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19:衝動


 俺の背後からフレアが爪を振り下ろそうと迫る。左手から放たれた五本の光線がフレアの爪を貫いた。


「くっ!?」


 爪が半ばから折られたフレアは俺を蹴って距離を取る。俺はゆっくりと立ち上がりながら歓喜に身体を震わせた。


「くくく、くははははは」


 ハイエンドの力が呼応する様に昂る。裂かれた傷が塞がり鎧が復元すると自然と震える喉から呟きが漏れた。


「この痛み……血に熱が宿る感覚、鼓動に意味をもたらす瞬間! あぁ! 俺は、俺は今……」


 生きている!


「っ!?」


 フレアが爆発音と共に走り回る。死角から振るわれる一撃を振り向き様に剣で受け止めた。


 フレアが動き回る度に爆発音が轟く。連続で鳴り響く爆発音と共に爪と掌打が繰り出されるが全てを捌いていく。振るわれた爪を剣で受け止めるとフレアが歯を食い縛りながら問い掛けてきた。


「なんで、あたしの攻撃が!?」


「お前は確かに速い……だが、その移動の特性上は()()でしか出来ない」


 フレアの高速移動は虎の跳躍力に爆風を加える事で真横に跳べるほどの機動力を得たものだ。


 爪は攻撃手段だけでなく高速移動の急制動を掛ける為のものであり、片腕とはいえ失えば動きの幅は制限される。そして一連の攻防からフレアの動きは大体理解した。


 破壊の力を剣に宿しながら斬り掛かる。フレアは後ろに跳んで避けるが俺は更に踏み込んで追撃の手を激化させる。


 ハイエンドの力が鎧を通して俺に伝わる。塗り替えられていく肉体は上限を取り払い、より強靭なものとなって感覚をより鋭敏なものへとなっていった。


「はあっ!」


「あぐっ!?」


 爪を弾いて繰り出した蹴りがフレアの鳩尾に刺さる。まともに受けて床に何度も打ちつけられながら倒れたフレアに迫りながら剣を振り上げた。


「フレア!」


 壁役の男が大盾を構えながら割って入る。破壊の力を宿した剣で一閃して左手ごと大盾を斬り裂くと尾を鞭の様に振るってふき飛ばした。


「て……めえ!!」


 フレアが爪を地面に喰い込ませて構える。炎熱を凝縮していく様子から最大の技を繰り出そうとしているのが分かった。


「ぶっと……っ!?」


 フレアが動こうとした瞬間、燃装が解かれる。灰塵と炎は瞬く間に燃え盛る虎の姿を取ると俺に向かって真っ直ぐ跳び掛かってきた。


「ティガレイジ!?」


 ティガレイジが炎の爪と牙を俺に突き立てようと迫る。俺も真っ向から剣を振るって応えた。


 破壊の力で輝く刃が爪を砕く。刃が止まる事なく身体を斬り裂くとティガレイジは突風に吹かれたかの様に消え去った。


「あ、ああ…….」


 フレアが倒れながらも手を伸ばす。それを見ていた俺に向けて幾つかの魔術が迫ってきた。


 後ろに跳びながら迫る魔術を斬り落とす。魔術が放たれた方を向くと見知った顔があった。


「……間に合わなかったか」


 エルフォードが苦い顔をしながら呟いた……。

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