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夏色の嘘  作者: 木島別弥
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第二話 動かない時計

「八月は翔太くんとミステリーサークルを見に行きました。ミステリーサークルは一見何の変哲もない模様に見えるけれど、翔太くんはそれが宇宙人からの通信であることを見破っていました。翔太くんが不思議なことばを唱えると、空からUFOがやってきて、わたしたちを向かいいれました。わたしが驚いてどぎまぎしていると、びっくりすることに、翔太くんは宇宙人と会話しているではないですか。わたしは本当に驚きました。翔太くんがいうには、『ぼくは昔から地球外生命体の研究をしていた。ぼくはずっと地球の代表として宇宙人の侵略と戦っていたんだよ。これは本当に苦しい戦いさ』とのことです。

 翔太くんは宇宙人と交渉して、火星を地球の領土にすることができたので、火星の領事館に大使として就任することになりました。突然の決定で、翔太くんは連絡もとれずに出かけてしまったけど、立派な火星大使として仕事をしていてほしいです」

 栞ちゃんが夏休みの日記を読み終わると、クラスから歓声のため息が聞こえた。

 まさか、翔太のやつがそんなに頑張ってたなんて。応援するぜ、翔太。そのまま出世して、地球の未来をつくってくれ。

 クラスのみんなは火星大使になったという翔太くんへの賞賛を惜しまなかった。

 突然、学校へ来なくなった翔太くんに文句をいうものはひとりもいない。

 栞ちゃんはいつものように笑顔をふりまいて帰っていった。

 だれも気づかなかった。

 嘘なのだ。

 ミステリーサークルに宇宙人は来なかった。

 翔太くんが帰ってこないのは、栞ちゃんが帰れなくしてしまったからだ。

 夏の田んぼに翔太くんの死体が埋まっている。

 翔太くんの時計はもう動かない。

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