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175:更に上に


「眩む事なかれってのは俺達の事じゃなかったって事だ」


扉の前で休みながら俺はグリドウェンの仕掛けに関して説明をしていた。


「中層は富を奪い合って争った者達…つまりは欲に眼が眩んだ者の想念から造られている、その想念の結晶があの水晶の眼でありグリドウェンの力の源だった訳だ」


「…聞けば聞くほど嫌になる仕掛けね、あれと戦いながら部屋中の水晶を壊さないと倒せないなんて」


「ああ、仕掛けに気付けなければパーティだとしても全滅してたかもな」


一人であったとしても倒す方法はあるにはある、水晶そのものは脆かったから壁際で戦って戦闘の余波で壊していくなり広範囲の攻撃を繰り出すなどだ。


やろうと思えば出来るがかなりの負担と消耗は覚悟しなければならないだろう、俺達が少し休むだけである程度回復するのは四人で負担を分けて消耗を抑えれているからだ。


(ロウドはこれを一人で越えたのか…)


今更ながらロウドがどれだけの偉業を成し遂げていたのか改めて理解する、もはや戦う以外の道はないが通った道の険しさとその実力には畏怖すら感じる。


だが同時にその在り方にどこか哀しさを感じる、俺の様に傍に居てくれる者も背中を支えてくれる者を居らず歩み続けた事に上手く言葉には出来ないが複雑な気持ちを抱いた。


「…そろそろ行くか」


俺がそう言うとアリア達は頷いて準備を手早く終える、そして扉を開けて階段を昇っていった。









―――――


階段を昇り切った先にある扉には“鋼が流れ着いた先”と書かれていた、扉を開けて中に入るとこれまでとは違った様相となっていた。


「何、これ…」


「…魔力が下より見えにくい」


壁も床も全てが金属で造られていた、壁にはランタンの様な明かりが各所に設置されていてそれが周囲を照らしていた。


「まるで鉄船の中だな…」


基本的に船は木で造られているが最近は錆びない様に加工した金属で造られた鉄船と言うのが造られる様になった。


内部は一面が鉄の部屋や通路もあると聞いたがもしかしたらこんな光景なのかも知れない。


「シュリン、奥は分かるか」


「風は流れてるから大丈夫」


そうして足音を響かせながらしばらく通路を進んでいくとシュリンが足を止める、俺も足を止めて剣を握った。


先にある曲がり角からそれは姿を現した、ゴーレムに見えるが金属で造られた骸骨の内部を複雑な機構が剥き出しになった…メタルスケルトンとでも言うべきそれは以前戦ったジャガーノートが操っていたメタルリザードマンを思い出させた。


「侵入者発見、排除」


無機質な声でメタルスケルトンはそう言うと腕を変形させながら襲い掛かってきた。

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