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2.5日目

アウトだったら教えてください、よろしくお願いします!

     ↓

アウトだったので直しました。ゴメンナサイ。


あ、あ! でも、まだエロかったら言ってください、お願いします!




 ちゅっ、ちゅっ、とついばむようなキスを数回したあと、不意にしっとりと唇を合わせて、そっと舌が唇をこじ開けて入ってきた。


 わたしの両手を包んでいた堅い手のひらが離れ、背中に回される。


 あわわわわっ!

 動揺する自分と、雰囲気に流される自分。


 ちゅっ……と吸い上げるようにされながら、唇が離れてゆく。

 閉じていた目を開けば、唾液で濡れた唇をペロリと舌が舐めるのが目に入る。

 そろりと目線を上げれば、三白眼の目が薄っすらと細く弓なりになり……あ、なんだか、嬉しそう。

 ジルドの幸せそうな気配に、こっちもなんだがホッとして、緊張していた肩から力が抜ける。

「あー、駄目だな」

 そうつぶやきながら、ジルドが上半身を倒してギュッっと抱きしめてきた。

「な、何が、ダメ?」

 抱きしめられてドキドキしながら聞き返せば、首筋に顔を伏せていた顔を横にしてペロリと首を舐められた。

「ひゃぁっ! こ、こらっ! ダメだってばっ!」

「……だろ? 駄目だよなぁ。 自覚しちまったら、止まらねぇ」

 じじじじ自覚って何ですかー!?

「オマエに惚れてる事を自覚しちまったらよぉ、オマエに触りたくてしょうがねぇの。 ……なぁ、嫌ならちゃんと拒絶しろよ」

 言いながら、耳の端にキスをし、頬にキスをし、おでこにキスをする。

「俺ぁ誰かに惚れた事とか無ぇからよ、加減ってヤツを知らねぇ。 オマエだけなんだ、こんなに触りたくなんのは。 ああ、あと、オマエの事、でろっでろに甘やかしてぇなぁ」

 大きな両手が頬を包み、上を向かされて唇がふさがれる。


 うわぁぁあ……動悸が激しいんですけど、顔も熱いんですけどっ。


「――は…ふ……っ」

 長いキスから口が開放されて、ため息が零れる。

「ほら……駄目だろうが、そんな可愛い声なんか出しやがって」

 角度を変えて唇が覆いかぶさってくる。

 深く舌が忍び込み、上顎を撫で舌に絡む度に背中がゾクゾクする。

「はっ……ん………ふぅっ…んっ……んん……ジ…ドさ…」

 キスの合間に零れる声が、我が声ながら…なんか、エロくてっ。

 抱きしめてくるジルドの服にしがみ付くと、ジルドは更に強く抱きしめるけど、お互いイスに座ったままだからくっつくことができないのが、寂しい。

「あー、してぇ、今すぐしてぇ、無茶苦茶ヤりてぇ。 オマエの全部にキスして、舐めて、入れて、揺すってアンアン言わせてぇ。 オマエの気持ちよさそうな声聞きてぇ、あー、してぇ、ガキみてぇにガツガツ朝までやりてぇ」

 唇を放したジルドがそう言いながらぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。

 そして、急にじっとしたかと思うと、おもむろにわたしを抱き上げた。

「う、わぁっ!」

 びっくりしてしがみ付いたけど、ジルドは思ったよりもがっしりしているのか、わたしを抱き上げてもびくともしないようだ。

「寝床は上か?」

 聞かれて反射的に頷けば、ジルドは居間の横にある急で狭い階段を、わたしを抱えたままスタスタ上がっていく、なんてバランス感覚なんだろう。

 階段を上がった天井裏のようなそこが寝室で、ベッドとクローゼットがあり、小さな窓辺にはお土産で貰ったりした小物を置いてある。

 その朝起き抜けのままのベッドに下ろされ、腰の上にまたがられた。

 そして、わたしの上にまたがったまま、豪快に服を脱いでゆくジルドを、どうしていいかわからずに下から見上げるわたし。

 細いけどみっちりと筋肉のついたジルドの上半身が晒され、ついでわたしのワンピースが脱がされて、下に来ていた丈の長い薄地のキャミソールのみにされる。


「あの…ドキドキして、息苦しいんですが…」

「あー、顔も真っ赤だしな。 さてと、これ以上脱がすと自制できそうに無ぇから、我慢すっか」

 あああああの…既にわたしの上半身も裸みたいなもので、両腕で胸は隠していますけど…いえ、いいんですけど。

「非常に不本意だが、先に済ませなきゃならねぇことがある」

 えぇと、貴方が馬乗りになっているこの体制で、ですか?

「これは俺がやりたいからやってるだけだ。 いい景色だからな、特にこの小ぶりの山が、な?」

 胸を隠していた両腕が手首を掴んで剥がされ、そのままベッドに押さえつけられる。

 当然、隠していた胸の膨らみはジルドの目に晒されるわけです。

 細められた視線と、僅かに緩む口元。

「あぁ、駄目だなぁ、ヤりたくなる。 オマエ胸も俺好みだわ」

 そう言いながら、そろりと布越しに胸の膨らみに触れられピクリと体が反応する。

 わたしを見下ろしながら、舌なめずりするジルド。

「食いてぇ…この柔らかいの、舐めて噛んで吸いてぇ。 なぁ、手だけじゃ、足りねぇだろ?」

 そう言いながら、舌をチロチロ出してみせるジルドに、ゾクゾクする。

「俺が、欲しいだろ?」

 少し上気した顔をしたジルドに問われて、喘ぐように頷く。

 欲しい……

 体の奥がじくじくと熱くて、頭も上手く回らない。

「俺もだ、俺もオマエが欲しい。 一生、オマエがいい。 なぁ、オマエの全部を俺にくれ、俺の全てオマエにやるからよ。 俺の嫁になってくれないか」


 馬乗りの状態で、見下ろされてのプロポーズ!


 いつの間にか、また両手を顔の横でそれぞれ押さえつけられて……初めて見るジルドの真剣な表情に、少しだけ圧倒された。

 真剣に求められていると思う。

 それなら、わたしも真剣にその思いに応えなきゃ女がすたるってもので。


「わたしもジルドさんが欲しい、だけど、ちゃんと言ってない事があります」

 手を放してもらって、起き上がる。

 ジルドが少しでも離れたくないというようにズリズリと近づき、立てた両足の間にわたしを挟み、長い両腕でわたしを囲った。

「あの、ですね……ちょ、近すぎます」

 間近で見つめられて、恥ずかしくて顔を反らすと唇の端にキスを落とされる。

 息がかかる距離でまじめな話はしにくいものですね。

「気にすんな、これ以上離れたく無ぇだけだ。 それで、オマエの言うところの問題ってのは、名前のことか?」

 名前…そういえば、名前もちゃんと名乗ってなかった。

 ご老人達が”あーちゃん”って呼んでくれるから、ほかの人達もそうしてくれてるけど。

「ええと、それも、あります。 あの、わたしの名前は…麻月あさつき かなえ、アサツキが家の名前でカナエが自分の名前です」

「アサツキ・カナエ……カナエ」

 何度か確かめるように口にして、とても大事そうにもう一度わたしの名を呼んで、満足そうに口の端を上げた。

「それでね、わたしの生まれた国は……」

「あぁ、ニホンなんだろう?」

 !?

 先に言われてポカンとなったわたしに、ジルドはいつもの飄々とした顔で続ける。

「姓・名で綴られる名はニホンから来た者だけだ。 ああ、カナエも薄々気づいているとは思うが、勇者一行にもニホンから来た者が居るしな」

 ジルドが言うには、ほかにもニホンから来た人は居るということで…。

 ニホンという世界から人間が来るのは、ある程度認められている自然現象だそうだ。

 全国民に認知されているわけじゃないけれど、国はちゃんと秘密裏に保護してくれているらしい。

 何故秘密に保護なのかといえば。

「気づいてねぇのか? ニホンから来た者の中には特殊な能力を持つ者が居る。 カナエだってあるじゃねぇか」

 特殊能力……といいますと…。

「薬とか、洗剤とか、なんとなく作れたりすること…?」

 湿布を作るのに、なんとなーくスライム使うと良いかな? と思って使ってみたり、あの木の樹液、洗剤にしたら良いかも、と思って使ったら、本当に使えたり。

 なんとなく思いつきでやれば、なんとかできちゃう能力?

「まぁそんな感じなんだろうな。 剣の能力とか魔法の能力なら割合わかりやすいが、そんなのは稀だからなぁ」

「それで、わたしも国に保護…されるの?」

 折角自分のお店まで持てて、知り合いも多くなってきて、平和に生きていけそうなのに?

「いや、こんだけ自立してりゃ保護なんて無粋なこたぁしねぇよ。 ただ、身の危険が無いわけじゃ無ぇから、安全のために個体認証なんちゃらっていう魔法が刻まれたりするが……」

 か、体に刻むんですか!? タトゥみたいに?

「あー、本来はそうなんだが。 カナエが俺と結婚すりゃ、そっちで繋がるから問題無ぇ」

 つながる?

「あぁ、契約の神が授ける印で繋がることになる。 どこに付ける? 俺の仕事上、目立つ所はカンベンしてもらいてぇが、カナエが望むならやぶさかじゃねぇぞ?」

 え? え? えぇとっ、結構目立つものなら、あんまり目立たないところの方がいいんじゃないかな。

「わかった。 じゃぁ、さっさとやっちまうか」

 え? え? やるって、犯る?

「違う。 結婚の誓いだ」

 これから教会にでも行くのかとびっくりすれば、どうやら当人さえいれば結婚できるらしい。

 なんというか、お手軽な世界だ。

「胸でいいか?」

 結婚のシルシを胸につけていいかと聞かれたので頷けば、ジルドに手を取られて指先にキスされた。

 

 熱っぽい視線に射抜かれる。


「契約の神よ、ジルド・アリテニアスはアサツキ・カナエを生涯愛し――」

 そこまで言うと素早い動作でシャツを脱がされ、ぎゅっと抱きしめられた。

 お互いの鼓動が、重なる。

「守りぬく事を誓う」

 ジルドが言い終えると、シュッと何かが空気を割いて飛ぶような音がして、それから合わせていた左胸がほんのりと温かくなった。

 体を離すと、暖かくなったその場所…左の胸の上の方にピンク色の矢の形をした痣が浮かび上がっていた。

 そろり、とその痣を指先で撫でてみたけど、痛みも何も無い。

 見ればジルドの胸にも、同じピンク色の痣が浮かび上がっている。

「夫婦の証だ」

 わたしの胸の痣にジルドの指が触れてそれをなぞるから、わたしもジルドの胸の痣に触れた。

 凄い、不思議……視線を上げれば、ジルドと目が合って、なんだかくすぐったくって笑ってしまう。


「愛してる………」


 そっとつぶやくように零された告白が唇に重なった。






H26.3.3 誤字訂正しました、一言メッセージで報告をくれた方に感謝!

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