表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

快晴、傘はいらないけれど「国語の先生」

時間は…あと5分か。


今日も、予定通りの授業。


教員になって、4年目。


仕事にも慣れてきて、授業も、手こずることは、あまりない。


予定通りに進む、安定的だ。


文字言葉にすれば、いずれは飽きそうな内容に聞こえるだろう。


飽き性な人なら、特に。


しかし俺は、この仕事には退屈していない。


退屈など、できるような仕事じゃない。


俺はそう思っている。


教員の仕事は、授業だけじゃない。


なんなら、授業は、仕事のほんの一部だったりする。


日々の生活で、ハプニングを起こす生徒がいたり、自分が引き起こすハプニングだってある。


本当に、「退屈」とは、程遠いだろう。


(黒板はこのくらいにして、あとは板書の時間を取ろう。)


みんな、ちゃんと書いてるな…ん?


あの子…ああ、木村か。木村雨音さん。


今日も、黒板には耳を向けて、窓の奥を見ている。


彼女はよく、よそ見をしていることが多い。そして…


(気づいたな)


焦っているのが、動作と、表情に出ている。


しかし、もう時間だ。


「はい、では次回はこの続きからでお願いします。」


(頑張れー!)


こんな生徒もいる。


寝ている生徒がいたり、綺麗な字でノートにまとめる生徒、聞いているようで、多分聞いていない生徒、色んな色を使ってノートを彩る生徒。


本当に沢山の子がいる。


授業の様子だけじゃない。


日々の様子からも、個性が出ている。


誰一人として、同じ子はいない。


これも、俺がこの仕事に退屈しない理由。


一番の理由だ。


(あっ)


鐘が鳴った。


「号令お願いします」


「起立」


あー、雨音さんの表情が。


霧がかっているように見える。今日はいい天気なのに。


「ありがとうございました。」


1人の生徒がやってきた。この子は、中村さんだな。


「中村さん、日直?黒板消すよね?」


「ああ、はい。」


「もうちょっとだけ待ってあげてーあと、5分ぐらい」


「わかりましたー」


「ありがとう」


次は…1組だな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ