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127:戦いの終結


 目覚めて重たさを感じる体を起こすと看病をしていたらしいセレナが気付いて傍に座った。


「どれくらい寝ていた?」


「三日寝たきりでした。全身がボロボロで私でも治すのに時間が掛かるくらいには」


「……まぁ今回は今までで一番無茶したからな」


「簡単に流して良い事ではありません! 私とトゥルーティアーでも死んだ人を生き返らせる事は出来ないんです! ベルクが幾ら頑丈だからといっても今回は本当に危なかったんですよ!?」


「すまん、だけどセレナなら死ぬ前になんとかしてくれると思ってな」


「……もう」


 言葉を詰まらせたセレナはため息を吐くと俺を寝かせてアリア達を呼んでくると部屋を出た。


 手を握って開いたりしながら体の様子を確認する。セレナが時間が掛かると言うだけあって節々が痛んだり怠さがまだ体から抜けない感覚があるが動く分には問題なさそうだ。


 少ししてアリア達が部屋にやってくる。ひとまず部屋で事後処理の報告と話し合いをする事になった。


「と言ってもまずは復興作業や戦後処理でまだ大忙しだけどね」


 話によるとオズマの城下町の被害はそこまでではなかった。元々山を城にしていた事もあって町とは少し離れていたがそのお陰で住民達の被害は想定よりも少なかった。


 だが黄泉の軍勢が近くにいた事や町の出入りを禁じられた矢先に戦いが始まった影響もあって被害がないとは言えず今はフドウ達が町の治安維持と警護をしているそうだ。


「オズマの当主の血筋はもういないのか?」


「ヨウザンはまだ子を授かっていなかったそうです。分家もいたらしいですがあの戦いで……」


「そうか……だがこれだけの事になると生きていても処刑になってただろうしな」


 城は戦いの余波でほとんど崩壊していた。あの堅牢な城郭も今は瓦礫の山と化していて巻き込まれていたら無事ではないだろう。


「そうだ、黄泉の門と黄泉呪法はどうなった?」


「黄泉の門は地中深くに封印した。少なくとも今の技術では掘り起こせないくらいの深さまで落としたから大丈夫だろう」


「黄泉呪法の資料とかは瓦礫を漁って探してるところです……ただ復興や他の作業もあるのでそちらにあまり人手は割けなくて」


「後は論功行賞や今回の戦で掛かった費用とかどうするんだとかで各国が話し合ってるわね」


「……戦の次はそれか」


 分かってはいた事だが戦の後は政治的な話はどうしても出てくる。戦は金が掛かるしその費用が減るなら誰だって他所に押しつけたいだろう。


「ひとまず少し休んだら俺もやる。野暮用を済ませたらな」


「野暮用?」


「黄泉呪法の資料だが……多分見つけられる」

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