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悪党の食卓。 --王妃の実家は、たぶん黒幕説。--  作者: マイネ


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29/51

実行犯は夢を見る。 ※

※注意※

・暴力表現、過酷な表現あり。胸糞注意です。


・苦手な方は読まなくても、話は繋がりますので、飛ばしてください。


よろしくお願い致します。

 



 サイド : 実行犯・ステラ




 …夢を見ていた。




 …碌でもない私の、碌でもない夢だった。




▼△▼




 私は、準男爵家の四女として生まれた。



 意識が芽生えて最初の記憶は…


 大人の力で容赦なく叩かれ、吹き飛びながら聞いた「何で生まれてきたのよっ!!!」と狂ったように泣き叫ぶ、母の声だった。



 私は他の兄弟達とは、持って生まれた色が違う。



 私だけ、髪の色や目の色が…少しだけ違っていた。



 私だけが、虐げられて過ごしてきた。



 小さい頃は、何が原因なのかわからなかった。



 母を殴る父。


 私を殴る母。


 見て見ぬ振りをする兄弟達。



 碌でもない環境だった。



 けれど、成長した私は理解した。



 他でも無い私自身が、この碌でもない全ての事の…原因なのだと。




 私が育てば育つ程、本当の父の面影が滲み出て来ているようで、私への扱いはどんどん過酷なものになっていった。




 成長して外に出る機会が増えてからは、服に隠れない所への暴行はなくなった。




 その代わりに…、とでも言うように、私は金持ちな庶民や貴族達に、物のように貸し出されるようになった。



 通常、貴族の令嬢は、結婚時に貞操が重視される…。



 だけど、私の為に持参金を出す気など、欠片もない両親は、私を物のように貸出す事で、碌でも無い金儲けをし始めた。



 結果私は、令嬢としての価値を失った…。






 私の人生は、本当に碌でもないことばかりだった。






 親は、私が生まれてくる事を望まなかった。



 私だって、生まれてなんて、来たく無かった。




 けれど、私にはどうする事も出来なくて、言われるがままに、碌でもない両親の、碌でもない金儲けの道具になり続けた。



 望まないのなら、親に逆らい、拒絶すれば良かったのかもしれない…。



 けれど、幼い頃から身に刻み続けられた痛みと恐怖は…。




 いつだって、私の身体を動かなくする。




 身体の傷は時間が経てば治癒し、いずれはなくなる。


 でも、暴力で受けた恐怖や痛みは、心や思考の中に、少しも色褪せぬ深刻な傷として、残り続ける。


 考えただけで、震え、怯え、泣き叫びたくなるものの、それを態度に出せば、もっと酷く殴られる事を知っている。




 ただでさえ、生きる事に希望を見出せない弱い私に、身と心に刻まれたとてつもない恐怖は、到底乗り越えられる物では無かった。




 …言い訳だと言われてしまえば、…そうなのかもしれない。




 それでも、私には抗えなかった…。


 



 けれど、そんな事を続けていたら、私のして来た碌でもない事が、同じアカデミーに通う侯爵令嬢にバレてしまった。




 どんなキッカケで、何故バレてしまったのかは、わからない。




 けれど、こんな事を続けていては、バレない筈がなかったのだ…。




 その侯爵令嬢は、人生で一度も苦労をした事がないような、綺麗な手をしていた。



 そして、穏やかな笑みを浮かべながら、残酷な現実を突き付けて、私を追い詰め、脅迫をした。




 私には、従う他に選択肢が無かった。




 …振り返れば、私の碌でもない人生には、碌でもないイベントしか用意されていなかった。




 こんなに碌でもない私の最期には、きっと碌でもない死に方しか、用意されてはいないのだろう…。



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