普通選挙
掲載日:2026/10/11
絶海の孤島には、ノブレスとオブレスという長老がいた。
二人は全住民を思いやって、全てを決めていた。
人々は貧しいながらも、食糧を分け合って暮らしていた。
ある日、長老が死んだ。指導者がいなくなった。
人々は普通選挙を導入した。
絶海の孤島では、つねに食糧が不足していた。
どうしようもなかった。
三日分の食糧をイカダにのせて、アバを追い出す案を投票した。
アバ以外の全員が賛成し、アバは去った。
99人になった。それでも食糧は足らない。
イバを追い出す案を投票した。
イバ以外の全員が賛成し、イバは去った。
98人になった。それでも食糧は足らない。
ウバを追い出す案を投票した。
ウバ以外の全員が賛成し、ウバは去った。
――
とうとう、3人になった。
ンバを追い出す案を投票した。
ンバ以外の全員が賛成し、ンバは去った。
とうとう、二人になった。
二人は食べきれなくなった食糧を海に捨てた。




