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108:最上階


 鍵が閉められた扉を斬り裂いて蹴り開ける。階段を上がっていくと少しだけ開けた部屋に出た。


 最上階と思われるその部屋の中央でムドウが待ち構えていた。だがその背後にある上の者が座るのであろう場所から邪悪と言うべき気配と魔力が凄まじい勢いで放たれていた。


「……忌まわしい」


 ムドウは俺を見て呟く。そして錫杖を突き鳴らすとムドウの周囲におぞましい気配を伴った魔力が放たれて背後の存在が動き出す。


「あと少し、あと少しで私の大願が成就するところだった。だが貴様のせいで全てが狂った! 忌々しい事この上ない!」


「……狂う、か。黄泉の門を開けて何をするつもりだ?」


 俺がそう聞くとムドウは忌まわしい過去を思い出したかの如く苦渋に満ちた顔をする。呻き声と共に顔を押さえると顔の半分が深い皺が入った老人の顔になっていた。


「忘れぬ、忘れるものか……黄泉路を守ってきた我等一族の平穏を壊し、罪なき一族を虐殺した欲深き者共が!」


 ムドウと老人の声が合わさって響き渡る。声に宿る怨嗟は黄泉の力と重なって呪詛と化していた。


「生きているから求める! 生きているから争う! ならば……全ての命を終わらせてヒヅチに永劫の安寧をもたらす! 貴様達の祖先が求めた黄泉の力を以て!!」


 ムドウが叫びと共に左手を向ける。掌に現れた髑髏を象る鬼火が矢の如く放たれた。


 放たれた鬼火を槌矛(メイス)に変えたハイエンドで叩き落とす。その直後に頭上を覆う様に影が差して見上げると巨大な腕が迫っていた。


 風を纏って横に跳ぶと幾つもの骸を融合させた腕が床に穴を開ける。カオスクルセイダーに闇を宿して骸の肘から斬り落とした。


 だが斬り落とした直後に骸が互いを喰らう様に掴んで一瞬で繋がってしまった。


「再生? ……いや」


 何が起きたか考えようとしたが別方向から迫る腕をしゃがんて避ける。腕を構成する骸が掴みかかろうとしてきたが大盾に変化させたハイエンドに破壊の光を宿して打ち払った。


 次々と迫る腕を後ろに下がりながら避ける。避けながら投げた灯り用の魔石を奥に投げると腕の持ち主の姿が照らされた。


「な……」


 それは数多の骸で作られた異形の神の像だった。三つの髑髏の眼窩には鬼火が揺らめいており、その背中には孔雀の羽根の様に数十もの腕が蛇の様に蠢いていた。


 魔神像の肋骨の中には一人の男が幾多もの骨に四肢を貫かれて磔にされていた。その姿にかつて魔物となったテレジアと姿が重なる。


「人を……命を原動力にして動く魔物か」


「そうだ……今まで野望の手助けをしてやったのだからその分は働いてもらうぞ。ヨウザン」


 オズマの党首を糧に動く魔神像が生けるものを呪う叫びを上げると背中の腕が襲ってきた。

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