三話5 世界と世界の間で対峙
いつも見て頂いてる皆様本当にありがとうございます!まだ初心者ですが少しずつ文を読みやすく、迫力を付けたく思います。こうした方が読みやすい等のアドバイス、どうかお願いします!!!
自身の身体に戻った俺は体を動かし、体に異常が無い事を確認する。
「どう?おかしい所とか無い?」
心配そうに床に座り込みながらも、俺を見つめるロロだが、顔はまだほんのりと熱を帯びていた。
「あぁ、今の所は大丈夫そうだ。」
俺はひとしきり体を動かすと、ロロに手を差し出す。
「ありがと、助かった。」
笑顔でお礼を言うとロロはそっぽを向くが、手をこちらに差し出す。どうやら立たせて欲しいらしい。
「えらく甘えん坊だな。」
「力が入らないのよ!!!」
「はいはい。」
俺は軽く流す様に答えるとロロを引っ張り上げる。すると、ロロは本当に力が入らないのか、こちらによろめいた。
「大丈夫か?」
「少し疲れたのかな?もう少し支えてて。」
そう言うとロロは俺に身体を預けてきた。
「ねぇネロ。」
「なんだ?」
「私わかったの、貴方がどれだけ秘密や隠し事をしていても、私はあなたの事が好きみたい。一国の元王女を惚れさせたんだから責任は取ってよね?」
「お、おう。」
上目遣いで改めてロロの気持ちを告げられた俺は、俺も一国の王なんだけどな。と、軽く冗談を言うつもりが、あまりにも可愛らしい顔に単調に言葉を返してしまう。
「それにしても、キスで解ける呪いなんて奇跡でも何でも無いわね。」
「そんな事無いぞ?」
終わってしまえばあっけないと言わんばかりに軽く言い放つロロに、いつからそこにいたのか、ルアスは木の椅子に座り込みながら答えた。隣にはちゃっかりとロボも立っていた。
「どういう事?」
言葉の意味をあまり理解できていないのか、ロロは首を傾げる。
「そのままの意味じゃ。ロロよ、そなた今、体を思うように動かせまい。」
「た、確かに・・・!」
ルアスに言われ、体を動かそうとするロロだが、その動きはぎこちなく、電池切れの機械を見ているようだった。
「うむうむ、やはりな。それは魔力切れじゃ。」
その言葉に俺はある疑問を抱いたのでそのまま口にする。
「魔力切れ?アウロラの花を取り入れているロロがか?」
「そうじゃ。先にそなたに掛けた呪いはそれほどまでに膨大な魔力を必要とする。故に魔力で動いとるようなわてなんかは絶対に解けぬ。」
ルアスの言葉に次はロロがある疑問を抱く。
「魔力で動く生命体・・・?え!?え!?」
ロロの予想外の反応にルアスは意表を突かれたのか俺にも見せた事の無いような顔をする。
「なんじゃ、今頃気づいたのか!そうか、ならば自己紹介をせねばな!わてこそ、世界七魔が一人、時空魔術師ルアスじゃ!!!」
大袈裟なポーズを取るルアスを見てロロは体を小刻みに震わせる。あまりにも大きく震えるロロの姿に俺は心の中であばばばばと、勝手にアフレコを入れてみたりする。
「じじじ時空魔術師!?ルアスは七魔の中でも自称最強の時空魔術師!?」
二度も時空魔術師と大袈裟に反応するロロだが、これは至極当然と言っていい。なにせ、世界で魔法を広め、魔法の産みの親とも言われる七魔。しかもその中でも歴史上ただ一人だけ扱えた事のある時空魔術を得意とする人間。それがルアスだ。
しかし、今やその七魔は全員が姿を消し、今や歴史上の人物とされている。そんな歴史上の人物を前にロロは自身に歯止めが利かなくなったのか、ルアスを質問攻めで困らせていた。
生涯負け無し(自称)のルアスが苦戦を強いられるのはなんとも笑える話だ。
「ななな歳はいくつでしょうか!!!!!????」
と、やはりルアスを見た誰もがするその質問。ルアスはしばらく考えた挙句。
「7歳じゃ。」
俺とほぼ同じ様な答えだった。どうやらルアスはこれに関しては何も学ばないらしい。
「・・・・・・・」
事実、ロロは時が止まったかのように動かない。
「・・・・8しゃい・・ぐらいじゃったかの・・・?」
完全にデジャウだった。ロロのさっきまでの勢いが完全に死んでる。おまけに目も死んだ。
「あ、はい。」
その時、ロロの引いたような返しを受けルアスは椅子から崩れ落ちる。どうやら長年生きてきた中で一番堪えた返しだったようだ。
「・・・なんじゃそなたらグルかの!?そうしてわてをいたぶるつもりじゃの!?」
直後、勢いよく立ち上がったルアスは俺達を指差して無い事を言い放つ。
「そんな気ねぇよ・・・。それより最初に言っていた本題が気に何だけど。あ・・・・。」
と、そこで俺はまたもや失言をした事を知る。ルアスは淀んだ雰囲気で椅子の背もたれの方を向き、器用に三角座りをしていた。幼女フォルムだからこそ出来る座り方だ。
「・・・・それよりってなんじゃい・・・。」
声と態度でいじけているのは明白だった。こうなったルアスはめんどくさい。
「めんどくせ・・・・あ。」
つい、心の奥に押し込んでいた本音が漏れてしまう。その時、バキン。と、何かが割れるような音が広間に響き渡る。
「なんだ今の音・・・。」
「魔物がわての世界に亀裂を入れた音じゃ。」
今もなお、椅子で三角座りをするルアスは死んだ魚の目のような視線をこちらに向け言い放つ。
「なにぃぃ!?」
「ふふふ、わての世界の侵入拒否は精神状態の浮き沈みで強度が変わる。久しぶりにネロと会って絶好調だったのに、さっきの致命傷に等しい言葉・・・どうなるかの?」
「どうなるかの?じゃねぇ!!!!ちなみに今の亀裂はどこからだ。」
「そなたと会った怨恨の森じゃ・・・。」
その言葉を聞きホッと溜息を吐く。その程度の魔物なら幾らでも・・・。
「の、冥界側じゃ。」
人生が終わったように笑い出すルアスを見て俺は絶句する。冥界側、生きとし生きる物が死ぬと行く事が出来る。世界で最も行きやすい別世界であり、最も遠い世界。
しかも今亀裂は怨恨の森で発生した。つまりあちら側の何かが意図してここに侵入しようとしている。それは厄災戦時に怨恨の森で絶滅した天災クラスの化け物がこの世界を求めて雪崩れ込むということだった。
「それ、やばくないか・・・?」
過去にルアスと共に冥界側怨恨の森に修行に赴いたがまぁまぁ戦えたがそれもルアスのサポートあっての事だ。今はその何倍も強くなっているとしても相手の雪崩れ込んで来る量は未知数、しかも相手は死んでも無限にゾンビアタックをかましてくると来た。
正直、負けはしないが勝ちもしない、最悪の泥試合が始まろうとしていた。が、その時。俺はルアス言葉でふとある事に気が付きルアスに相談を持ち掛けようとする。
「ルア・・・ス・・・?」
しかし、俺の呼び掛けには誰も答えず、ルアスの居た場所には紙切れが漂っていた。
『ちょっとメンタルブレイクされたので空見てくるのじゃ。しばらく耐えるのじゃ。byルアス 』
「ふざけんなぁぁぁぁ!!!!!!」
置手紙を床に投げ捨てた所で広間の奥から地響きが鳴り響く。どうやら全ての障壁を破壊してここまで辿り着いたらしい。
「はぁ・・・。ロボ、お前はロロを護れ。ほんと、いつになったら俺の隠し事をロロに喋れんだよ。」
呆れる様に言う俺だが身体は震えていた。怖いからでは無い、武者震いだ。今の自分が昔の俺とどれほど差が開けたのか知るのはいい機会だったからだ。
しかし、この震えはそう思い込ませるだけで畏れという概念による震えも入っていた。広間の奥で幾つも赤く光る中で、見覚えのある触覚、他の魔物とは明らかに違う青く光る複数の目はただこちらを見据えている。その眼には殺意と憎悪しか含まれていなかった。
最悪の魔物 レイスと対になる魔物 ホロウは再戦に喜びか俺を二度殺せる機会に歓喜し雄たけびを上げた。恐らくこの世界に亀裂を入れたのはあいつだ。なぜあいつが怨恨の森に居るのかは置いといてそれ以外考えられない。
迫りくるその姿を見ながら俺は引き攣りながらも苦笑すると背中に背負った愛刀に手を伸ばす。
「あの頃の姿形は同じだが、胸に誓った思い、復讐、力、執念、護りたいもの・・・、本調子じゃないにしてもあの頃のままだと思ってたら反抗させる気も起きないほど蹂躙してやる。」
俺はそう言い残すと剣を大きく振り抜いた。




