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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
運命の出会いが世界を動かす風になる
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一話4 予感と奇襲

「へぇ、ここがロロの部屋か~」


半ば無理やり大広間から連れてこられた部屋に入るとすぐさまベッドに飛び込んで行くロロの姿を見てここがロロの部屋であることは容易に推測出来た。しかし見た感じベッドは一つ、大きいソファの類も見当たらず、あるのは中ぐらいのテーブルと小さな一人用のソファが部屋の隅に置かれた、ただ部屋が大きいだけという印象だった。


「でさ、俺はどこで寝ればいいわけ?」


「ん、ん。」


俺がロロに寝る場所はどこだと聞くがロロはそこで寝ろと言わんばかりに床を指差す。でも俺はそんなことわからないし認めない。


「そんな床指差してどうしたんだよ・・・で!?俺はどこで寝ればいい?」


再度、口調を少し強めにしてみたが結果は変わらずロロは床を指差すだけだった。


「せめて言葉使ってくれよ!!」


「寝るところないから床で寝て。」


「もしかしてこれからずっとこんな生活・・・?」


一瞬、脳裏に床で包まり凍え震えている自分を想像したがロロの次の言葉で不安は一蹴された。


「大丈夫よ、今日は急だっただけよ。早くても明日には・・・」


そこで途切れる声に俺は早くても明日には俺の寝床が確保される、そう解釈することにした。今思えば当然だ、いきなり寝るところを用意しろと言われても対応できないのも無理はない。


しかしどうも嫌な予感しかしない。部屋と言いなにか必要最低限の物しか用意されておらず、ロロも城に入ってからどこか悲しげな顔をしている。自分で思うのはうぬぼれてると言われても言い返せないがぶっちゃけ俺の予感はよく当たる。


それも9割ぐらいで。そして今回の嫌な予感は何かまでわからないがかなり面倒なことになりそうだ。


「ネロ?どうしたのそんな普段使わない頭を使ってそうな顔して。」


「日々使ってますが!?」


「いいのよ強がりは。それより今日は疲れたからもう寝ましょ?」


気づけばロロはすでに半目でうつらうつらと左右に揺れていた。


「そうだな、確かに俺も今日は疲れた。このソファ使っていいか?」


「ん・・・」


と、眠そうに返事を返したロロからはすぐに小さな寝息が聞こえてきた。持ち主の了承を得た俺は部屋の隅にある一人用のソファに腰を下ろすと同時に急激な睡魔に襲われそのまま意識を委ねた。




翌日、普段の生活通り太陽が昇り始める頃に起床した俺は日々の日課である剣の素振りをしにロロの部屋に来る途中に見つけたちょうどいい中庭があったのでそこで素振りをすることにした。


素振りをしているとたびたび通りかかるメイドさんに挨拶していくと、ロロがウトウトと歩いている姿が見えた。


「どこ行くんだロ・・」


「といれ」


俺の質問を聞き切る前に即答したロロは俺に見向きもせずにゆらゆらとそのまま歩いていった。


そこで、俺はロロと会話なのかも怪しいやり取りをした後に気づいたのだが少し前から殺気に満ちた視線が城の物陰から俺を監察するように見つめている。しばらくすると動き出し、何処かに行くのかと思うと女騎士が中庭に入ってきた。俺を監察するようにずっと俺の周りをウロウロする為、目を合わせまいと努力するがとうとう目が合ってしまう。


「目が合ったな」


目が合うと同時に喋り出す女剣士に俺は少し警戒する。髪がダークブルーで身長や体躯はさほど俺と変わらない。それだけなら警戒する必要もあまりないのだが、ずっと見られていては警戒もする。


「何か用ですか?」


「なぜ加減して素振りなどしている」


突然の直球かつ図星を突かれた俺はほんの一瞬だけ動きを止める。


その動きを止めた一瞬を待っていたと女騎士の腰にはすでに剣は無く、ネロの眼下まで首を撥ねようと白銀の刃がすでに迫っていた。普通の人間では剣さえ見えず、歴戦の戦士でも恐らく反応できない。気づけば首が飛んでる。それほどまでの速度とタイミングで繰り出した居合斬り。


しかしネロはそれを紙一重に、真顔で避けた。すると横に振り抜かれた剣のちょうど先にあった一本の木が切り倒された。


渾身の一振りを躱された女騎士はというと、当たると確信していたのか驚きで目を見開いていた。


「驚いたな・・」


『フフフ』と不気味に笑いながら剣を鞘に納める女騎士に俺は少し苛立ちを覚えた。


「今の、本気で殺りに来てましたよね。直前まで殺気さえ感じなかったのには感服しましたが、もし俺が斬られていたらどう責任を取るおつもりだったんですか?」


「今のを避けれなければこれからロロ王女を護る資格も無いと言うことだ。それにロロ王女が連れてきた騎士だ、避けられてもおかしくないと思っていたが・・・実際避けられたのには驚かされたな」


「随分な態度ですね。」


まるで審査でもしていたかのような物言いをする謎の女騎士に俺は少し反抗的な態度を取っていた。


「なに気にするな、元々初対面の奴には少しだけだが相手を見下す癖があってな、色々と苦労してるんだ。しかしその反射神経といいなぜ素振りを手加減してやっていたんだ?」


「質問する前に今の行動について説明して頂きたいのですが?」


俺の反抗的な態度に女騎士は少し考えると、何か思いついたように俺の方に近づく。


俺は再度警戒し腰を少し落とすが彼女は俺の横まで来ると、


「まぁいい、どうせ後で嫌と言うほど話すのだからな」


そう言って俺の肩を叩くと横を通り過ぎていく。


「いや、待てよ!」


話はまだ終わっていない。と、女騎士を止めようと振り向くが。


「たく、なんでこの城にはめんどそうな奴しかいないんだよ」


そう言いながら俺は誰もいない中庭を見て頭を掻いた。



女騎士との一件のあと、すぐにロロが眠気が取れた顔で近づいて来た。


「何やってるの・・?」


「何って素振りだけど?」


俺は当然のように答えるが答えを聞いた本人は「なんで素振りでこうなるのよ」と、小声で呟くと俺の襟首を掴む。


「なんで・・・素振りを・・するだけで・・・木が倒れてるのよ!!!」


ロロの言葉に思い出したように先ほど女騎士にぶった切られた木を見て俺は脂汗をかいた。


「えっとな、これにはすごぉく不思議な出来事の上で起きた事故みたいなもので」


「言い訳はいらないわ、誰がどう見てもこの状況じゃあんたがやってなくてもあんたがやったように見えるわよ・・・でも。」


「でも?」


「あんたがそんな事するようには・・・その・・見えないのよ・・・」


モジモジと顔を赤らめ言うロロに今すぐ撫でたくなる気持ちでいっぱいになるが、それと同時に。


「てことは、俺がしてないって信じてくれるのか?」


てっきり俺を信用しないとばかり思っていたせいか信じてくれたロロに俺は撫でたくなる気持ち以上の嬉しさが湧き出てきた。


「さっきシーナとすれ違ったわ。あんまり表情を表に出さない彼女が妙に嬉しそうだったわ。どうせ貴方になにかちょっかい出したんでしょ。あれは好敵手を見つけたような感じだったわ」


俺はちょっかいがてらに殺されそうになったよ。何てこと言えるはずもなく。


「好敵手ねぇ~・・・」


一度、剣を避けただけで好敵手と呼ぶなんてアイツ自分でコミュニケーション苦手です的な事言ってたし・・。


「なぁロロ、そのシーナって女騎士は友と呼べるほどの・・・」


「呼んだか?」


「そうそう、今お前の話してたん・・・っていきなり出てくんな!!!!なんだぁ?さっき避けられたのを根に持ってリベンジか?」


「いや、あれはアレ、これはコレだ。今すぐ王がお前に会いたいそうだ。ロロ王女もご一緒に。」


唐突に現れた女騎士はサッと要件を話すと颯爽と城の中に消えていった。


「俺アイツと上手く接せる気しねぇよ」


ずっと見つめてきたと思えば斬りかかってくるし、消えたり出たりと、シーナとか言うあの女騎士とまともに息が合う奴を見てみたいものだ。


「そんなの気にしなくてもいいわ。それよりもお父様が待ってるわ、行きましょ?」


ロロはそう言って俺の手首を掴むとそのまま城内に向かって歩き始めた。その時、俺はなぜロロの手が震えているのか聞く気にはなれなかった。

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