表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/367

127:焔と涙


セレナがラクルの治療をしてる間にフィリアの方を見ると…。


凄まじい速さで筆を走らせながら片眼鏡型の魔道具を始めとした様々な装置を起動させているフィリアと配下の騎士達よりも忙しなく働いてるテレジアが映った。


「やっぱりザンマの能力は土属性の影響が強く出てるのかな質量操作はかなり高位のものになるけどでも聞いた話だと間違いなくそれだけに収まるものじゃないまだある筈、手にしてからまたそこまで時間が経ってないからこれからに期待としてやっぱりベルク君のカオスクルセイダーは…」


凄まじい速さで白紙を文字で埋め尽くして瞬く間に新しい紙に書いていく、テレジアは書かれた紙を集めて一目見ると紙を分けて騎士達に渡していった。


…良く見れば兄貴が書かれた紙に目を通して手伝っていた。


「あ、こちらよろしければどうぞ」


「あ、どうも」


「ああなりますとしばらく止まらないので少しだけお待ちください」


フィリアの配下の一人がお茶を用意してくれたのでありがたく頂く、しばらく待っていると片眼鏡をかけ直したフィリアが俺達に向き直った。


「良し!色々聞きたい事や話したい事はあるけど今は情報が欲しい!という訳で次はアリアちゃんとセレナちゃんでやって頂戴!」


「私はともかくセレナはまだ展開を長時間維持できないわよ?」


「それは分かってるわ!だからアリアちゃんは全力の一撃を出してセレナちゃんはそれを防いで欲しいの!今の段階ならそれが出来る筈よ!」


「…それでもかなり危険だと思うが」


アリアの展開は火力という一点ではカオスクルセイダーやザンマを凌ぐ、守りの魔術に優れているセレナでも防げるかと言われれば断言は出来なかった。


「分かりました、やらせてください」


だがセレナは迷うことなくそう言って杖を握り直した。


「…やるのか?」


「…私はアリアや他の方の様に相手を倒す力は強くありません、できるのは治して守る事だけです…だからこそ今一番強いアリアの本気の一撃でも防げるくらいじゃないといけません」


「…」


「大丈夫よベルク、私とルスクディーテが鍛えてきたのよ?私を信じてる様にセレナも信じなさい」


「…分かった」


二人に言われて大人しく下がる、アリアとセレナは少しだけ距離を取ると互いに武器を掲げながら少しだけ笑い合った。


「私達はこういう事するの初めてになるねアリア」


「そうね、だから…本気で行くわよセレナ」


「ははは、たまにはこういったものも興が乗るものよな」


そんな事を話しながらアリアは剣を強く握る、そして力ある言葉が紡がれた。


「焔装展開“情欲麗焔(ルスクディーテ)”!」


アリアの体を紅蓮の焔が包む、焔を纏った鳳を象った戦装束に身を包んだアリアが飛翔しながら剣を構えると刃に凄まじい炎熱が込められていくのが分かった。


「涙装展開…」


アリアを見上げながらセレナも言葉を口にする、焔の様に昂る宣誓ではなく薙いだ水面の様に静かな声でそれは紡がれた。


「“真実を見る涙天使(トゥルーティアー)”」


セレナの全身を水色の光が包み込んだ…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ