表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
284/367

77:救出


 戻ってから丸一日経ち、軍を編成して東谷城近くの平原でオヅマ軍を待ち構える。こちらの兵力はフドウやヒルコ達が加わって九千近くとなったが平原に布陣しているのは四千ほどだった。


「見えた」


 傍に控えていたシュリンが琥珀の眼を輝かせながら呟く、どうやらオヅマの軍が来たようだ。


「先頭にいるのは?」


「……黄泉兵、それが木の板に人を縛りつけて持ってる」


「……ある程度で良い、人質はどれくらいいる?」


「先頭に大体四百くらい、それから後ろにはいない」


「……なら手筈通りにいくぞ」


 俺の言葉にシュリンは頷くとエイルシードを構える。俺もカオスクルセイダーを構えて二人同時に力ある言葉を口にした。


「軍装展開“黒纏う聖軍(カオスクルセイダー)”」


「緑装展開“豊穣の颶風(エイルシード)”」


 黒と緑の風が吹き荒れる。漆黒の鎧を纏うと“蝕”を発動して翼を広げると大太刀に闇を込めていく。


 シュリンも弓に魔力を込めていく。淡い緑の光に包まれた弓に小さな種がパキパキと音を立てて生え増えていく。


 オヅマ軍が互いに弓矢が届く範囲まで迫る、俺とシュリンは同時に飛翔して構えた。


 シュリンの構えた矢が放たれた瞬間、数百の種が風と共に通常よりも更に力を込めた“黒刃嵐舞(ストームブリンガー)”に吸収されて唸りを上げるとオヅマ軍に向けて振り下ろした。


「“樹鳳降剣(シムルグ)”」


 数百の種がひとつずつ人質を抱えた黄泉兵に撃ち込まれる。すると黄泉兵の力を吸収して花が急速に成長して黄泉兵は崩れ落ちていく。


 その後ろにいる黄泉兵達の足元に種が落ちる。それは急速に成長して黄泉兵達の背を優に超える樹木となって並び一時的に分断した。


「やるぞ、八雷神」


「カカカカ、心得た!」


 背負っていた七支刀を手にする。樹木の壁を壊そうとしたり迂回して進んでくる黄泉兵達に狙いを定めた。


 七支刀から八の雷が放たれる、地上に落ちた雷は地を抉り進もうとしていた黄泉兵をふき飛ばしていった。


 続け様に放たれる雷の雨が侵攻を防ぐ。すると平原の左右の森に隠れていたイルマとヒルコがが数百の兵と共に現れて木の板に縛りつけられていた人質を抱えてこちらに戻る。


「あはははははははははは!」


 人質を助けるイルマ達に同行していたセツラが錆不離で黄泉兵を蹴散らす。弓矢が放たれるが殿についたセレナが結界で守る事で無事に本陣に戻っていけそうだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ