過ぎる雨、おもい雨「晴美」
「晴美ー雨音ちゃん来ちゃうよー」
急げ!歯を磨いて…よし!あとは靴下履くだけ!今日はいい感じ…
ピンポーン
まずい!また待たせちゃう!
ちくしょー!また片方ない………あった!
急げー!
ドタドタドタ
あ、そういえば天気予報は雨だって…
「今日雨降るんだっけ?」
「降るから、一応もっていきなさい。」
「はーい、ありがとう」
ガチャ
「おはよう雨音ちゃん!お待たせ!いつもありがとう!」
「おはよう」
すごいなぁ、朝早くなのに、どこも乱れてない。寝癖一つないや。
「雨音ちゃんいつもありがとうね、気をつけてね」
「行ってきます」「行ってきます!」
曇ってるなーこれは降りそう。
「今日雨だってー、まぁ朝降らないならいいけど」
「そうだね、朝降ると、カバンが濡れて、教室で色々大変だし。」
なんだか、軽やかな口調。なんかあったのかな?…あ。
「あれ、雨音ちゃん、新しい傘?綺麗だね」
「そう、だから今日ちょっと差すのが楽しみだったんだ。」
傘だったか
「そうなんだ!帰り降ってるといいね」
「うん、ありがとう」
雨音ちゃんは本当に雨が好き。だって、雨が降っていないのに、傘をもっているだけで、こんなにも楽しそう
あんまり雨は好きじゃないけど、雨が降ると、雨音ちゃんがとても楽しそう。
そしてその時の顔が可愛い。
そういう意味では雨が好きかも。
学校についた。
「またねー」
「うん、また」
廊下がちょっとジメジメしてる。
「おはよー」
「晴美おはよー」
「今日傘持ってきた?」
「持ってきたよーお母さんが持たせてくれた」
「いいなー私忘れた」
「え!これ多分降るよ!?」
「だよねー、どうしよ」
―3時間後―
雲重たー。これ絶対降るじゃん。
「終わった…これ雷コースでしょ」
「真希ちゃんやばいね、傘入ってく?」
「えー?いいの?じゃあお言葉に甘えて…」
家の方向一緒だし、一緒に帰ろう。
「いただきまーす」
お昼だ。私の大好きな時間。
外は、大雨。雷も鳴ってる。
お母さん、ホントにナイス。ありがとう!
―2時間後―
あれ?雨止んだ。
「さようなら」
「さようならー」
「晴美、雨止んでるし傘いいや、ありがとう」
「ラッキーだね」
「やっぱ晴れ女だわ私、じゃあねー」
「うん、またねー」
雨音ちゃんは…まだ教室だ。先生もまだ来てないみたい。
長引きそうだ。先行ってよ。
外に出てきた。
あ、少しは降ってるのか。でも、ホントに弱い。差さなくても、問題ない。
みんな傘差してないな…
雨音ちゃん、落ち込んでるんじゃないかな。
あんなに楽しそうっていうか、ワクワクしているって言うか、今にも傘を差したくて、ソワソワしている様子だった。
あ、家来ちゃった。
……
周りには…誰もいないな。
へへへ、やっちゃお。
ボタボタボタ
これ見つけるとやりたくなるんだよなー。溜まった雨水が落ちてくる。
学校の人の前でやると、ちょっと恥ずかしいけど。
多分私の友達は何とも思わないけど、私を知らない人からしたら、子供っぽいって思われるかもしれない。
これ、雨音ちゃんも確か好きなはず。
そろそろ帰って来ないかな…
坂を降りて、見に行ってみる。
…………
「あっ、雨音ちゃんいた!」
「雨音ちゃんこっち来て!」
へへへ、喜ぶに違いない。
「雨音ちゃん、これ!」
「いい音!こういうのやりたくなるんだよね」
もしかして、もう、やらないかな…
「私もやりたい」
「いいよ!」
最高。
「楽しいよねー学校の友達の前とかでは、恥ずかしくてできないけど」
「私は楽しそうにしてる晴美、いいと思うけどな」
「私も楽しそうな雨音ちゃん、いい顔をするから好き!今、すごく楽しそう!」
咄嗟にこんな言葉がでた。
多分、楽しそうな雨音ちゃんが見れて嬉しかったから。
「ははっ」
いい笑顔だなー。案外、雨の日は悪くないかも。
その日は、濡れた傘を持ち帰ったら、お母さんに、「帰る時雨降ってた?」と聞かれた。
「降ってたよー結構強めの」




