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15 ばぁば

パパがいることに気付かなかった私は口を開いたまま見上げ。


水晶玉に触れていた手を離すと、ステータス画面が消え、元の静けさへと戻っていた。


パパの驚いている顔を見ていたが。


ウルウルした瞳の私を見たパパはオロオロしているが、後ろから来た一度も会ったこともないおばあちゃんに扇子で叩かれている。


知らないおばあちゃんに微笑まれながら、私の名前を呼んだ。


「驚かせてしまってごめんなさいね、アンジュ」


「へっ?

わたちの、こと、ちってるん、でちゅか?(わたしのこと、しってるんですか?)」


「えぇ、知っていますよ。

アンジュはわたくしの可愛い孫ですからね。

初めまして、わたくしはジョアナ・サンホワイト・ガザニアです」


「……ばぁば?」


おばあちゃんまで胸が『キュンキュン』したのか、瞳を輝かせて抱きつかれたよ。


パパのお母さんってことは、前王妃様ってことだよね。


パパは王弟なんだ。


それだと王族の方達は身内?


……銀髪碧眼は王族にしかいないのは聞いたけど、おばあちゃんの銀髪碧眼も見惚れちゃうくらい綺麗だな。


銀髪碧眼のことを考えていた私は、真剣な表情のパパに抱きかかえられながら、ステータスのことを聞かれ。

 

「ぱぁぱ、おかお、こわい、でちゅよ(ぱぱ、かおがこわいですよ)」


「ああぁぁぁ、アンジューー。

怖がらせてごめんなーーーー!!」


「ぁい、ぱぁぱ、いぃこ、いぃこ。(はい、ぱぱ、なでなで)

えへへっ」


「「可愛いーー!!」」



胸がキュンしたのか。


パパは「キュン死しても良い」と独り言を。


そんなパパの言葉を聞いてくれる人は……いなかったみたい。



「アンジュにお願いがあるの。

聞いてくれると嬉しいわ」


「ぁい、どうじょ(はい、どうぞ)」


「ありがとう。

アンジュのステータスを王族であるわたくし達だけに見せてほしいの?」


「……」


「王族と言っても、身内だけなの。

……急かせるような物言いになってしまってごめんなさい。

……やはり今の事は忘れてちょうだい」


神様と女神様は王族、身内ならステータスを見せても大丈夫みたいなことを言ってたし、身内には知ってもらってた方が何かあった時に対処してくれるとも言ってた。


今日は遅いから、明日でも良い……よね。


あっ、おばあちゃんが部屋を出てしまう前にお返事を……。


「まって、ばぁば、まって」


「……?

アンジュ?」


「あちた、でも、いぃ、でちゅか?(あしたでも、いいですか?)」


「えっ?」


「ちゅて、え、たちゅ(ステータス)」


おばあちゃんとパパの顔が……笑顔になった。


私まで笑顔になっちゃったよ。


「ありがとう。

アンジュ、ありがとう」


「ぁい」


「可愛い、可愛いアンジュ。

ありがとう。今日は疲れてるだろう?

ゆっくり寝るんだぞ」


今は隣りに誰かいてほしかったのもあってか、おばあちゃんとパパを呼び止めていた。



「ぱぁぱ、ばぁば、ひとり、ねゆの、こあい(ぱぱ、おばあちゃん、ひとりでねるのこわい)」


「アンジュが寝るまで側にいてあげますよ」


「パパが可愛いアンジュの手を握っててあげるよ。

あぁーー、可愛い手だなぁ」


「……ぱぁぱ……【パパの鼻息が荒いよ】」


おばあちゃんが呆れた顔してる。


でも、やっぱり人肌は落ち着く。

 



「眠ったか……。

アンジュのスキルはこの世界には存在しないモノまであったぞ。

……狙われる確率が上がったが、俺たちが守らないとだな」


「えぇ、そうです。

わたくしたちが守るのですよ。

この件に関することをクリスとルイ、シャルも交えて話し合った方が良いでしょうね」


「リン、サン。ケル、ベル、ルル。

アンジュのことを頼むな」


「おう!

何かあったら知らせるよ」


「「「わかった」」」


「私たちがいるから大丈夫よ」


「ふふふ、頼もしい子達ね。

このクッキーをテーブルに置いておくので、食べてくれると嬉しいわ」


「「「「「ありがとう!」」」」」



サンとリン、ケル、ベル、ルルは美味しそうなクッキーをパクパクと食べながら、こっちのクッキーは何味だった等と感想を言いながら仲良く食べていた。


サンはテーブルの上で仰向けに寝転がり、小さく出ているお腹を撫でながら。


「もう食えねえ!」


「私もだよ」


「俺も食べれない」


「その前にもう無いけどな」


「言えてるわ」


私が寝ている隣で談笑する妖精と従魔。


起きていたら一緒に食べていたが、今は夢の中だ。


朝になったら、みんなにステータスが見せれる。


 

 

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