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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
光に潜むは闇
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三話13 夢の先

丸一週間空けてしまい申し訳ありません!今後とも一週間空けてしまう可能性がありますが精一杯努力させて頂きますので今後ともよろしくお願いいたします!!!

長い、長い夢から意識を現実に引き戻していく。身体が重い。徐々に覚醒していく意識の中、自身の上に何かが乗っている事を知る。俺は上に乗っているものを確認するように重い瞼を開ける。


まず目に入ってきたのは目をジト目にしたロロが超近距離で俺の顔を覗き込んでいる姿だった。


「なんで起きたの。」


起床して早々に理不尽な言われ様に顔を少し引き攣らせる。


「な、なんでと言われも・・・。」


「私とキスするのがそんなに嫌なの?」


問いただすようにロロは言葉をかける。夢の中で聞いたロロの声は覚醒しかけの意識に溶け込んだ現実のロロの声だったようだ。


つまりだ。ロロは俺がキスされたくないから目が覚めたと思っている訳で・・・そう考えれば可愛いやつだ。


「してもいいんだぞ?」


俺は冗談気に笑うと顔を横に向け頬を前に出す。これはロロが正面から面と向かってのキスは恥ずかしくて出来ないと踏んでの行動だったが。ロロはなんの躊躇も辱めも無く俺の頬に自身の唇を触れさせると優しく微笑んだ。


「眠気は取れた?」


「お、おう・・・。」


予想だにしなかった不意打ちに俺は逆に頬を赤らめてしまう。


「完敗じゃな。」


さらにロロとは別に、気づかなかったがいつの間にか床にある机に突っ伏していた浴衣姿のルアスは今の一連のシーンを目撃し、追撃するように一言付け足した。


「ういういの。」


「うるせぇ・・・・。」


煽るルアスを睨みつつ俺は重い体を起こす。その時、自身の手に落ちる滴を見て俺が涙を零している事を知る。


「あれ・・・?俺、泣いて・・・!?」


頬に触れ、自分が涙を流していることに気が付くと、ベッドの上で涙を零す俺にロロはそっと抱き寄せる。


「頑張ったわ、あなたは凄く頑張った。頑張って頑張って、頑張り過ぎなのよ・・・。」


「俺、まじでロロが死んだと思って・・・・。でも生きてて・・・あぁやべぇ。それだけで涙が止まんね・・・。」


ロロの胸の中で止まらない涙を止めようと必死な俺をロロは赤子を泣き止ますように優しく頭を撫でる。


「なんだかんだで私、結構こうしてあげてるわよね。」


「今それ言うなよ・・・。」


涙を零しながらも俺は笑みを浮かべる。


「だってさ・・・私だって・・・ネロが死んじゃうんじゃないかと思って・・・。本当に怖かったのよ。」


徐々に、震える声にロロは今にも泣きそうになっていた。


「全く、二人してこれでは話も出来んわ。」


ルアスは呆れたように言いながらも俺が泣き止むまでの間、ただずっと俺達の様子を微笑むように眺めているだけだった。





「よし・・・よし、ありがとうロロ。」


「もういいの?」


名残惜しそうロロは俺から離れるとベッドから降りる。


「それでルアス。話ってなんだ。」


「核心から言えばそなたの中にある黒い瘴気が消えた。」


「・・・・・・・やっぱりか。」


どうもそんな予感はしていた。夢の中でシャドと会った時、これが最後のような気がしてならなかった。


「驚かないんじゃの。」


どうも俺が驚くと思っていたルアスは不思議そうに見つめてくる。


「まぁな、目を覚ました時からこうなるんじゃないかって予感はしてたよ。」


「そうか・・・。ならば耳寄りな情報を一つ。」


俺の言葉にルアスは指を立て不敵に笑う。


「黒い瘴気は消えたが代わりにアウロラの花に呼応して白いしょ・・・。」


と、ルアスがそこまで言いかけた所で部屋の扉が勢いよく開かれ、白髪の少年と狼男が部屋に飛び込んで来る。


「ハッピーバースデー僕ぅ!!!!!!!!!!」


「おい、まだ出るな!!!!!」


扉から現れたどこか見覚えのある小さな少年はそのまま勢いを殺さず俺に向かって飛び掛かる。


「はぁ・・はぁ・・ネロだ!リアルネロだ!ねぇねぇなんでハッピーバースデーかわかる?それは本当は三日前にこの姿で目覚めたんだけどやっぱりネロが起きた日が僕の誕生日の方がって。は!身体大丈夫!?まだ体が・・・」


「お前・・・シャドなのか・・・・?」


力一杯抱き着く少年を見て俺は驚きを隠せない。抱き着いてきた少年の姿はまさに幼少期の俺そのもので、唯一、髪だけが白髪となっているを除けば完全に俺だった。というか俺だ。


「そう・・だよ?やっとこうして会えた・・・。ずっと、ずっと面と向かって話したかった。」


「でもお前は消えたはずじゃ・・・。」


「ごめん、テンション上がっちゃっヴぇ・・・?」


俺の言葉にシャドは突然、喋りかけの言葉と共に奇妙な声を出すと、ルアスの方に目を見開き真顔で睨み付ける。


「主が先に入ってきたからじゃ。」


ルアスの言葉にシャドは眉を細めると大きく溜息を吐く。


「そんな喋りからしてるから言いそびれるんですよ。ババア。」


「うるさい餓鬼じゃの~?」


「え、どうした二人とも。」


確かにシャドはルアスの事が嫌いだ。それは一度目の暴走の際に聞いていた。が、超高速で修羅場と化す部屋で俺は巻き込まれるのを避けるように見て見ぬふりをしてロボの方を向く。


「ロボもすまん、迷惑かけた。」


「いえ、とんでもない。貴公の命は己より重し。それに今回は一回死んだ程度だ。気にしないでくれ。」


「おう、そう・・・は・・・!?」


なぜこうも今日は話せば話すほど驚かされなけばならないのだろうか。


「おい、ロボよ。一回死んだってどういうことだ?」


「ん?そのままの意味だが、伝わらなかっただろうか。」


首を傾げ「言い方を誤ったか?」と、小言を呟くロボに俺は再度、質問を投げかける。


「悪い、俺の質問が間違ってた。どうやって死んだんだ?」


「む、貴公は覚えていないのか。貴公の剣でこう。」


ロボはおもむろに自身の腰に手刀のように手を当てるのを見て苦笑する。


「なんで生きてんの・・・?」


俺の黒い瘴気で攻撃された者の傷はどうやっても治らないはずだ。ましてやロボの話が本当ならば胴体が分離。生きているはずがない。


「わてが時間を止めたからじゃ。」


「僕が反転したからだ。」


突然、今までにらみ合っていた二人が同時に言葉を発す。そして次の瞬間。


「は?」


「あ?」


どれほどこの二人は仲が悪いのだろうか。言葉が被った直後、ルアスの右手がシャドの頬に向かって振り下ろされ、シャドはそれを見越したように片手で受け止める。


「お、おい!!!」


さすがにここで殴り合いを始められたら困ると俺は静止を促すが両者は不自然なほど見事な笑顔で答える。


「なぁに、心配するでない。少し握った拳が空気で滑って降り降ろされただけじゃ。」


「そうですよ、僕ももう少しで左腕が謎の突発型室内上昇気流を掴んで振り上がりそうなんでお互い様です。」


「何訳わかんないこと言ってん・・。」


刹那、シャドの左拳がルアスの顎目掛けて振り上がるが、それをルアスは余裕ですよと言わんばかりのドヤ顔で受け止めた。


恐らくロロ辺りには今の動作は見えていない。てかよ。


「てかやめろここ俺の部屋!!!!!!おいルアス再度、右腕を握り直すんじゃない!!!シャド君もやめなさい、顔が笑顔と怒りで人様に見せられない事になってるよ!!!」


「死ね!!!!!!!!!!!!!!」


「殺す!!!!!!」


俺の静止虚しく唐突に目の前で始まった殴り合い。互いに俺達の事を気遣ってか軽い殴り合いだが、ロロからしたらただの殺し合いだ。


「よぉし!ロボ、ロロ。」


「な、なんでしょうか。」


「な、何?」


目の前の光景を見て二人とも顔を引き攣らせる中で、俺は比較的穏やかな表情でこう告げた。


「下でお茶しない?紅茶でいいよな?僕は紅茶しか作れないからねぇ~。ささっ、ここは危ないゾ?」


「い、いいのかこれをほっておいても!?」


「大丈夫大丈夫、後でどうにかするから♪」


「本当に大丈・・・。」


「ダイジョブだから早くイコウヨ?」


なぜかやけに留まろうとする二人に俺は笑顔で答えるが自身でもわかる。絶対、今の俺の目は笑ってない。そしてロロ達もその事に気づいたのか苦笑いしながら俺に押される様に部屋を後にする。


そして俺は笑顔のまま扉をゆっくり閉めながらも、閉まる直前で目を見開いた。恐らく今までの殺意に満ちた目線とは別の、相手を従わせるような目で睨む。


「俺が帰って来た時にぐちゃぐちゃだったらコロスゾ。」


「・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


一瞬、二人は動きを止め冷や汗を掻き周囲を見渡す。すでに机は木屑と化し、床はひび割れている。その様子を見て二人は青ざめるようにこちらを向き、さながら「どうしましょう」と言いたげな眼差しを向けるが。


「グチャグチャコロス。」


そう言いながら俺がゆっくりと扉を締め切りロロたちの居る一階に向かう。部屋の中からは互いの罪の擦り合いと衝撃音が階段を下りるまで聞えていた。

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