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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
見えない巨大な影
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4話3  目撃 罠

肉塊に変わりゆく人々を見て、持ち前の潜伏能力で姿を隠していたシーナは肉塊に変えたロロが宿の中に入っていくのを確認した所で膝からその場で崩れ落ちる。


「あれが・・・ロロ王女・・・?」


あまりにも異常とも呼べるロロの様変わりにシーナは放心するが、次の瞬間にはロロに駆け寄ろうと足に力を入れ、そして耐えた。


ダール王の命で二人の行方を追跡していたシーナは王から「どんな事があっても時が来るまでネロにバレてはならぬ」そう言われ私は今までただひたすらに監視に徹してきた。


ネロが人狼に襲われるのをただただ唇を噛み、戦闘に介入する気持ちを抑え込んでいた。


致命傷を受けていたネロを助けたルアスに頼み込み、私は二人に隠れてルアスの家に滞在し、二人の監視を続けた。


当然、ネロ達が厄災戦の魔物と戦っていた事は知っていた。


しかし途中、味わった事の無いような急激な胸の痛みに襲われ意識を失った。気が付けば私はルアスの部屋のベッドでネロ達が出発するまでの時間、寝たきりだったそうだ。


そして、ネロと同じ様に家を出た先でロロ王女?・・・いや、もはやロロではない別の人物とも呼べる者の狂気的な殺戮を目の当たりにする。


城でのロロとはあまりにもかけ離れた行動に私はしばらくその場を動けずにいた。しかし、そんな中で、私の中である疑問が生まれる。


ロロ王女はいつからその残虐性を隠す、もしくは手にしたのだろうか。


ネロと共に城を出たロロの行動は全て監視してきた故にたった今見せた残虐性に疑問が残る。


もし仮にロロがずっと、その残虐性を隠していたのな・・・と、そこまで考えシーナはその可能性を早々に切り捨てた。


元よりそんな邪悪な心を持ち合わせていれば奇跡の花はロロを異形の姿に変えていただろう。


ならば考えられることは私がロロを見ていない所で何か起こった。そう考えると答えは自然と出てくる。


それは厄災戦の魔物と戦っている最中、何かが起こったのだと。


もしそうならば今のロロはロロの姿をした別の何かと考えても大げさではない。


今からでもこの事をネロに伝えてた方がいいのか、だがそうなればもう一つの事実も喋らなくてはならない・・・。


そこまで考えた所で私はゆっくりと立ち上がり、ある一点を見つめる。そこは周りの部屋全てにある窓が一つだけなく不自然なほど壁が綺麗だった。


恐らくあそこに行けばネロに会える。しかし、そこまで考え私は噛みしめる。ロロの事を話してどうする気だったんだ。


話したところで状況は打開されるとは限らない。なら、今の私に出来る事をやるしかないな・・・。


そして私はその時、初めて王の命を破った。ルアスから渡された魔呼びの種。それを手で握り潰した。


『呼ぶの早くないかえ?』


そして、つい先ほど別れを言った相手にこう告げた。


「ネロを助けたいから手を貸してくれ。」


その言葉を待っていたかの様にその小さな少女は頬を上げる。


『任せておけ。』


そして次の瞬間、二人は姿を消した。









宿の一部屋、俺は独りでベッドに横になる。


どういうわけか最近、戦闘戦闘戦闘戦闘と戦いばかりで休む暇がない。


「このまま行くと疲労死しそう・・・。」


俺はベッドに転がるやボソッと呟くと本当に疲労で人は死ぬのか。どうでもいい事を真剣に考える。


「ハハハ、んなわけねぇよ。」


突如、一人だけにも関わらず笑いが込み上げてくる。


ここ最近、どうでもいい事さえ考える余裕の無かった俺にとってはどうでもいい事を考えれたことが幸せに感じてしまった。


そう自分で思ってしまうと笑いは止まらな・・・と、俺はベッドから身体を起こすと目を瞑るり全神経を天井に集中させる。


静寂が部屋を包み込む中、俺はその場で立ち上がると部屋を歩き始める。


「傷が一つも無いな~。こんなどうでもいい事考えられるなんて幸せだな~。」


と白々しく、誰に対する言葉なのかわからず言い訳を話しながらも俺は部屋の天井、床、壁、その他もろもろの隅々まで確認していく。


その時、ゴーレムの残骸、ロロが埋もれた土の山が気になり直観的に退ける。


まじかよ。そこには小さな傷で薄く書かれた陣、しかしそれは紛れもない魔術印だった。


咄嗟に指で魔術印に傷を付け無効化、そしてすぐさま反魔力の呪文を唱え、他に反応は無い事を確認すると俺は壁に向かって指を一定のリズムで小突く。


直後、ロボが天井裏から音も無く現れるとその場で跪き口を開く。


「ようやく話せます。」


ルアスの家でロボに教えた本当の緊急時にしか使うなと念押しして教えた特殊な連絡手段がこんなに早く使われると思っていなかった。


内容は「部屋に魔術印が無いか」その内容を聞き、実行に起こした俺だったが、まさか本当に魔術印があるとは思わなかった。


この時、俺はルアスの言った言葉、見覚えのある魔術印とロボの誰かに知られたくないような行動、その二つが俺の中で絡まり合い一つの可能性が過る。


「どういうことだロボ。」


覇気さえ籠る声音にロボは唾を飲み込む。


それもそのはず、今の俺の顔を見れば誰でも怖気づいてしまうだろう。それほどに俺は自分で立てた可能性に腹を立てる。


見覚えのある魔術印。それを最初に見たのはここ最近だ。場所はバルネスタ城で・・・ロロの部屋。


シーナの見舞いに行く前、ロロの書いたメモに重なる様に置いてあった一枚のメモ。


目に入った程度でそこに書いてあった内容は防衛魔術印だった。それでも癖のように見たものを覚えてしまった俺はそれがどんな形、誰が書いたのか、どんな性能をしているのか俺は覚えていた。


性能は超強力な洗脳睡眠効果、発動条件は魔術印から5m以内に二人以上が侵入時のみ。発案者はロロ。


そしてその魔術印とはまさしく俺がついさっき掻き消した魔術印に他ならなかった。

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