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16 リボンとツインテール

眠いけど、眩しい。


遠くの方から誰かの声がする。


でも、まだ眠いから……あと5分だけ。


体を揺らさないでよ。



「んんっ、ねむい、でちゅ……すぅすぅ……(んんっ、ねむいです…!すぅすぅ)」


「アンジュ、起きて?

起きないとウィリアム王子が来ちゃいますわよ?」


「……ねぇね?」



眠い目を擦りながら起き上がると、アリスお姉ちゃんがいることに安心したのか、私は勢い良く抱きついた。


アリスお姉ちゃんは驚いていたが、私を安心させるかのようにソッと抱きしめ。


「昨夜のことはお父様から聞いてますわ。

もうアンジュのことを1人にはしませんわ」


「ねぇね、あぁーとー」


「お着替えをしたら朝食にしましょう」


「ぁい」


私が王宮へ訪問している間は、王宮付きの侍女であるルネがお世話をしてくれる。


「今日の髪型はどういたしますか?」


「んんーーとね、こんな、のが、いいでちゅ」


私は髪を二つに分け、上へと持ち上げた。


アリスお姉ちゃんとルネはツインテールだと分かり、髪ゴムからリボンまで楽しそうに選んでくれ。


鏡の前に映っているのは私だよね。


髪型一つでこんなに変わるものなんだ。


「凄く可愛いですわ」


「アンジュをこんなに可愛く出来るなんて、さすがルネですわ」


「アイリス様、お褒め頂きありがとうございます。

これからも精進致します」


ドレッサーを見ていた私達の後ろではケルベロスのケル、ベル、ルルが騒いでいる。


サンはウィリアム王子様と廊下で待機。


リンはアリスお姉ちゃんの肩の上に乗って何度も頷いていた。


なぜサンだけ廊下に追い出されたかは……女の子の私が着替えていたからだ。


リンに「男の子は外」と言われ廊下へと移動させられていた。


ケルとベルもオスなのにズルい! と文句を言っていたがケルベロスは人間の女性に興味が無い。


女性だけではなく人間に興味がないのだ。


動物好きな人間には何もしないが、極悪非道な人間に対しては本能で分かるのか態度の差が激しい。


「アンジュ、アンジュ! 可愛い」


「アンジュの髪が二つになった」


「アンジュ、リボン良いな」


「ねぇね、ルル、に、りぼん、あげゆ」


「ルルも女の子だものね。こんな感じかしら……右耳のところにピンクのリボンを付けてみたわ」


「かあいい、ルル、かあいい」


ルルはアリスお姉ちゃんの足に猫のように擦り寄り、元気いっぱいに尻尾をブンブン振っている。


そんなルルを見たケルとベルも尻尾を振り、アリスお姉ちゃんとルネの周りを駆け回り。


「アリス、好き好き。ありがとう」


「ルル可愛い」


「ルル良かったね」


「皆様をお待たせしていますし、行きましょう」


部屋を出るとウィリアム王子様とサンだけではなく、ダリオン王子様まで廊下で待っていた。


ダリオン王子様はアリスお姉ちゃんをチラチラと見ながら目で追っている。


これって、あれだよね?


好きな人を目で追ってしまうっていう。


片想いなのかな、両想いに……王族は恋愛結婚出来ないんだよね?


アリスお姉ちゃんは将来、ウィリアム王子様と婚約して結婚するのかな……。


……なんか胸の奥がモヤモヤして、チクチクする。


ウィリアム王子様と結婚してほしくないな。


……なんで私がこんな心配しなくちゃいけないのよ。


そんなことよりも、今はステータスのことが気がかりなんだよね。


皆様にステータスを見せるのは良い……けど、見せた時の反応が怖い。


【この王国では対処出来ないって言われたら?】


「アンジュ、あの人達は大丈夫」


「信じて大丈夫だぜ。俺とリンもあいつらのこと認めてるしな」


「……あぁーとー……(ありがとう)」


「アンジュ? 心配事?」


「……ちゅて、え、たちゅ、みた、ぱぁぱが……(ステータスみたぱぱが……)」


私が言いたいことを察したのか、アリスお姉ちゃんは自信たっぷりと言い切った。


それに続くようにして、ウィリアム王子様とダリオン王子様も同意してくれた。


「お父様は昔っから大袈裟(おおげさ)なのよ。

この世には無いスキルだろうと、わたくし達はアンジュの事を大切に思う気持ちは変わりませんわ」


「そうだよ。僕は何があろうとアンジュを突き放したりしないよ……(むし)ろ守りたいんだ」


「うんうん、アンジュは妹同然なんだ。僕も守るよ」


「……あぁーとー……」


「さあ皆様、朝食に行きましょう」


「父上から聞いたのですが、朝食の席にクリス様とルイ様、シャル叔母様がご一緒すると申してましたよ」


「ほんとに? アンジュ、サルビア家のお爺様とお祖母様、お父様の妹であるシャル叔母様に会えますわよ」


「はぅ、どきどき、しまちゅ」


「大丈夫ですわよ。凄くお優しい方たちですわ」


私の胸はドキドキしたまま、アリスお姉ちゃんと手を繋いで朝食へと向かった。

「面白かった!」


「続きが気になる!」


「早く読みたい!」


と思ってくれたら


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