表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/367

181:使命


「創造者達が亡くなり俺達はこの塔を守っていた、元々この階層は魔物ではなく俺達鎧人(アーマロイド)が配備されていた…何も変わらないまま時が過ぎ去るだけだと思っていたが奴が来た事で終わりを迎えた!」


「…ロウドか」


「そうだ!あの剣士によって同胞達は破壊され、俺も機能停止寸前まで破壊された!

だが俺は破壊された同胞達の部品(パーツ)を集め自らにあてがう事で身体を造り直したのだ!」


ブラストペインはそう言って自らの腕を掲げる、数多の部品が組み合わさって造られた腕はどこか歪な印象を感じさせた。


「俺も本来はこんな思考回路は有していなかった、同胞達を取り込む事で備えていた回路も変化が起き俺は人間の如き思考を得たのだ」


…造られたと言う割にはどこか人間臭いとは思っていたがそれはどうやら偶然の産物らしい。


「俺は身体を修復してすぐにこの階層に施されていたプロテクトを解除した、この階層だけに存在する鎧人が活動する為の区画としてダンジョン化を防ぐプロテクトだ!

だが同胞達は破壊され、俺もいつ止まるか分からぬ状態…使命の為にも俺はこの階層をダンジョンに変えてこれ以上侵入者が来るのを防ごうとした!」


「…だがロウドは再び姿を現した」


「そうだ!俺は再び防ぐ為にも組み直した身体で挑んだが敵わなかった!」


ブラストペインの話とこれまでの話を整理する、エルフォードはフィフスがこの塔を使って何かを召喚しようとしており、この塔はかつてイル・イーターを封印する為に使われた…なら奴等がこれからやろうとしている事は。


「ブラストペイン、落ち着いて聞いてくれ…ロウド達はイル・イーターを復活させるつもりだ」


「なんだと!?」


「この塔には召喚魔術が刻まれている、この塔が封印に使われたって言うなら封印を解く為にも使う事は出来るんじゃないか?」


「…この塔にそんな機能はない、だがイル・イーターを封印する為に概念存在として捕縛したデータがこの塔には刻まれている。

創造者達の技術があれば貴様の言う事も不可能ではない」


「俺達はそれを止めに来た、アンタの力を貸してくれないか?」


俺の言葉を聞いてブラストペインは腰を上げると装置のひとつを起動させる、装置を操作しながら言葉を紡いだ。


「この塔はダンジョンとなったがまだこちらで制御できる部分がある、そのひとつが次の階層に行く為のエレベーターだ」


壁の一部が動いて開く、巨大な篭を思わせるそれの横の壁も小さく開くと数本の透明な瓶に入った液体が出てきた。


「それはエリクサーだ、持っていけ」


「「「エリクサー!?」」」


エリクサーは大規模ダンジョンの奥深くでしか見つからない希少なポーションだ、あらゆる傷を癒す力は安くても城を買えるほどの値段がつく。


「俺の身体はもう限界が近い、共に行っても足手まといになるだけだ…だからお前達が俺の使命を引き継げ!世界を救うのだ!」


エリクサーを持たされてエレベーターに押し込まれる、扉が閉まると中の板に次の階層の名前であろう“法と裁定を遵守する域”と表示され動き出した…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ