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「なんだっけ?
こういう時は無駄な抵抗はやめろ?とか?」
ちょっと顔を傾けて笑う北斗さんは、ここがベットの上で私が抱きしめられている状況じゃなければ、世の乙女達を瞬殺してくれる最高のセリフをよくぞ言ってくれた!って思います。
でも、やっぱりダメなもんはダメなのです。
「だからっダメですって…」
「何が?」
「もー嫌だぁ。。」
このままではまずい。そう判断した私が無理矢理ベットから出ようとモゾモゾ動いたのがまずかった。
私が動く事によって、何やらお尻に熱くて固い何かがぶつかった気がした。
「…へ? これってまさか?」
ちょっと気のせいかなー?とお尻をさらに右側に持っていったのがまずかった。少し固いのにまたぶつかってしまい、その衝撃で北斗さんの身体が僅かにピクっと動いた。
「…………聖恵さん、わざとやってる?」
ちょっと待ったー!
またしても、またしてもやってしまったの?
なぜ、私の勘はこんな時にしか役に立たないのだろうか。。。
「もしや…これってあの、男性の急所にあたる…?」
「そ!男にとって心臓と同じくらい大事なやつだよー。これってもしかして焦らしプレイってやつなのかな?」
いやいやいやいや。
大いなる勘違いをされてらっしゃる。
ちょっと海外ノリで行くと両肩を挙げて知らないよって誤魔化したりできるよね?
……て、あっ!でもここ日本だった。。。
ということで現実に還ってきた私は
全身からよく分からない汗が吹き出るのを感じながらも、慌てて北斗さんに違いますと向き直ろうとしたのだが、その一瞬の隙を突いて私の唇に柔らかい何かがそっと触れた。
「………んむぅ?」
「ご馳走さまでした」
チュッとしたリップ音がしたと思ったら、北斗さんはゆっくりとベットから起きて行ってしまった。
「今日はあと2回キスして貰うから、よろしくね。」
あっという間の出来事だった為か、
ベットの上で呆然としたまま、未だに頭の思考回路は止まっているが、さらっと北斗さんに言われた言葉が頭の中を延々と回っていく。
「……キス?」
唇に触れれば、少し湿って熱を持っている気がした。
「キスーー!!!???」
聖恵のとってのファーストキスは、漫画で読んだことのある、いちご味でも、レモン味でもない少しミントの匂いがしたキスだった。




