29 異世界からの聖女?
私は夢の中で、神様と女神様に会い。黒いローブの者にさらわれたこと。今はフェンリルの里にいること。
そして、昨日バジリスクを魔法で倒した自慢話をした。
神様と女神様は困った顔? 申し訳ないって顔をしている。なんでそんな表情をしているのかな?
私が何かを聞く前に神様から、あることを聞かされ、ますますこの世界を必ず救ってみせると心に誓った。
「アンジュ……貴女に謝らないといけない状況に発展してしまった。それは、違う世界からのゲートを無理やり開き、ムーンダストと向こうの世界とを繋げた者がいる」
「……その者は女性、アンジュと同じ地球からの転生者。だが、その者の目的が王族のウィリアム王子とダリオン王子、エドウィン、ルーアキースの四名が目的だとわかったの」
「あの……あいてのかたは、わたしが『ヒロイン』、あのおんなは『あくやくれいじょう』、などといって、いませんか?」
神様と女神様は一瞬顔を見合わせて驚いた表情をしていたが、私を見て頷いた。何となく分かったよ。
黒いローブの男は向こうの世界の住人で、その転生者のヒロイン? に命令されてやって来たってところか。
向こうの世界のヒロインは禁忌を犯してまでこちらの世界へ来たかった?
ということは……このままでは私が悪役令嬢になるってこと?
いやいや、向こうが無理矢理乱入して来たんだから……相手の女性は男が目的。だとしたら、その女性の職種は何だろう? やっぱり『聖女』かな。
あっ、向こうもチート能力があるよね。
「聞いてるか? おーーい。……一人で百面相しているぞ」
「まぁ、可愛いではありませんか。アンジュのことだから、相手のことをいろいろと考えているのではないでしょうか?」
「だが、禁忌を犯した者は……魂ごと消される。この意味を、向こうの世界の女性が理解した上で行動しているのか? というところだな」
「そうですね。向こうの世界の女神様方にお会いしましたが、あちらも女神の力で世界を動かすことは出来ないと仰っていました」
「単独行動……いや、あの女に酔心している者も力を貸しているな」
「ええ、あの女性は『聖女』ですからね。ですが、こちらへ来たとしても能力は失われて、ただの平民になりますがね。アンジュなら大丈夫だと私は思っています」
私は神様と女神様の話を聞いて強く思った。この世界は私が仲間と一緒に守ってみせる!
「かみさま、めごみさま、おふたりのはなしは、わかりました。わたしは、なかまと……あたらしくなかまになる、ものといっしょに、このせかいを、かならずすくいます。そして、ちがうせかいのゲートを、ふういんしてみせます!」
「アンジュ、ありがとう」
「貴女にはつらいことばかり押し付けてしまうが、宜しくお願いします」
「はい!」
私は目を覚まし。
フェンと目が合った。わわわっ、あの顔は怒ってる。確実に説教される!
「ぐふっ!」
肺にあった酸素が口から全て出ていた。それはフェンが私の体に乗って来たから。
フェンは一言「わりぃ」と言い、私の体をずっとチェックしている。もしかして、怪我をしてないかと心配してくれてるのかな?
「おいっ、親父何やってんだよ。アンジュが苦しがってんだろうが! 心配なら行動より言葉にしろよ」
「そうですよ、お義父さん?」
お義父さん? って言葉が脳内に入って来た。つまり、婚約したか結婚したってことか!
「アンジュ、頭なでなでして」
「もう大丈夫? ガザニアの王宮ではアンジュの話がもちきりなんだって」
「とうさまが、さわいでいるすがたが、そうぞうできる。
フェン、ラセンさん、リミーさん、しんぱいかけて、ごめんなさい。それと、こんやく? おめでとう!」
アタフタしている、ラセンさんとリミーさんが可愛い。
今日は疲労で体が動かないから、バジリスクを出すのは明日。
フェンとラセンさんの反応が楽しみ!
「面白かった!」
「続きが気になる!」
「早く読みたい!」
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