六話 ポンポコ
川の状態が落ち着き、澄んできた頃。
ジェイミーが突然言い出す。
「ポンポコ」
「ん?どうしたのジェイミー?」とメイト。
「私の班の名前、ポンポコがいい」
「・・・ん?うん、別にどうでもいい」とメイト。
「「ええっ?」」と面々。
少しひどいぞメイト、とリガパトがぼやく。
何をしめすのか分からぬが滑稽な響きよの、と他人事のプボスマ。
なんで兵は嫌がっているのだろう、とパアラト。
もっと可愛い名前はないのかしら、とカドア。
みんなが無事ならそれでいい、とリールー。
リールーの言葉に感動する兵たちが、フレーズ、ポンポコを受け入れる。
ジェイミーが、羽根に当たる風の具合がおかしい、とぼやいた。
真剣な顔つきのメイトが、「トロル」とつぶやくと遠くを見る。
何か血なまぐさい、とケビンが続ける。
ジェイミーが言った。
「トロルが悪いやつなら、みんなで倒して来て。私は戦えない。でも治療はできる」
皆が真剣な顔になり、うなずく。
そこにジェイミーが、自分の班に片手を振り上げて反芻をうながした。
「ポンポコーっ」
おもに医療班で結成された『ポンポコ』たちが、うんうん、とうなずく。
「大丈夫だから」とジェイミー。
「処置を、しましょう?」
「そうだった、ポンポコよ、一緒にがんばろーっ」
「うんうん、ぽんぽこ、ぽんぽこ」と医療班の偉い人が返す。
「もしかして大声を出せないのは、具合が悪いのか?」とジェイミー。
「うんうん。早く仕事をして、帰りたい」と医療班の偉い人が言う。
医療班『ポンポコ』は、気分が優れない中、うなずきあった。
「そうか、お前たちも癒そうっ」とジェイミー。
回復魔法が成功し、多少ジェイミーの命の影響を受けて超絶系のアホになる時間。
「ポンポコーっ」とジェイミーが片手を振り上げると、大声で反芻が返って来た。
それを見ていた王子と姫、面々が顔を見合わせ、うなずき合う。
「「見習わなねば」」
それを見ていた兵たちが、いっせいにかぶりを振り出した。