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151:古代の兵器


時はベルク達がエルフォードと邂逅した頃…。




「フィフス、あの玩具を寄越せ」


「…もしやアレの事ですか?アレはこれから来るであろう冒険者達にあてがうつもりなのですが」


「俺を封印した奴を始末するのに使うと言ってもか?」


「…まさか生きていると?」


「上手く誤魔化していた様だが工房に奴等を入れたのは失策だな。

それともそれを見越してか…」


「…分かりました、どちらにせよ私は儀式の準備で動けない以上お任せしましょう。


しかし貴方ならばアレを使わずとも始末出来る筈では?」


「殺すにせよ少し話したいだけだ、邪魔が入らない様にな…」













―――――


それは背を走る感覚に飛び起きると同時に起きた。


「くっ!?」


「ふぁ!?」


「んぅ!?」


部屋が激しく揺れて天井から粉が落ちる、すぐさま全員で部屋を出て湖に向かうと上を見上げるエルフォードとシュリンがいた。


「何が起きた?」


「…工房が攻撃を受けている、先程の衝撃は上の岩山に張っていた結界が壊されたものだ」


「結界が破壊された!?」


エルフォードの張った結界となれば並大抵の事で壊される代物じゃない、少なくとも攻撃をしてきているのは上級魔術を遥かに凌ぐ何かを持っているという事だ。


その直後に轟音と共に上を光の柱が貫く、破壊力を有したそれは岩壁を穿って大きな穴を空けてしまった。


「どうやら隠れさせてはくれなさそうだな…」


俺は残った石段を駆け上がりながら穴が空いた箇所まで登っていく、アリア達も続く様に後を追って上がってきた。


穴から見えた景色に絶句する、そこにはここから直線上に木々も地面も抉られた様になっていた。


そしてその先には…。


「ドラゴン?」


輪郭(シルエット)は首の長い竜に見えた、だが日の光に照らされて浮かんだ姿に全員が息を呑んだ。


その竜は全身を朽ちかけた鎧が覆っていた、鱗に代わりなのだろう鎧の欠けた箇所から剥き出しになった中身は血の赤ではなく重厚な鈍色が露になっている。


眼と思しき箇所にある輝きは生命の光を感じさせない無機質な光が灯っていた…。


「あれはまさか…」


竜を見たエイルシードがたじろぐ、俺達とは違う驚きを浮かべていた。


「知っているのか?」


「…私とシュリンが封印される前、多種族との戦争が起こっていました。

あれを見たのは一度だけですが忘れる筈がありません」


エイルシードは竜を鋭い眼で捉えながら続けた。


「人造竜“ジャガーノート”…戦争によって生み出された戦略級兵器です!」


「人造竜…戦略級兵器だと!?」


その言葉に呼応する様に全身から軋む音を立てながらジャガーノートは咆哮を上げた…。

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