7 王宮でお祝いするの?
今日は朝からみんながバタバタと大忙し。
パパが王様に自慢のような手紙?をニヤニヤしながら早馬で送っていたが、王様からも即返事が返って来たのだとか。
『アルフレット・サンホワイト・ガザニア王
アンジュが一人で座った。
あぁーー可愛い、まあ国王である兄上に自慢の……ではなく報告です。
今日はみんなでお祝いする予定だ。
兄上は政務で忙しいだろうと思い手紙での報告にしました。
以上です!
セドリック・マーガレット公爵』
まあ、誰だってこんな内容の報告をされると、国王様ではなくても参加がしたくなるのは自然な流れだよね。
王様もパパと同じで早馬を出して強制的に、マーガレット公爵家を王宮へ招集することにしたみたい。
パパは手紙を見たあと、ため息と一緒に片手で顔を覆い「兄上め……」とぼやいていた。
ママは優雅にアリスお姉ちゃんとお茶を飲みながら美味しそうなクッキーを食べている。
良いなぁ。
【私も欲しい!!】
「アンジュが自分もクッキーが食べたいって言ってる。
俺も一枚!」
「うーー、うーー! むっ!!」
「アンジュにはまだ早いからミルクで我慢してね。
目の前で食べるべきではなかったわね、ごめんなさい」
「アンジュ……ごめんなさい。
お姉ちゃんがミルクを飲ませてあげる。
ゆっくり飲んでね」
ママ、アリスお姉ちゃん……困らせてごめんね。
ミルク凄く美味しいよ。
いつもありがとう。
王宮に着くとガザニア王一家が勢揃いしていた。
なんかこの場面見たことが……。
そうだ、思い出した。
マーガレット家に初めて着いた時と同じだ。
王様と宰相のリカルド様、私を診てくれた治癒士のグレン様は分かるけど他の方々は分からない。
二人の男の子は王子様なんだろうな。
王様の隣にいる綺麗な女性、なんだかママに似てる。
それにしても王子様の笑顔は女性の武器になりそうだよ。
ううん、絶対になるよ。
興奮からの鼻血やトキメキからの失神……ううん、気絶だね。
そうそう、私ね今誰に抱っこされてると思います?
エドお兄ちゃんに抱っこしてもらってるんだよ。
「お姉様、突然のご連絡申し訳ございません。
そして、王宮へお越しいただきありがとうございます。
……アンジュを抱いてもよろしいでしょうか?」
「王宮へのご招待、誠にありがとうございます。
えぇ、アンジュを抱いてあげてください」
「可愛い。
甘いミルクの匂い、懐かしい匂いだわ。
わたくしは王妃である前に、アンジュのママの妹、ノエリア・サンホワイト・ガザニアです。
宜しくお願い致します」
「あーー、あーー!」
「リカルド、貴方もアンジュを抱っこしてあげてください」
「リア、ちょっと待て。
俺は……小さくて甘い香り、アンジュ……可愛いな……。
俺はアンジュの母と王妃の弟、リカルド・サルビア……では皆様……失礼!」
リカルド様は何を思ったのか、自己紹介のあと王宮へ早歩きのまま私を連れて去ったのだ。
みんなポカーーンな顔で放心状態が続いたあと、急いでリカルド様を追いかけ。
「ルド叔父さん、アンジュを何処に連れて行くんですか。
僕にも抱かせてよ」
この方は誰だろう?
ジーーと見てると目が合っちゃった。
【……イケメンすぎて恥ずかしい】
きっと私の顔は真っ赤なんだろうな。
「顔が真っ赤だ。
熱があるのかな?」
【イケメンにオデコを触られた!】
「アンジュが……イケメンすぎて恥ずかしい」
「イケメンにオデコ触られたって言ってるぞ?」
【きゃあぁぁぁーー!サン、リン。
私の心の声をイケメンの前で言わないでーー!!】
私の心の叫びはスルーされたっぽい。
「ウィル王子、アンジュはわたくしが抱っこいたしますわ。
アンジュ、お姉ちゃんのとこにおいで」
私はアリスお姉ちゃんに手を出すと。
横からサッと抱き締められ、パパはまた大騒ぎ。
「アンジュが手を出したぞ。
可愛い……可愛すぎだ!
うおおぉぉぉぉぉ!
見たか、この可愛い手……アンジューー!」
周りにいるメイドさんは温かい目で見守っている。
王宮のみなさんも溺愛すぎでしょ。
「面白かった!」
「続きが気になる!」
「早く読みたい!」
と思ってくれたら
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