表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
光に潜むは闇
21/70

三話1 目覚め

深い微睡みから目覚めると、体に何か重たい物がのしかかっていた。それは寝起きの気怠さもあったが、明らかに物理的な重さだった。


俺は重い瞼を上げ、ゆっくりと体を起こす。すると目の前で俺に跨る一人の少女と目が合った。


「ロ・・・」


「ネロ!!」


俺の言葉より早く少女が抱き着いてくる。抱き着いた少女は腕に力を入れ無い胸を押し付けてくる。


見覚えのある匂い、透き通るほど綺麗な銀髪、抱き着きながら何度も何度も俺の名前を呼ぶ声。これが俺が護る存在、今一番大切で一番愛しい人。


出会った当初はこの気持ちがなんなのか全くわからなかった。わかろうとしなかった。だが、こうして抱き着かれてわかる。俺はこの少女、ロロが好きなんだと。


「ロロ・・・。」


俺は抱き着くネロの髪を優しく撫でると何故か強く抱きしめていた力を緩め俺から素早く離れ部屋の隅まで移動すると身構える。


「そうだったわ。まだ私は貴方を疑っているのよ!今のもあと少し離れるのが遅かったら死んでいたわ・・・。」


「無理があるだろ・・・。それに殺そうと思えばいつでも・・・。」


と、そこでロロがいつの間にか構えるのをやめ本気で脅えているのを見て自分がしくじったと悟った。


「冗談だって・・・。」


「わ、わかってるわよ!!!!でも、ルアスが言ってたことが本当なら・・・。」


途中、言及したくなる事を喋るロロだったが今はそう言いながらも目は脅えたままのロロをどうにかするのが先だ。


どうする。正直、何言ってもあの脅えた子猫の様な表情を崩せる気がしない。とりあえず・・・優しく声でもかけるしか・・・。


「こ、怖くないよ~?」


「怖いわよ!!!!」


即答だった。いやぁどうすることも・・・まじでどうする!?俺これでもロロの騎士だよ!?いわば命を預ける役割の俺がここまで脅えられるって時点で挽回不可能な気がしてきたんだが!?


ひとまず刺激しないようにしたその時、部屋の扉が開き誰かが入ってくる。その瞬間、俺はベッドから跳ね起きると、ロロの前まで跳躍する。


「なんでお前がここにいる。」


まだ怪我が完治していないせいか、今の跳躍だけで立っていられない程に全身が悲鳴を上げる。


しかし、俺の臨戦態勢に対して狼男のロボは部屋に入ってくると同時に手を上げる。


「待て待て、貴公はあの時、私を殺すのでは無く話を持ち掛けてきた。更には魔狼から命を救ってくれた貴公とその主に手を出せる訳がない。」


予想外の状況に俺は少しだけ身を固まらせるが、本当に戦う意思が無い様に人の姿に戻るロボを見て俺は身体の力を抜く。


「確かにお前を殺す気は無かったが・・・俺は魔狼に負けて・・・。」


そこまで言って俺は誰に助けられたのか理解する。ロロがソイツの事を口に出していたからそうとは思ったが・・・。


「つまりそういう事かよ、だから俺は生きてんだな。」


「その理解力と助けられた相手の正体を知っている辺り、やはり貴公は・・・と、それよりも後ろの方が大変な事になっておりますが?」


ロボの言葉で俺はようやく後ろの惨事に気が付いた。そこには今にも泣きそうなロロの姿が・・・。


「悪い!!癖というかなんといますか!?」


弁解しつつロロから離れようと後ろに下がると同時に、ロロの下半身を見て全身に衝撃が走る。俺はロボの言う大変という原因がこれだったのか。


「・・・・。」


あまりにも衝撃的な事に俺はその場で言葉を失う。そして行き場を失った無言の重圧がロロをじわじわと押し殺す。


「仕方ないでしょ!ルアスがもうすぐ起きるって言ったから我慢して待ってたのに!!!それにいきなり目の前にネロが来たら誰だってこうなるわよ!!!」


「いや、誰でもでは無いだろう。」


無慈悲なツッコミにロロの顔は耳まで真っ赤に染まる。


「だって怖かったんだから・・・怖かったんだからぁ!!!!」


その場の空気に耐え切れなくなった彼女は俺を押しのけ走り出す。が、水分でスカートが重くなっていたのか、それとも涙で見えなくなっていたのか、どちらにせよ普通ならば避けれるはずの小さなテーブルにロロは足を引っ掛け転んでしまう。


「大丈夫か・・・?」


あまりにも悲惨な光景の中で声を出せれただけでも自分を称賛したい。事実、ロボはあまりにも悲惨な状況にさきほどから微動だにしない。


「死にたい・・・・。しかも・・・な人に・・・姿を見られるとか・・・。もういっそここで殺しなさい!!!殺しなさいよぉぉぉぉ!!!!!」


床で涙を零すロロをなだめるのに10分、そして水の処理と着替えを合わせても、ロロと落ち着いて喋れるようになったのはこれから20分後の出来事だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ