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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
光に潜むは闇
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三話14 夢の中『で』お話

上手く投稿できていませんでしたので再度、投稿させて頂きました。申し訳ございません!!

「はい、どうぞ。」


「あ、ありがとう。」


ロロは俺から渡されたティーカップを受け取り、ぎこちなく口にカップを持っていく。


優雅なひととき、木造独特の木の香りに部屋中を照らす暖炉と蝋燭の火。上では今も殴り合いが繰り広げられている事など感じさせない程、優雅にティータイムを満喫している。表面上は。


「ねぇネロ?」


「ん~?」


あいつら、本当に俺が戻って部屋が元通りになってなかった軽く暴走してやろうか。そんな事を考えながら自身の部屋を見つめる。


「この数日間、ありえないぐらいの出来事の連続だったわよね。」


「そうかも・・・な~。」


「な、なのにまだ一週間ぐらいしか経ってないのよ?」


ロロが思い出に浸るような口調で喋る中、俺の意識は今でも時折二階から聞こえてくる衝撃音に囚われていた。そしてロロも俺のする適当な返事に対して徐々に口角をピクピクと痙攣させる。


「ね、ねぇネロ聞いてる?」


「聞いてるぞ~・・・あ!?今またなんか壊れる音しなかったか!?」


衝撃音に混ざり聞こえてきた何かが割れる音に俺はその場で勢いよく立ち上がる。


「もう!!!!いい加減やめてくれない!?ほぉら!!!いつまで自分の部屋の方向いてるのよ!!」


とうとう我慢の限界が来たロロが立ち上がりテーブル越しに俺の顔を両手で挟み無理やり俺はロロと目を合わされる。


「いい?今は私と喋るの。ここ数日の事で貴方とみっちり話したいの!!!わかるわよね!?」


「わかる。」


「なら、今は私との話に集中して・・・ってこっち向け!!!!」


「わ、悪い・・・。どうしても上が気になって。」


「あ~そう。ふぅん・・・。気にならなければいいのね?」


その時、ロロは何かを思いついたようににやける。ごくごく普通のにやけ顔、しかしその顔を見ると俺はなぜかその場から逃げたくて仕方なかった。


「ロボ、離れてなさい。」


「わ、わかった。」


唐突に離れるように指示されるロボだったが、ロボもロロの顔を見て何か嫌な予感でもしたのだろう、すぐさま俺達から距離を取る。


「さぁ、種も仕掛けがあるのかな、貴方を遠い異界に飛ばして見せます。・・・まぁ種はあるけど♪」


最後に楽しげな声を上げると共にロロが指を鳴らす。


「何する気・・・はぁ!?」


突如、目の前の景色が一変する。その変わりように俺はその場で硬直した。それもそのはず。今の今まで蝋燭と暖炉で照らされたリビングはロロが指を鳴らしたその瞬間から何の変哲もない白い空間に。


それでいて周りを見渡せばまばらな間隔でベッド、ソファ、丸テーブルと・・・。


周囲を見渡し俺はある事に気が付く。この空間にある全ての家具、一辺なんの規則性も無いと思っていたがその配置にはなぜか見覚えがあった・・・・。


「ここって。」


「私の部屋、を元にして作った不思議な空間。」


目の前で自慢げに告げながらロロは俺の顔を見ると、頬を膨らませ後ろに置いてあるベッドに腰を落とすと吹き出すように笑い声を上げる。


「なにその顔!!!傑作よ!!!」


お腹を抱えて笑うロロ。だが俺はその様子を見てもとてもじゃないが笑えなかった。


「ロロが作ったのか・・・?」


「作った・・・ねぇ。やっぱり空間って言えばまるで自分がどこかに飛ばされたと思ってしまうわよね。」


考え深いわ。と言葉を続けたロロは後ろの椅子を指差す。


「ネロも座ってみれば?」


俺はロロに言われるがまま後ろに置いてあるソファに座る。


「・・・?」


それは不思議な感覚だった。ソファはがソファじゃない。ソファの感覚自体はある。


だが、それはどこか不思議な、今座っているソファは固いと言えば固く柔らかいと思えば柔らかい。肌触りも悪いと言えば悪いが悪くない。


そのソファはソファか?と聞かれてもはいとも言えずいいえとも言えない、わからない。まるで雲を掴むようなそんな感覚に陥った。


「なにか変でしょ?まぁそりゃそうよ。簡単に言えばここは意識だけの世界よ。今も二人の身体はルアスの家の椅子に座ってる。」


「すまん、説明してくれんとわからん。」


未だに自慢げに話すロロに俺は着いていけず頭を抱える。


「だからぁ!あなたは今、私の幻術で意識を私に奪われてるの!!」


「つまり・・・・?」


だめだ、全くわからん。なに?今、俺という存在はここにいないのに意識だけがここにいるのってこと?あぁダメだよく思えば俺はここ数日間、何も食っていない。つまり糖分が足らず脳が正常に働いていない。


こんな事になるなら紅茶用の砂糖でも流し込んでおくべきだった。


「私の魔法で貴方の意識を奪って夢と言う形で私と貴方の意識を共有させてるのよ。」


「ふむふ・・・・はぁ!?」


「やっとわかった?」


「これは夢なのか・・・?」


「まぁ簡単に言えば夢ね。でもこれは夢みたいに忘れたりしなければ時間も経たない。それでいて鮮明で現実との区別が付きづらい。」


「いつ・・・こんなの覚えたんだ・・・?」


この空間が夢のようなものだと言うことはわかった。しかし、ロロはこの魔法をいつ覚えたんだ?幻術魔法は習得には早くても2週間は掛かる。


「私はネロより一日早く起きたのよ。その時間でちょっとやったら出来たのよ。」


「1日だと・・・?」


まるでちょっと早起きしたから的なノリで幻術を覚えたと述べるロロを見て俺は、アウロラの花故に出来る事なのか、それともロロが天才だからなのか。疑問が生まれる。そして俺はその疑問について聞きたくてしかたなかった。


「どうやって覚えたんだ・・・?」


「貴方が・・・いえ、シャドが牛頭達と戦っている間に気持ち悪い魔物に出会ったの。」


「気持ち悪い魔物・・・?」


「全身ヌメヌメで、それで身体は光ってて・・・。」


ロロは顔を歪め、手を不規則に動かしその気持ち悪さを必死に伝えようとする。


「で、その魔物と目を合わせたら変な空間に飛ばされてね。その時に感じたイメージでルアスに試してたら簡単に出来ちゃった。」


「出来ちゃったって・・・。」


いとも簡単に言ってのけるロロに俺は苦笑いを隠せない。恐らくこれは少なからずアウロラの花の力もあるが、ロロの元々の天才的な部分、魔力を感じ、イメージ出来る事があってこそだと考えた。


「ま、そんなのおまけよおまけ。実は試行錯誤してる内に相手の嘘を見破る魔法も使える様になったのよねぇ~。意味わかる?嘘つけないの。さぁネロ?この空間に連れてきた理由でもある貴方の過去。聞かせてね?」


聖母のように微笑み手を伸ばすロロの姿が、こちらを見つめるその顔が、俺には悪魔にしか見えなくて仕方なかった。あぁこれが夢なんだから醒めてくれ。

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