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42:最悪の魔道具

昨日初めてレビュー頂きました(*^^*)


これからもお楽しみ頂けると幸いです(^^)


「最悪の魔道具…?」


「あの兜にはぐちゃぐちゃだったけど“(ライン)”があったし魔石があった…だけど魔石に術式は刻まれてなかったんだよねー」


「…どういう事だ?」


フィリアは宙に図を描いていく、それは点を中心にして糸がこんがらがったかの様な線で囲み繋いだ図式だった。


「これ、一見するとぐちゃぐちゃで滅茶苦茶なんだけど“線”自体が術式として成り立ってるの、これに人間の“線”と繋がる事で発動するようにしてあるみたい…ちなみにこれは現段階で解析できた部分で実際はこれの数十倍複雑なんだよねー」


「な…」


フィリアが描いた図式は見るだけで頭が痛くなる様な複雑な代物だ、これと比べれば俺が書ける術式など子供のお絵描きと言って良いだろう。


「分かる部分だけでも解析したのとフルドの状態からの推測になるけど…これは装備した人を魔石の元となった魔物の肉体に造り変える術式なんじゃないかなー?」


「魔物の肉体…使われた魔石はグレンデルか?」


「正解、流石は白銀級冒険者だねー」


思わず宙に浮かんだ図式を見やる、アリアもこれがどれだけ危険な代物か理解したのだろう。


鍛えられた騎士達を軽く蹴散らすだけの存在が装備ひとつで生み出せる、一人の犠牲でそれだけの成果が得られるなら求める者はどれだけいるだろうか…。


「押収した魔道具や使われてる技術の高さから鑑みてもこのレベルの代物はそうそう造り出せんだろうが…私が想定していたよりも奴等は危険な存在だ」


ヴィクトリアはそう呟くとアリアに視線を向けながら続けた。


「そして奴等の手は間違いなくラウナス教国にも伸びている」


「…!?」


アリアがその言葉を聞いて思わず立ち上がる、ヴィクトリアはアリアと俺を見ながら説明した。


「目的は分からんが奴等の狙いはレアドロップだ、そしてこの国のジャスティレオンを手に入れられなかった以上、次に狙うなら教国の聖杖と聖剣だろう」


「そんな…!?」


「…そこでだアリア、そしてベルク…お前達に頼みがある」


ヴィクトリアはそう言って凛とした眼で俺達を見た。


「お前達にはラウナス教国のいるセレナの保護を任せたい」


「え!?」


「今回の件から鑑みてもラウナス教国との不和よりも奴等にレアドロップが渡るのを避けねばならん、なによりあの国の上層部は奴等と繋がっている可能性の方が高い…しかしこちらは称号騎士を含めてそれを任せられる者を動かす訳にはいかん」


確かにそうだろう、今回の襲撃はなんとかなったがそれでも揺らいだ帝国を建て直すには人手はどれだけあっても足らないだろう。


「ベルクよ、私からも改めて頼ませて欲しい…私達に代わりアリアに力を貸してやって欲しい」


「私からもお願いー、アリアちゃんを助けてあげてー」


「姉さん…」


ヴィクトリアとフィリアはそう言って頭を下げる、それは帝国の皇帝や魔術師ではなくアリアの姉としての姿だった。


「…分かりました、やれる事はやります」


俺がそう答えるとフィリアはホッと胸を撫で下ろしヴィクトリアは神妙な顔で俺を見据えた。


「感謝する、そしてこちらの頼みを受けてくれた礼という訳ではないがベルクには与えておくものがある」


そう前置きをしてヴィクトリアは驚くべき事を口にした…。


「ベルク、お前にミルドレア帝国皇帝の名の下に称号を与えよう」

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