190:純粋な戦い
円環の上でロウドと斬り合う、狭い円環の上で互いに進退を繰り広げながら剣を振るっていた。
踏み込んで柄尻で胸部を叩きつける、下がったロウドに剣を振るうがロウドは剣を受け流して空いた拳で殴られたたらを踏む。
即座に体勢を直して剣を振るう、幾度も剣を交わせながら鍔迫り合いとなるがロウドは剣を絡めて持ち上げると膝で俺の腹に蹴る。
「ぐっ!」
円環の上を転がる俺にロウドは剣を振り下ろす、狭い円環の中で幾度も振り下ろされる剣を身を捩って避けるが薙ぎ払う様に振るわれた剣を避ける為に円環の上から身を投げ出す。
鉤の付いた鎖を出して円環の縁に引っ掛ける、円環の裏側に回り込んで槍で円環を貫いてロウドを狙う。
迫る穂先をロウドは避けられるが鎖を駆使して円環の上へと戻ると剣を手にして再び迫った。
「くくっ…!」
ロウドは笑みを漏らしながら振るわれた剣を受ける、光を宿した剣で弾くと上段から剣を振り下ろした。
闇を纏った剣でロウドの剣を受ける、弾かれる様に離れると剣を振るって闇の斬撃を放つとロウドも光の斬撃を放って相殺させた。
光と闇がぶつかって衝撃波を走り抜けて巨大剣を手にして振るった、だがロウドも剣を巨大剣に変えて凄まじい衝撃と轟音が広がった。
ぶつかり合った巨大剣の衝撃に円環の立っている箇所が崩壊する、ロウドは剣に戻しながら跳躍して迫る。
盾で剣を受けながら下がる、だがロウドは続け様に剣を縦横無尽に振るう。
「はははははは!」
振るわれ続ける剣の衝撃に腕が痺れてくる、だが勢い良く振り下ろされた剣に盾を下げて受け流すとロウドに頭突きを繰り出した。
ロウドに飛び掛かる様にタックルでロウドを倒して拳を振り下ろす、だがロウドは数度殴られると振り下ろした拳を流して掌をこちらに向けると光を放ち始めた。
放たれた光線を寸でのところで仰け反って避けた瞬間にロウドは俺を突き飛ばして立ち上がった。
転がり落ちそうになったのところを縁で掴むがロウドは剣を縁を掴んだ手に振り下ろす、手を放して空いた手で縁を掴むと“風跳”で跳び上がりながらロウドを蹴りつける。
円環の上で再び向き合う、剣を構えてロウドと向き合うと…。
塔の最上層が鳴動した、俺とロウドも塔をへと眼を向けるとそこには術式が浮かび上がっていく塔があった。