壁に後続は止まろうとするが勢いを殺し切れず数匹と数人が槍壁に吸い込まれていく。


「さ?今のうちに行きましょ。」


その様子を呆然と見つめる俺とロボを尻目にロロは何事も無かったかのように追い越していく。


「なるほど、そういうわけですか。」


「一石二鳥だな。」


呆然と見つめるようにしながらも俺とロボは頷き合う。


今の出来事を見逃すまいと見つめ続けた二人にロロに取り憑く魔物はぼろを出す。


魔物自体も気づいていないようだが、取り憑く本体が一定値以下の疲労を得た状態で魔力を使うと目が紅く輝き始めるらしい。


そして一瞬、見間違えかと錯覚したが、ロロの身体がブレ始め二重に見えた。


それにロボも気づいていたのか小石を瞬時に拾い、薄れている方に投げると小石はブレを通過せず何かに当たった。


元々、疲労時に魔力を使うと目が輝くとロボを通じルアスから教えられた俺が盗賊を使って試して見た結果。想像以上の収穫を得る事ができた。


「もしかしたらあの状態で引っ張り出せば。」


「ロロ殿を救えるかも知れませんな。」


「まぁ、そうと決まれば・・やる事は簡単だな。」


俺はそう言うと突如、森の中に隠れるようにそびえ立つ城壁に触れる。


「ねぇ、ネロ。これ何?」


レイスの忘却魔法によって忘れ去られたダストン国。この国は元々城壁に隠蔽魔法を編み込んでおり近くで確認しない限り城壁を目視で捉えることは難しい。


そして今やレイスに忘れ去られたダストン国は深い森の中と相まって一部の人間以外は発見すること自体が不可能に近いだろう。


つまりこの国の存在を知っている俺以外はいきなり城壁が現れたと考えてしてしまうはずだ。だが、今の俺はそんな事を説明している余裕は無い。


「これが・・・目的地だ。」


短く告げると俺は左右の壁を見渡し城門が無い事を確認する。


「これ・・・が?ここに何があるの?」


「今まで建造物さえ見えませんでしたぞ。」


眉を細め突如現れた城壁を見上げる二人。俺は二人にここに何があるのか手短に答える。


「意外と近かったな・・・ここにレイスが居んだよ。にしても入り口探すのめんどくさいな。」


俺の中で昂ぶりる気持ちが急げと俺を急かし続ける。目の前で行く手を遮る城壁がもはやまどろっこしいく感じる。俺はその気持ちに従うように足を上げると城壁に向かって蹴りを放つ。


突然の衝撃音にロロは耳留めを塞ぐが、次に目を開けた時には城壁には馬車が通れるほどの巨大な穴が開いていた。


「開錠だ。」

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