雨がくれる晴れる朝「晴美」
(ちょっと待って!これ以上押したら…落ちるー!!)
(ん!…)
夢か…なんだか変な夢。
覚えているのは、崖っぷちにいて、そしたらだんだん人が増えてきて、収まりきらず、崖から落ちた。
今の時間は…7:30…7時半!?
急げ…今日は学校だ!
ガチャ
「おはよう!」
「晴美おはよう、ご飯出来てるから、早く食べな!」
「ありがとう!」
「いただきます!」
「あー美味しいなぁー」
お母さんの料理は、大好きだ。本当に料理が上手だと思う。私は苦手だけど。
「ありがとう。でもそんなこと言ってないで、早く食べちゃって!また雨音ちゃん待たせちゃうよ!」
急げ!ご飯と味噌汁を一度にかき込む。
「ごちそうさま!」
ここからは私の見せどころ。
まずは歯ブラシを咥えて、制服を着る。
そしたら、片手で歯を磨いて、空いた片手で髪をとかす。
そして横目に、ニュースが示す時間をチェック。
この間、歯ブラシをずっと咥えているのが、大事なポイント。
霧吹きで濡らして… (あーいい匂い)ブラシと櫛で整える。
そして、一つにまとめて完成。
歯磨きも終わった!時間は…7:50分。
いける!
今日こそは、雨音ちゃんが迎えに来てくれる前に外に出る!
雨音ちゃんはいつも、7:55分頃に来てくれる。
あとは…よし!お弁当も水筒もリュックに入れた!
ピンポーン
「晴美ちゃんいますか」
あっ!雨音ちゃんだ!
「雨音ちゃんおはよう!ごめんね!ちょっとまってね!」
まだ靴下が!今日はいい感じだったのに!片方ずつしかない!ごめんね!雨音ちゃん…
「晴美、雨音ちゃん来てくれたよ!」
あった!
急いで、階段を降りる。
ドタドタドタドタ
この階段を降りる速さなら、きっと世界一。
「おはよう!雨音ちゃん!ごめんね!」
「おはよう、晴美」
「ごめんね雨音ちゃん、気をつけていってらっしゃい。」
「いってきます」
「いってきます!」
今日もまた、大事な友達の雨音ちゃんを待たせてしまった…ああ、朝からなんだか疲れた。
まあ、いつもなんだけど。
「ふぁ〜」
今日はなんか、変な夢だったけど、どんなだったっけ?
「眠たいなー」
「そうだね」
朝から、忙しくしちゃったなー
「月曜日、また一週間頑張らなくちゃ」
そういえば、雨音ちゃんはいつも、月曜日だろうと、しっかりしてるなー。
あと、今日はなんか楽しそう。表情が、そう言っている。
「雨音ちゃんは月曜日、嫌いじゃない?」
「ちょっと嫌だけど、私はみんながよく言うほど嫌いじゃないよ」
「そうなんだー私も月曜日はあんま嫌いじゃないよ。今日みたいな晴れている日はなおさら、しかも雨音ちゃんと一緒だし!」
これは本音。
「私も、晴美と一緒は楽しい。」
「へへっ」
あんな所に水溜まりが!そういえば、あそこにはよく水溜まりができるな。
「あー!水溜まり!」
小さいし、飛び込んでも大丈夫なはず。
パシャン
ははは、やっぱり楽しい。
「私も」
雨音ちゃんも!?なんか珍しいかも、あ…でも小さい頃は、よく水溜まり見つけては、踏んでたっけ。
やっぱ雨が大好きなんだなー
ピシャン
あ…すごく笑ってる。可愛らしい。
私の大好きな笑顔。本当に、微笑ましい気持ちにな…
「いい顔ー!」
心で思ってる途中なのに、言葉に出た。
「雨音ちゃん、水溜まり大好きだよねー」
「うん、好き」
なんだか、いい朝だなー。
やっぱり、月曜日でも、雨音ちゃんがいるから楽しい。
私は自信を持ってそう言える。