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夏色の嘘  作者: 木島別弥
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第五話 耕太くんと雪山の山荘

「八月はクラスのみんなと雪山の山荘に行きました。すると、八月なのに嵐が来て、外と連絡がとれなくなってしまいました。なんという恐ろしいことでしょう。わたしたちのクラスは山荘に閉じ込められてしまったのです。すると、耕太くんがおもむろに語りだしました。

『犯人はこの中にいる』

 わたしはびっくりしました。なんでも、話を聞くかぎりでは、耕太くんはいくつもの怪事件を解決した名探偵なのたのだそうです。警察でも解決できなかった事件を推理する私立探偵をやっているのだそうです。名探偵だなんて、格好いいです。わたしはめまいがしました。耕太くんがいうには、わたしたちのクラスで事件が起きているというのです。

『この二年間で、クラスの男子は次々と自分の進む道を見つけて旅立っていってしまった。クラスのみんながそれを信じていた。かくいうおれも、一度はそれを信じていた身だ。一見、そう思える。だが、おれは気づいたんだ。これは壮大に仕掛けられた連続殺人なんじゃないかと』

 クラスの女子はみんなどよめきました。わたしは心臓が止まりそうでした。

『巧妙な手口を使い、クラスの十三人の男子の命を奪ったのは、良介、おまえだ』

 耕太くんはクラスで残った最後の一人の男子を指差しました。

 そして、耕太くんと良介くんはもつれあって谷底へ転落していったのでした」

 栞ちゃんが日記を読み終わると、クラス中の女子が泣いていました。

 なんと悲しいことでしょう。クラスの男子全員が良介くんに殺されただなんて。

 ちがうって。

 良介じゃないって。

 栞ちゃんはいつものように笑顔をふりまいて、学校から帰っていきました。

 嘘なのだ。

 耕太くんは名探偵ではなかった。

 二人が谷底へ転落したのは、栞ちゃんが突き落としてしまったからに決まっていた。

 夏の雪山に、耕太くんの死体が転がっている。

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