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139:古からの誘い


「ロウドを封印した…?」


告げられた言葉を思わず繰り返す、それほどまでに信じられない内容だった。


ロウドの強大さは身を以て知っている、あれはたった一人で世界を相手に戦えるだけの力を持った男だ。


そのロウドを少なくとも数百年単位で封印していた者がいるというにわかに信じがたい話だ、だが封印されていたとすれば現代にロウドが存在する理由にも説明がつく。


封印術は高度なものだと対象の状態を維持したままにする事が出来る、ロウドもそうなのだとしたら衰えを感じさせないあの姿やあの口ぶりも多少は納得がいくのだ。


「…正直まだ半信半疑だが思い当たるところもある、だとしたら何故封印が解かれた?」


「これは彼から聞いた話ですがその封印術は自身を触媒にして発動するものなのだそうです、その代償は軽いものではなく出来たのは封印が解かれた時ロウドより先に目覚める事だけだったと」


「再度封印は出来ないのか?」


「現状は不可能と、彼曰く封印できたのは奇跡的にロウドに生じた隙と数多の偶然が重なって出来た事であり今の彼は代償によってダンジョンから出る事が出来ません」


「カオスクルセイダーを探していた理由は?」


「私も詳しくは…ですが彼はカオスクルセイダーとその所有者の協力がなければロウド達によって世界は骸で埋め尽くされると言っていました」


「…」


「信じがたいと言われればそれまでです、ですが貴方にこれを渡してくれと頼まれています」


シュリンはポケットから何かを取り出すとそれをこちらに渡してきた、見ればそれは大分傷んでこそいたが黄金に煌めく冒険者タグだった。


「な…」


タグに刻まれている名前に驚愕する、アリアとセレナも覗き込む様に見てくるが信じられないと表情を露にした。


「え…嘘でしょ?私でも名前くらい知ってるわよ」


「で、ですが偽物には見えません」


指先に魔力を集めてタグに触れてみる、するとタグに施されている偽造防止の為に施された魔術で弾かれた。


「…少なくともこのタグは本物だな」


冒険者タグに施されている魔術は冒険者ギルドによって秘匿されており、幾多もの魔術制約を受けた上で修得するという徹底ぶりで技術漏洩の可能性はかなり低い。


「エルフォード=ウォーレン…」


タグに刻まれた名前を呟く、それはある意味ではロウドに匹敵する有名な人物だった。


エルフォード=ウォーレン、ロウドと同じ時代に活躍した冒険者であり、ロウドが最強の戦士なのだとすれば彼は最強の魔術師として名を馳せた人物。


魔術の深淵に達したその叡智と駆使する魔術は余りにも先を行っていた為に彼には畏怖と尊敬を込めてこう呼ばれていた。


魔術という理を越えた“魔法使い”と…。

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