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王女の側近騎士は実は〇〇〇だった!?  作者: 十道 鉚
 旅立ちの王女
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二話10 連戦

指摘、投稿などで些細な事でも何かありましたら言ってもらえると嬉しいです!

誤字脱字等出来るだけ言ってくれると大変助かります!

ネロ?どうかしたの?」


突然、微量の魔力を向けられているのを感じた俺はその方角に目をやるが、特に変わった様子は無かった。


「いや、何でもないはず。」


連日の騒動で少し過敏になっているのだろううか俺は様子を見に行く気だったがロロを見てロボと呼ばれた狼男と話を再開させる。


「じゃあまずは取引の前にお前らが俺達を襲った理由を・・・。」


「おい、そこで何をやっている!」


しかし、俺の質問はすぐさま第三者の声で遮られてしまう。


「今の・・町の憲兵か。」


町の宿を半壊させて、さらには町中を走り回ったのだ。憲兵が動くのも当然と言えば当然だが・・。


「最近さ、俺の会話遮られ過ぎじゃね!?」


「そそそそそんな落ち着いて自分に突っ込まないで事よ!どどどどどどうするのよ!!!!!!」


「いや、お前はまず落ち着こう?やめろ!走り回るのやめろ!!!」


顔を青く染め隠れる所を探し走り回るロロだが背後は地割れや岩石で移動するだけでも大変な状況だった。


「あわわわわわ!!捕まるの!?嫌よ!!!まだネロと話せてないのに・・・あ、でも牢屋で話せ・・・ないわよ!!!!!」


「だから落ち着けって。」


狂ったように慌てふためく彼女を見て俺はなだめるのに必死だが、ロボだけは異変に気付く。


「待て・・・憲兵の声が消えた。」


狼男の一言で俺も異変に気が付いた。それに気づくと同時に不意に風が吹く。


「なんだこの匂い・・・。」


風に乗せられて来たのは強烈な獣臭だった。そして獣臭さに混ざる独特の腐臭は・・・。


だが、その匂いの正体がわかった時にはそんながどうでもよくなっていた。俺と狼男の二人、月を背にした地面に映る影は今や別の影に塗りつぶされていた。


影だけでも人間の大きさなんで比ではない化け物が背後に回っているのは明らかだった。


俺は瞬時に背後の正体を知る為に振り向く。そこにはとてつもなく大きな狼?のような化物がこちらを見つめる。しかしソレの姿は狼とは大きく異なっていた。


全身こそ狼の骨格に酷似していたが人間の身長ほどで丸太のように太い足、毛並みは背骨付近にしか生えておらず。顔はこちらを覗き込む六つにもなる真紅の眼光。


異常に発達した口からは鋭い牙が不規則に並び牙は異様に長く、何本も口に収まりきらず外に露出していた。その口からは蛇のように二又に分かれた舌がダランと垂れ下がっている。


そのもはや狼と呼べるのかも怪しい異形を見て俺は。クソが・・・。そう声に出そうとした瞬間、こちらを見てピクリとも動かなかったソレは俺の口の動きに反応して側面から異形と化した太く長い尻尾が襲い掛かる。


「・・・・・!!!!!」


突如として迫りくる尻尾を迎撃すべく俺は息を止め、左手でロロを抱き寄せる、片手で剣を抜き尻尾を一刀両断するまでの工程を最速で行うが、その工程を行う際にロボに突きさされた個所からは再び血が溢れ出していたが尻尾からは綺麗な断面図を覗かせる。


しかし斬るのが遅れたせいか余りにも太い尻尾は三人を吹き飛ばすには十分な質量だった。


咄嗟にロロを抱き抱えながら吹き飛ばされた俺はロロが黒い瘴気に護られ外傷はない事を確認すると慎重に受け身を取るが元々弱っていたロボは受け身も取れず木に激突し意識を無くし、ロロは今の攻撃で意識を失っていた。


どうにか受け身を取るが既にソレは人が丸ごと入るほどに首筋まで広がった口を開け襲い掛かる。


飛び掛かるソレの一撃を躱そうとするが、ロボにやられた傷が今頃効いてきたのか回避に遅れる。それでもどうにか剣を口の中に縦に押し込む事で噛まれることを防いだが。


「ぐ・・・ぁ・・・!」


俺は鈍い声と共にロロを持つ力が緩みロロを地面に下ろしてしまう。俺は痛みの原因であるロボに刺された箇所を見ると横腹から大量の血と人間の手ほどの爪が突き刺さっていた。


とてつもなく巨大な口に隠れて繰り出されたその一撃は大量の血を失い注意力が欠損していた俺にその攻撃を見破る事はほぼ不可能だった。


どうにか押し返そうと力を込めるが逆に血と共に力が抜けていく。


やべぇ・・力が入んねぇし目が霞む。俺は徐々に力が抜けソレに押し込まれ後退していく。これより押し込まれたらロロが・・・。俺は横で倒れるロロの姿を見る。このまま押し込まれれば二人とも食われるか最悪潰される・・・。


ふざけんな・・・。こちとら連戦続きで怪我人だぞ・・・ゆっくり休ませろ。それにロロに言われた通り、まだ喋らなきゃいけない事が山ほどあんだよ・・・だから。


「いい加減・・・どけよ・・・。お前の口からさっき食った人間の臭いがして臭いんだよクソワンコロがぁ!!俺の女に汚ねぇ息吐くんじゃねぇ!!!!!」


俺は最後の力を振り絞る様に雄たけびを上げる。


『・・・!?』


その時、殺意に染めていたソレの目が困惑の色に染まり始める。化け物のいる場所が少しずつだが後ろに押し戻されているからだ。


ソレは一度も力を緩めていない。そればかりか最後の押し込みで更に力を入れているはずだ。だが、目の前で今にも死にそうな人間はその五倍は差がある自身を押し返しているのだから困惑せずにはいられない。


何百単位で人食らったであろうその化け物は初めて人間と言う生き物に恐怖心を抱く。


「連戦がどうした・・・怪我がどうした・・・!!!そんな理由でやられたらあの世でロロに合わせる顔がねぇだろうが!!!」


一歩ずつ前に。一歩一歩確実にソレを押し返す。前の独りの俺なら押し込まれていたはずだ。だが今は違う。例え踏ん張る力が無かろうと、踏ん張る足さえ無かろうと、護る物がある人間に限界なんて無いんだよ!!!!!


血を垂れ流しながらでも、動かないはずの足を動かしながらでも俺はロロは魔王の前にロロの騎士だ。一人も護れねぇのに大勢を護れる訳がねぇ!!


自身を何度も鼓舞しながらロロが自分から一定の距離が空いたのを確認すると更に力を入れる。


「我が黒き瘴気よ立ち込めろ!!!!!」


俺の言葉に呼応するかのように黒い瘴気がソレを包み込む。俺が持っている数少ない魔法。その一つ。単純な詠唱故に調整は出来ないが威力は絶大。


「黒き我が焔で我が障害よ・・・『爆ぜろ!!!!!!!』」


短い詠唱と共に化物を包み込んだ黒い瘴気は流れが徐々に速くなると突如、大爆発を引き起こすと、黒き炎は巨体を飲み込みながら辺り一帯を黒煙で包み込んだ。

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