177:強化機体
「全員後ろに!」
塔型大盾を出してその前にセレナが水の盾を展開すると同時にガードマシン達が一斉に銃を撃ってくる。
炸裂音と金属の筒が落ちる音が立て続けに鳴り響く、水盾が防ぐ弾丸はより鋭角なものになっており破られるのは時間の問題だった。
(さっきのよりも武装が強い…それに装甲も厚みが増してるな)
さっきのは骸骨の様な見た目だったが今襲ってきているのは装甲が更に厚くなり頭部もフルフェイスの兜の様なもになっている。
さっきの警備用だとすればこっちのは戦闘用…侵入者を迎撃する為のガードマシンと言ったところだろう。
「アリア、俺が先に出て動きを乱したら続いてくれ、セレナは破られたら新しい盾を展開してシュリンと一緒に援護…新手が来るかの警戒も頼む」
塔型大盾から剣に変えると身体強化と風を纏いながら走る、一体は銃をこちらに向けて撃つが銃がどういう武器かはもう分かっている。
胴体視力を強化した眼で銃口を見定めて射線を予測する、ジグザグに走って避けれないものは小盾で逸らす様に受けて流す。
避けながら手斧を投げて銃口を逸らす、風を使って一気に近付くとガードマシンのもう片方の腕が変形して刃が展開した。
即座に跳び上がって振るわれる刃を避けると同時に槌矛を頭部に叩きつける、首を狙って振るったメイスは独特の不協和音を鳴らしながらガードマシンの頭を叩き飛ばした。
(関節部が脆いな)
着地すると他の二体が腕から刃を展開しながら襲い掛かる、転がる様に避けながら剣を手に二体が振るう刃を受ける。
左右から迫る刃を後退しながらも捌く、すると胸部が開いて中心に穴に光が灯るのを見た瞬間に塔型大盾を展開しながらしゃがむとガードマシンの胸部から凄まじい勢いで火柱が噴出した。
火柱を噴出してすぐに銃口がこちらを向く、だがその背後からアリアが大上段から振り下ろした剣が一体の頭部を深々と斬り裂いた。
ガードマシンが現れたアリアに銃を向けようとした瞬間に戦斧を開いたままの胸部に叩き込む、大きく体勢を崩したガードマシンの頭に戦斧を叩きつけて頭を引き抜いた。
床に落とした戦斧についた頭の眼から光が消えると崩れて魔石に変わっていく、魔石を拾いながら周囲を見渡すとランタンの色が戻って扉が開いた。
「…どうやら見つからずにいかないと毎回これみたいだな」
「…面倒臭い事この上ないわね」
「…さっきと構造は変わってるけど風の流れは途絶えてないから大丈夫」
シュリンの言葉に些か心が軽くなるがそれでもため息はつきたくなった…。