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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
見えない巨大な影
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4話1 最善の出会い・・・?

ただ真っ白く続く道を俺とロロ、そこにロボを加えた三人はこの道がどこに続いているのか色んな考えを抱きながら歩みを進める。


黙々と歩く中、とうとうロロが変わらない景色に痺れを切らしたのか口を開いた。


「そう言えばシャドはどうしたの?」


「あぁ、アイツならルアスに負けたから俺の部屋の修復が出来次第こっちに合流するらしい。」


「あ、そうなのね・・・ちゃんともどっ・・・。」


と、そこまで来て声は真っ白な世界は姿を変えた事によって途切れた。


「へ!?」


「は!?」


「何事ですの!?」


「これは一体!?」


真っ白な世界が姿を変えた先は薄暗い一室だった。月明かりに照らされ辛うじて見える室内には大きめのベッドが二つある所を見るとどこかの宿だろうか、しかし部屋の内装や壁は行き届いておらず、灯りさえ無い様子を見るとあまり景気はよくないようだ。


そんな部屋の中に三人の他にもう一人、元々この部屋を借りていた人物と目が合った。


「目ひょ・・・!?」


「どうした!・・・ん・・だ?」


金髪の女性は俺を指差し何かを言おうとしたその瞬間、女性の背後にある扉が勢いよく開くと中から黒髪長髪の男が慌てた様子で飛び出してきた。パンツ一丁で。さらに慌てていたせいか、少女の存在に気づかず開けた扉は少女に直撃し少女は壁に激突、床に倒れると目を回す。


『・・・・。』


唐突に起きたトラブルにその場に居た全員が数秒、床で突っ伏せる少女を凝視するが、すぐさま男の方は目の前の侵入者を睨み付ける。


「お前たちどこから入った・・・。やはり気づいてたんだな・・・。」


「よく切り替えられるわね・・・。」


あまりにも早い切り替えの早さにロロは一言ツッコむ。


俺は俺で男の最後の言葉が少々引っ掛かったが、ここは一つ穏便に済ませるべきと判断した俺は両手を上げる。が、その動作だけでも目の前に居る男性は臨戦態勢に入った。なんでこんなに警戒されてんの・・・。


「あ~こんな状況だから信じてもらえないかもしれないが・・・君は誤解してる・・・。」


「怪しげな二人組に獣人が居るのに何を誤解しろと・・・。」


「まず俺達は盗賊じゃない・・・。」


「当たり前だ。」


当たり前・・・?


「そして俺達もここに居る理由がわからない。」


俺達はルアスの家を、玄関から出た。『最善の道』とルアスが呼ぶ白い道は歩行者の最も得をする場所に辿り着かせる。その結果がこの部屋となると余計に訳が分からない。


頭の中で必死にこの状況を打開する方法、加えてここに辿り着いた理由を考えるが、男の言う言葉で更に頭は混乱する事になる。


「居る理由がわからない・・・だと・・・?俺達がここに居るからお前たちは来たんだろう?」


「君達がここに居るから俺達がここに来る必要があるのか・・・?」


互いに噛み合っていない話をパンツ一丁の相手と真剣にされるのを見てロロが呆れる様に手を額に当て男を指差した。


「いい加減に服着なさいよ・・・。」


「確かに・・・。」


男は同意するようと背後に手を・・・。


「待てって、危害を加える気どころか誤解だって。」


「ッ!?」


男は非常用にと布の間に仕掛けていた薄い短剣に手にした所で俺は1mほどの距離を一瞬で詰め手首を掴む。


「化け物が・・・!!!」


男は俺の手を振り払うのに連動するように左足が蹴り上げるが俺は後ろに一歩下がり回避する。


「まじで誤解だって・・・なぁ?」


俺は後ろの二人にも誤解を解いて貰おうと協力を煽るが背後の二人は「なんでそうなる」と、冷えた目で俺を見つめているばかりで哀しいほど非協力的だった。


「おまえら・・・っと。」


突如、パンツ一丁の男の手から数十本もの短剣が俺目掛けて飛んでくる。が、それを俺は丁寧に一本ずつ柄を持ち安全に回収していく。


「うお!?」


と、全てに短剣を回収し両手が塞がった所に一回り大きな短剣が6本、それに加え先の飛んできた量を上回る薄い短剣が倍以上の速さで四方から向かってくるが・・・。


俺はその全てを手にしていた薄い短剣を投げ一本で二本迎撃し全ての短剣は俺を避ける様に床に突き刺さる。そして、俺はさっきの薄い短剣に代わり大きめの短剣を三本ずつ両手に手にしていた。


「そろそろ話し合わな・・・。」


「準備が整いましたわ!!!!!!!!!!」


背後から響く甲高い声は俺の声を遮る。その声に全員が背後を振り返るとそこには金髪の少女が窓の外で静止し、右手を高らかに上げていた。


そして、今の今まで男の横に転がっていた筈の金髪の女は今やただの石の塊へ変貌していた。


「ショォタイムですわぁぁぁぁ!!!!!!!」


さらに甲高い声を上げると高らかに上げていた手を振り降ろした。


瞬間、窓の傍の壁が隆起し、粉砕されると瓦礫の中からは巨大な石の拳が姿を現す。


「・・・。」


が、その拳は、ロロの眼下で半透明の魔術防壁によって阻まれる。


「大丈夫・・・か?」


背後から見ればロロに拳が直撃してるようにしか見えない俺はロロの元に歩み寄るが。


「大丈夫よ、それより。」


「後ろがガラ空きですぞ・・・。」


背後から忍び寄る男の長剣がロボの巨大な爪と火花を散らす。


「わかってたよ・・・。」


「チッ・・・。」


気づいていた。確かに人が動く独特な空気の流れで男の接近には気が付いていた。しかし、それ以外は全く悟れなかった男は俺でさえ気が付けない程の隠蔽魔術を持っている。俺は少しばかり警戒を強めると共に忍び寄った男に6本の剣を投げる。それに合わせるように相手は剣をこちらに投げると男は6本の短剣を器用に避けながら扉の奥の暗闇に姿を消した。


飛んできた長剣然り、いつの間にか服を着ていた男を見ると小さい頃に見たリンゴをナイフを投げて突き刺すショーを思い出す。俺は飛んで来る長剣を手の甲で弾くまでの間、そんな他愛もない事を考えると苦笑する。


「完全にやってる事サーカスだな・・・。」


弾かれた剣は回転しながら奇跡的に窓を抜け外で浮いている女性の耳元を通り過ぎた。


「ま、まだまだショーはここからですわ!!!!!」


再度、顔を少し青ざめた金髪の女性は俺の心でも見透かしたかのように声を上げると同時に今度は左右の壁、天井、床、全てが粉砕し、さっきと同様に石の拳がこちらに迫る。


「ロボ!・・脱出する・・・ぞ・・・?」


俺は崩壊していく部屋から脱出しようとロボに声を掛けつつロロを抱える。しかし、俺はその刹那に怒った光景にロボ、外に居た女性さえ目を奪われる。


崩壊寸前だった部屋は一瞬で氷塊と化し、巨大な石の拳、落ちてきた瓦礫は一つ残らずその動きを止めていた。


そこで俺は崩壊した壁の間から金髪の女性が浮いていたのでなく巨大なゴーレムに乗っている事を知る。それと同時に外の様子が確認できた。そこには数日前訪れたラークスの街並みが広がっていた。


「貫け。」


「ロロ!?」


と、その時、抱き抱えられたロロが囁くように言葉を発すると周囲の氷塊から鋭い氷の針が女性目掛けて伸びる。


しかし、ゴーレムに乗る女性に迫る氷槍は寸での所で巨大な石の腕に遮られる。が、腕を貫いた氷槍から浸食するように氷が凄まじい勢いでゴーレムの全身を駆け巡りすでにゴーレムは巨大な氷像と化していた。


「ロロ!!!今、殺りに行ったろ!!」


「でもそうしないとやられてたかも知れないわ。」


やられる前にやる。そう言いたそうにロロは鋭い眼光で告げる。


「ロロ・・・?」


普段のロロでもやられる前にやるとは言うかも知れない。しかし、相手はまだ誤解しているかもしれない。そんな不確定要素が孕む中、ここまで過剰な反応をするロロは異常とも言えた。


さらに普段のロロからは想像も出来ない程の殺気さえ感じる眼光に俺は一瞬、ほんの一瞬だけ完全な隙を晒す。


「ここだ・・・。」


「しま・・・。」


完全に隙を読まれた俺は背後から飛び掛かる男に反応が遅れる。その時、助けに入ろうとするロボは自身の足の異常に目を見開く。足元を見るとそこにはいつ飛んできたのか数本の白く光る矢が突き刺さってた。


「取りましたわ♥」


自慢げに言い放つ金髪の女性は突き出した淡く光を帯びる左手から再度、目に見えない程の速度で光の矢がロボのもう片方の足に深々と突き刺さる。


「主殿!!」


ロボは声を荒げたその時、鮮血が飛び散りネロの心臓を狙った突きは俺の心臓を突き・・・・刺さらなかった。代わりに短剣が突き刺したのは抱えられたロロが咄嗟に出した腕だった。直前に出てきた腕に軌道を逸らされた短剣の刃はロロの腕を貫通しネロの皮膚を軽く抉る。


「甘い・・・わ。」


痛みに堪えながらもロロは顔を歪ませながらも笑みを浮かべる。渾身であり絶好の機会を逃した男は片手に予め持っていた球体を突き刺すと同時に落としていたのか眩い閃光が辺りを包み込む。


「・・・ミル!!!!撤退だ!」


光が収まる頃にはゴレーム使いの隣に着地した男はそう言うと女性を肩に担ぐ。


「で、でも・・・まだ目標が!!!!」


「いいから・・・行くぞ!!!!」


何かから脅える様に最後に俺達を見ると男は氷像に隠れるように姿を消した。


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