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140:魔法使いの下へ


「これで信じてくれた?」


「…ああ、ひとまずはな」


シュリンの問いに頷きながらも考えを巡らせる。


…罠である可能性はある、これはフィフスの策略で俺達を誘い込んで始末する為のものという可能性は捨てきれない。


(だが…)


それならわざわざエルフォードの名を使う必要もこうしてシュリン達を使いに出す必要はないだろう、俺達に数攻めが通じないのは公爵邸で分かっている筈だしフィフスはなんらかの手段で死なないとしても奴自身の戦力が俺達より上とは言えない。


それなら“天へ挑んだ塔”でロウドをぶつけた方が確実で手が打ちやすいだろう、これまでの事を考えるとフィフスの罠とは考えにくい。


なにより本当にエルフォードが協力するならば願ってもない事だ、今の俺達はロウドの事もフィフスの目的も何も知らない状態だ。


今は奴等の情報がひとつでも欲しい、歴代最強の魔術師の智恵ならば尚更だ。


それにホルアス達から預かった術式、フィリアの解析待ちになるかと思ったがエルフォードならばこの術式を解析できるかも知れない。


「分かった、案内を頼む」


「…なら今日はもう休んで明日出発する、それと汚れたので湯浴みがしたい」


「それなら備え付けのシャワーを使って良いが」


「シャワー…?まあ湯浴みが出来るなら遠慮なく…」


言うや否やシュリンは身につけていた衣服を脱ぎ出す、俺はすぐさま背を向けると入れ替わる様にアリアとセレナがシュリンを止めに入った。


「ちょ!?何してるの!?」


「…?、脱がなきゃ湯浴みは出来ない」


「そうですけど男性の前で脱ぐのは駄目です!脱衣所がありますからそっちで!」


二人でシュリンを脱衣所まで連れていく、ルスクディーテはそれを興味深げに見ていた。


「…羞恥心とかは教えなかったのか?」


「目覚めてからずっとダンジョンで暮らしていましたからね…そういった知識は後回しにしてしまったのは否めません」


エイルシードの言葉にため息をつく、ひとまず脱衣所から聞こえるアリア達の声を背に明日の準備をしておく事にした。


「ふむ…今日はあの娘を交えて…」


「する訳ないだろ」


ルスクディーテはいつも通りだった…。











―――――


翌朝、準備を終えた俺達はシュリンを伴ってウォークリアを出発した。


ギルドマスターには冒険者達の招集と兄貴達への連絡を頼んでおいた、俺達が先行する事に最初は渋っていたが急を要するのだと説得すると了承してくれた。


「必ず生きて帰りなさい」


「…分かりました」


部屋を出る直前に掛けられた言葉にそう答えてギルドを後にした。


「それで、エルフォードはどこにいる?」


ガルマを走らせながら聞くとエイルシードが上空を飛びながら答えた。


「ロウドが現在いる“天へ挑んだ塔”…そこから南下したところに森がダンジョンとなった“隠者の終の地”があります」


エイルシードは前へと飛んで先導しながら俺についてくる様に促す。


「彼はその奥で私達を待っています」

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