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心の中で一人思うなら、バレる事はないから

作者: 朝焼 悠

少し祈ってみようか

この世界の悲しみが晴れるよう

少し祈ってみようか

落とされた暗い影が薄くなるように


なんの力も無いけれど

どこにも余力は無いけれど

今更になって仲良しごっこを求めもしないけれど


少し祈ってみようか

争いが止むように

少し祈ってみようか

憎しみが消え去るように


そんな事はあり得ないと

腹の底で思っていても


だんだんと齢をとって

いい大人になってきて

気付いてしまったんだ

もしこの祈りが届いた世界に居られたとしても


まあ僕の祈りで世界がどうこうなる訳でも無いってのは

この際脇に置いておいてもらって


もし祈りが届いたとして


理想でも夢想でも

僕はその世界の中で共に微笑み合える人を

思い描けない

寂しい人間なんだって


だから

少し祈ってみようか

いつも朝 道ですれ違うあの人たちの幸せを


正直

思い出すだけで

反吐が出そうだけど

僕を傷付けたあの人たちの幸せを


そしてそれ以上に

僕と似た

違うか

似ていなくても

傷付いた人たちの幸せを


何の力も余力も無い

毎日を乗り越えるので精一杯の僕が

幾ら言ったところで

実現性は皆無だけど


心の中で一人思い願うなら

誰にもバレる事はないから


そうして祈ってみた後で

もしも許されるのなら

残った余白の部分で

自分の幸せを祈ってみたい


これまでずっと自分の事で

頭一杯だったけど

妬んで嫉んで

羨んで憎んで

笑われっぱなし

鼻をつままれっぱなしの自分を

ただ否定して責めてきたけれど


そうやって恨みや鬱憤を

晴らす事しか考えてなくて


自分の幸せってやつを

想像すらできなくなっていたって

気付いてしまったから


結局は自分が満たされたいだけじゃないかって

言われたら お終いの話なんだけど

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― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして、昨日の僕 あといっぽ、だね 君に幸いあらんことを
[良い点] そうなのか……。 孤独……。 僕も、いるよ……。 けど、君には、届かないのか……。 リアルでの、話…かな…? ここでは、君を、みてくれる人たちが、いる……。 出来れば、僕は、大事にしたい……
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