表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
321/367

114:合流


 甲高い音が響く。黄泉が翳した右手から不可視の力が生じて刀を止めており、黄泉は俺を見ると再び呟いた。


「“轢死(れきし)せ……”」


(今だ!)


 足裏で雷を爆ぜさせながら飛び上がる。真下を不可視の力が過ぎ去るのを感じながら七枝刀を振り下ろした。


 七枝刀は再び不可視の力で防がれる。だが刀身から放たれた雷が爆ぜると不可視の力を貫いて雷が黄泉に降り注いだ。


「“墜落死せよ”」


 追撃を重ねようとした瞬間に身体が凄まじい力で引っ張られる様に落ちる。咄嗟に腕を地面に向けて闇の渦を放った反動で減速するが相殺とはならず土煙を上げて衝突した。


「ぐっ……」


 クレーターの中心で立ち上がりながら黄泉を見上げる。体が軋む感覚に身を震わせながら黄泉の攻撃を推察していた。


(おそらく言霊か)


 言霊はヒヅチの術式体系の元祖とでも言うべきものだ。名前や現象を口にするだけでその通りの事象を起こし、死すら容易く操る強力な術だが今では伝承にのみ存在する技術となっていた。


(これで……まだ完全ではないか)


 言っていた事からして黄泉はまだ完全に力を取り戻していない。それでいながら俺の刀をなんなく受け止め、言霊も恐ろしい威力を有していた。


「その剣、我と同じく黄泉の力を宿しておるのか」


 八雷神によって裂傷と焼け焦げた痕がある黄泉の全身が時が戻るかの様に塞がり治っていく。元の姿に戻った黄泉が俺を見下ろしながら呟いた。


「“凍死せよ”」


 その瞬間、俺を中心に周囲一帯が凍りつく。襲い掛かる凍気を雷火で溶かしながら飛び上がろうとした瞬間、骸達が折り重なって出来た大蛇が高速で迫って噛みついた。


 大蛇は俺を加えたまま体をくねらせて宙を飛ぶ。ハイエンドを上顎に突き込んで破壊の光を直接流し込んだ。


 大蛇の頭が四散して顎から解放されると七枝刀を振るって胴体を焼き尽くす。炭化して消えていく大蛇を突き破って魔物達が再び迫ってきた。


 翼を翻して空を飛びながら数百の矢を撃ち放って迫る魔物達を牽制すると七枝刀に闇を纏わせて漆黒の渦を生成すると雷と同時に解き放った。


 魔物達が闇と雷の嵐に呑まれて消し飛ぶ。細切れとなった魔物達の灰塵から青白い手が現れて冷たい声が響いた。


「“轢死せよ”」


 不可視の力にふき飛ばされる。ふき飛ばされた先にいた魔物の群れに入ると更に冷たい声が響き渡る。


「“圧死せよ”」


 俺を中心に魔物が集まる。魔物が肉の壁となって俺を包むと凄まじい力で俺ごと押し潰され始めた。 


 動きが封じられて鎧が軋む。“軍勢”を解き放つしかないかと意識を集中させようとして……。


 焔が煌めいて俺を覆っていた魔物の一部が消し飛ぶ。消し飛んだ箇所から蔦が俺の体に巻きつくと一気に引っ張られて肉の檻から解放された。


「ごめん、遅れたわ」


 展開したアリア達が俺を支える様に傍に寄り添った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ