一話2 町はずれにて
一話の続きです。どのくらいの文を一度に出していいのかわからず分けて投稿しました。
批判ダメ出しされると喜びます。お願いします
{町はずれににて}
騒ぎのあった市場から正反対の町はずれまで移動した俺はようやくロロを地面に降ろした。
場所は繁華街から離れている為か地面もろくに整備されておらず石のタイルとタイルの間からは雑草が所構わず生えている状態だった。
家もほとんどがどうにか住めるレベルで中には完全な廃墟も存在していた。
「ここまでこればいいだろ」
「あんた、隠密兵かなんかなの?」
ぜぃぜぃと息を荒げ肩で息をしながら座り込む彼女に俺は優しく背中をさする。どうやらよほど高い所が苦手だったようだ。
「大丈夫かよ・・高い所とかダメなのか?」
「お・・様・・・がダメ・・よ・・!」
どうにか声を出してるようだが声より息が荒すぎてうまく聞き取れない。
「すまん、息荒すぎて聞こえん」
「お姫様だっこがダメって言ってるのぉぉ!!」
急に大声で叫んだと思うと物凄い形相で彼女は俺を睨み付けてくる。
「そっち!?」
いきなりこんなところまで勝手に連れてこられたのを怒っているかと思っていた俺は思わずツッコんでしまう。
「そっち!?じゃないわよ!!!なんで初めてのお姫様だっこが通りすがりなのよ!」
確かに他人にいきなりお姫様だっこされるのは屈辱だがお姫様抱っこがということは・・・。
「なんだよ、普通のだっこならよかったって言いたいのかよ」
「そうよ・・もしくはおんぶでも可」
「お姫様抱っこは?」
「ダメ!!!」
「なんで?」
「・・・・」
急に押し黙る彼女。待てよ、彼女は話を聞いていたところどこぞのお姫様らしい。お姫様、お姫様抱っこ・・・もしかしてぇ!?
「あぁれぇ!?もしかして将来的にイケメン王子様にお姫様だっこされたぁいかっこハートかっこ閉じるなんて思ってたのぉ~?」
「・・・・なによ・・悪いの・・・?」
そういうと彼女はそっぽをむいて伏せてしまう。しかし彼女の声音は少し震えていた。
あれ!?もしかして泣いてる!?イケメンじゃないけど一応・・・なんてダメだなその案は・・。
彼女を見るとその場で俯いた彼女からは一粒の水滴が落ちるのが見えた。
「ごめんな、そんな悪気は無かったんだよ」
まずいまずい!!さっきあの騎士に女性に乱暴するなって言って俺が泣かせてどうする!!何か!何か機嫌を直して貰えるような何か!
焦りながらも自分のバックを漁っていると、市場で買ったリンゴが一つ彼女の前まで転がり落ちた。
「おっと・・!?」
リンゴを取ろうと手を伸ばした刹那、地面に落ちていたリンゴが消えた。もとい目にも止まらぬ速さで彼女が拾い、一齧りする。
「これくれたら・・許す・・」
「で、でも地面に落ちて汚い・・」
そして既に食っとるぞお前・・。しかし、そんなこと言ったらさらに機嫌が悪くなりそうなので心の中に仕舞っておいた。
「くれたら許すぅ!」
「あげるあげるから!!」
すると彼女はしばらくリンゴを一心不乱に齧り続けた。その様子を眺めながら彼女の様子はヒマワリの種を食べるはハムスターそのものだった。
「そんなに腹減ってたのかよ・・」
「うるさい!元々お腹空いてたの!!」
「さよですか・・・」
何を言っても地雷を踏む気がしたので俺は呆れながらももう一つあるリンゴをバックから取り出した。
直後、彼女は目を光らせ獣のように俺の手に持つリンゴに手を伸ばす。
しかし、俺はそれを読んでいたように見事に躱した。なんとなくこうなることを予想していたからだ。その後も何度もリンゴを奪おうと彼女の手が襲い掛かるが結局リンゴに触れることはなかった。
「てか、お前自分のリンゴある・・だろ?」
しかし俺の言葉は途中で勢いを失った。なぜならさっきまでまだ3/2はあったであろうリンゴが今や芯だけになって地面に転がっているのだから。
さらに彼女はその言葉を待ってましたと言わんばかりにお腹をポンポンと叩き食べましたと言わんばかりにアピールする彼女を見て俺は完全に呆れていた。
「そんなほしいか?」
彼女は人間の首の動きを超えた速度で頷く。本人は自覚していないだろうが端から見たら完全に頭をやってしまっている人だ。
「怖い怖い怖いから・・。」
「リンゴちょーだい?」
笑顔でリンゴを要求する彼女に俺はどこか違和感を感じていた。
笑顔かっ!よく見れば彼女の頬は少し引き攣ってるようにも見えた。そうなるとどれだけ俺に笑顔を見せるのが嫌かが伝わってきてしまう。
「なんかお前に安々とリンゴ渡すの嫌になってきたんだけど・・・」
「早くくれない?」
媚びを売る作戦が効かないと判断した彼女は途端に命令口調になり手を前に突き出してくる。
「よぉし取ってこ~い!」
はっ!あまりにもうざ過ぎて犬にボール投げる感覚でリンゴを投げてしまっ・・。
「もう!危ないじゃない!!リンゴが潰れたらどうするのよ!!」
そう言ってロロという彼女は俺が投げたリンゴを自分の手元に引き寄せた。
まただ、このロロとかいう奴、工程無視して投げたリンゴを空中で止めやがった。
「なぁ?どうなってるんだその・・・まず魔法なのか?」
俺の質問に対してロロはリンゴをご丁寧に食べきってから答える。
「えぇ!そうよ。立派な魔法、貴方もなんとなくわかってたんじゃない?」
「確かに魔法だってことはわかっていたけどそこまで魔法って便利じゃないだろ?」
俺の比較的普通な質問に彼女はそうよねと相槌を打つ。
「私はちょっと特殊なのよ、まぁ特殊って言っても努力の結果な訳で・・アウロラの花って知ってる?」
アウロラの花。一応聞いたことはある。なんでもその花の周りでは無限増に魔法を工程無しで使用出来たり、その花が咲く近辺では奇跡とも言える事例が例を絶たないという。
しかしアウロラの花に近づくと体から植物が生えたりいきなり体が氷に変わったりと近づくこと自体が危険な花だ。仮に花に触れられたとしても花は生物に触れた瞬間煙のように消えてしまう。しかも触ったのかどうかも怪しく、触ろうとしたら触った感覚はないが消えたというあまりよくわからない話もある。そしてまたの名を・・。
「奇跡の花・・・。」
「それ、奇跡の花。私はその奇跡の花を人類史で初めてアウロラの花を体内に取り入れた生き物なのよ」
「アウロラの花を取り込んだ・・・」
あまりにも唐突に言われた事実に俺は目を点にする。アウロラを手にした者は自在に魔を操れる何て伝承は確かにあるがアウロラを持ったことも触ったという事例さえ怪しいのに取り入れたなど聞いたこともない。
「ありえない・・」
「けど実際にありえる。現にこうして浮くことや、物を持ち上げたりできるわ」
すると目の前で彼女は宙にういたと思えばや左右の瓦礫同然の廃墟が地面ごと浮くのを見て俺の体は金縛りのように動かなくなった。
「信じてくれた?」
これでも俺は魔法の類はよく目にした方だ、民家の一つ二つを持ち上げる浮遊魔法もよく目にした。なんならやあ一つ持ち上げるやつを俺は知っている、しかしそれを一秒足らずで行えるとなれば話は別だ。剣士や騎士が今もこうして存在できているのは魔法使いは一人では戦えない、もしくは戦おうとしても詠唱と戦闘のどちらかに支障をきたすからだ。しかしロロはその魔法使い最大の枷を無視している・・・が。
「こんなもん見せられたら信じるしかないだろ・・」
だが、仮に工程無し魔法が使えるとしてもどうやってアウロラの花を取り込んだんだ・・。魔法で浮遊させてか?でもそうなると口に含んだ際に消えてしまう・・・。なら空気中に消えた花の成分か?だがそんな事例聞いたことも無ければおそらくすでにだれかがやっているはずだ。いくら考えても答えは出そうにない。
「ちょっと何考え事してるのよ!」
「なぁ、どうやって・・・」
「今度は私が質問する番で~す~!!」
「ど、どうぞ・・」
眼下まで顔を寄せられた俺はつい質問権を譲渡してしまう。
「ストレートに聞くわ。貴方何者?」
「・・・・ん?なんて?」
「だから貴方何者?」
そうぁ、俺の巣所が知りたいのかぁ・・・・いきなりトップシークレット聞いてきたぁぁぁ!!!!
どうする!?言うか?しかしこれを言ってしまうと俺は即刻ある場所に帰らなくてはならなくなる。さすがにそれは困る!非常に困る!
「言えない・・」
「どうして?」
「そのうち話す・・かもしれない」
「ふ~ん、私には散々喋らしておいて私の質問は答えられないんだ?」
その言葉に俺の心に深々と何か深いものが突き刺さった。
「まぁいいわ。ならさっき市場で貴方に魔法をかけたんだけどなんで眠らなかったの?」
とんとん拍子に質問を投げかける俺に考える時間を与えない。
「か、かけ忘れてたとか・・?」
「そん訳ないでしょ!!!!私の魔法は工程を踏まないから確実なの!!しかもその辺にいるような魔法使いみたいな生易しい催眠魔法じゃなかったはずよ!?」
これは言い逃れができない・・。確かに俺はあの時魔法を食らった。しかしその本人はこうして眠りもしなければあくびの一つもしない。かけた本人が魔法の効力がどれほどか知っている時点で事の重大さは明白だ。
「加護だよ・・」
「加護?あの信仰とか祈りとかで自身に色々能力が身に着くって信じ込んじゃうあのご加護?」
「言い方が悪い気がするけどそのご加護だ。」
「誰の加護受けてるの?名のある神?でも私の魔法を弾くぐらいなんだから上位の神か天使よね」
「いや、そのそれも言えない・・・」
「なら逆にあなたは何なら私に言えるのよぉぉ!!!」
まだまだ未熟ですが皆様方の批判やダメ出しで成長出来たらいいなと思う次第です!
見ていただきありがとうございます!




