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1章「迷いの森」1-2「探索準備」
汚い表現がありますがご了承ください。
さて、とりあえず焚き火で目印を作ってみた。
もちろん森に火が移らないよう、穴を掘り、穴の周りを
掘って出た土で囲み、その盛り上がった場所を尿で濡らしてある。
「まぁ、これで多少マシかな…?」
ふと後ろを振り返る。
しかし何もいない。
だが―――
「なんか、誰かに見られていた気が…」
そんな気がしたのだ。
しかし、ここはそもそも人が入れる場所ではない。
入り込める場所ではない。
そもそも、入り込んだ時点で、死あるのみの場所。
…そう、ここは人々から"迷いの森"もしくは"死の森"
と呼ばれる場所。
そんな場所に人がいるはずもない。
それこそ動物や虫、魔物に至るまで。
が、彼がそんなことを知るわけもなく…
「ま、まぁこんな森にこの格好だからな…変な人とか
思われたのかな…」
もし人がいた場合、そう思われても仕方ない格好を彼は
していた。
タンクトップに、半パンだ。
明らかに森に入る格好ではない。
「…探索するか。」
探索開始です。
お読みいただきありがとうございます。